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回复:安能务著《封神演义》中文版

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防戦におわれる通天敎主の頭を、太上老君が扁拐でコツンと叩いた。とたんに通天教主が手にした剣を取り落とす。突然、三清道人は地上の三本の宝剣をそれぞれの入ってくる門にかけて、大笑いしながら出かけました。通天教主は茫然と立ち尽くしている。
太上老君用扁拐咚地敲了下通天教主的头,一下子就将通天教主手里的四把宝剑取了下来,从而结束了这场攻防战。“三清”道人忽然将地上的三把宝剑捡起,挂在了各自进来的门上,大笑着出去了。通天教主茫然地站在阵里,不知所措。
「賢弟、これからでも遅くない。気がかわったら、須弥山の宝剣を蘆蓬に届けてくれ」と太上老君は陷仙剣を門にかけて、大笑いしながら出て行きました。
“贤弟!现在后悔,也还不晚!你回过神以后,可要记得把须弥山的宝剑送到芦蓬去啊!”太上老君把陷仙剑挂在了门上,大笑着走了出去。


IP属地:安徽来自Android客户端112楼2020-04-24 10:38
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    第七八回 道仏三教主が誅仙陣を破る
    第七八回 四圣会破诛仙阵
    その翌朝、予期していたように西方から、教主の接引道人と凖提道人が界牌関の蘆蓬に現われる。西方二聖の接待を元始天尊に任せて、太上老君は燃燈道人と広成子、赤精子、玉鼎真人、道行天尊を呼び集めた。
    第二天一早,正如老君所预期的那般,从西方赶来的佛教教主接引道人和准提道人出现在界牌关的芦蓬之前。太上老君将接待西方二圣的事务交给了元始天尊,而他自己则将燃灯道人、广成子、赤精子、玉鼎真人还有道行天尊都召集了起来。
    「誅仙陣を破るのに、ちと手伝うてもらいたいことがある」と太上老君は言って、まず燃燈道人に定海珠を渡す。ほかの四人には、それぞれ両手を出させて掌に符印を書きつけた。
    “我需要大家的帮助,才能光明正大地把诛仙阵给彻底破掉。”太上老君说完,先将定海珠交给了燃灯道人,而其余四人则分别伸出双手,被老君在手掌上画上了符印。
    「燃燈は誅仙陣の上空で待機するがよい。ほかの四人は四手に分かれて、誅仙陣の四方の門で配置につけ」と太上老君は言いつける。、
    “燃灯可以埋伏在诛仙阵的上空待命。其余四人则需要分成四组,在诛仙阵的四方门前各就各位。”太上老君如此说道。
    「どうすればよろしいのでございましょうか」と燃燈道人がきく。
    “那到时我们具体该怎么做才好?”燃灯道人问道。
    「そうだね。ついでに誅仙陣のカラクリを教えておこう」と太上老君が講釈を始める。
    “别担心。我现在就会将诛仙阵的运行机理教给你们。”太上老君开始讲解了起来。
    ——知っていようが、誅仙陣の四方の門の上に掛けられている四本の宝剣は、もともと須弥山に藏されていた。だから、誅仙陣の中は、その須弥山を廻る潮流の波動を「気」に変えて閉じこめられた空間だ、と思えばまず間違いはない。
    ——你们要知道,挂在诛仙阵四方门上的四把宝剑,原本藏在须弥山。因此,你如果认为,诛仙阵是一个将环绕须弥山的潮流波动转变为“气”的封闭空间,也是没有问题的。
    ——四本の宝剣は、いずれも三段仕掛けで飛び出すように仕掛けられている。まず、侵入者が門をくぐれば、その「気配」を感じた頭上の剣が飛び出す。侵入者は即座に首を刎ね落とされる。だから「気配」を消す、つまり元神の動きを止め呼吸を殺すことが出来ない者は入れない。
    ——四把宝剑,无论哪一把都是利用三步走的方式飞出来杀人的机关。首先,当入侵者通过阵门之时,其头上的宝剑一旦感受到他的“动静”,就会马上飞出来将入侵者的头颅给砍掉。因此,入侵者的“动静”必须被消除。换句话说,无法停止元神活动,进而屏住呼吸的人,是绝对不能进入诛仙阵的。
    ——侵入者がそれを免れて闕に歩を進めれば、闕に映る「影」が宝剣に反応して、やはり宝剣が飛び出す。そのとき、じっと立っておれば、そこで刃を受けて同樣に首が落ちる。しかし移動しても闕が「影」を映して宝剣を誘導するから、どのみち難は免れられない。当然に、刃を避ける途はただ一つ「影」を消し去ることである。もとより自分の影を消すことは、言うべくして誰にでも出来ることではない。
    ——如果入侵者幸免于难,就会来到阙,而映在阙上的“影”会使宝剑产生感应,进而导致宝剑飞出,向入侵者杀去。到那个时候,如果入侵者还一直傻傻地站在那里的话,剑刃会以同样的方式将他的脑袋给斩落下来。即便入侵者想移动到别的地方,映在阙上的“影”也会诱导宝剑向他发起攻击,使入侵者最终还是难免一死。当然,如此说来,入侵者躲避剑刃的途径也就只有一个。那就是让他自己的“影”消失。不过,让自己的影子消失,应该说本来就不是谁都能做到的事情。
    ——それはともかく、「気配」と「影」を消せば、二度も飛び出しかけて、しかも二度とも封じこまれた宝剣の「気勁」が沸腾して、陣内に「未発の沖(爆発寸前の緊張状態)」を形づくる。
    ——万一入侵者成功地让自己的“动静”和“影”消失的话——我姑且不论有没有入侵者能做到这两点——你们想想,面对这样的入侵者,宝剑曾有两次机会,可以飞出杀人,却反而被阵法机关给封印了两次。在这种情况下,四把宝剑的“气劲”就会真正沸腾起来,使阵内形成一种“未发之冲(即将爆发的紧张状态)”之势。
    ——そのときに、通天教主が「掌心雷(掌の中心から放射される雷)」を発するはずだ。その雷の震動で四本の宝剣が一斉に飛び出す。そして八卦台を除く陣内の空間を、波瀾のように踊りまわる。そうなったら、もはや宝剣の刃を免れる術はない。
    ——这时,通天教主就应该会发出“掌心雷(从手掌中心发射的雷)”。由于雷声的震动,四把宝剑将会一齐飞出。然后,这四把宝剑就会在除八卦台以外的阵内空间,如潮水般向入侵者袭来。到那时,入侵者已经没有任何办法避开宝剑的锋刃了。


    IP属地:安徽来自Android客户端113楼2020-04-24 10:38
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      ——それゆえ勝負は、通天教主が掌心雷を発した次の瞬間で決まる。「未発の沖」を破って宝剣を「動」に転ずる掌心雷を制圧することが出来れは、勝ちはこっちのものだ。しかし未発の沖の空間で、掌心雷を制圧する試みは危険きわまりない。
      ——因此,决定胜负的时刻,就是通天教主发出掌心雷后的下一个瞬间。掌心雷的作用,就在于打破“未发之冲”,让原本处于“静”中的宝剑成功地“动”起来。如果我们能在这之前压制住掌心雷的话,胜利就是属于我们的。然而,在一个处于“未发之冲”之势的空间里,如果我们试图去压制通天教主的掌心雷的话,那将会处于极其危险的境地。
      ——安全無害な方法はただ一つ「虚雷」を発することである。すなわち「虚雷」で掌心雷を包みこみ、そのまま中空へ運び去るほかない。「虚雷」は「未発の沖」の対極にある「既発の虚(緊張を解消した直後の空白状態)」を形成する。その「既発の虚」が「未発の沖」の緊張を引きずりこむわけだ。しかもその瞬間に「無奈の静(動きを封殺された刹那)」が出現する。
      ——安全无害的方法只有一个——那就是发出“虚雷”来对付掌心雷。也就是说,先用“虚雷”将掌心雷包住,再径直运往空中引爆。“虚雷”的作用,在于使阵内形成与“未发之冲”完全相反的“既发之虚(消除紧张后的空白状态)”之势。“既发之虚”缓和了“未发之冲”的紧张局势。更重要的是,“无奈之静(阵法活动被封锁的那一刹那)”也会在那一瞬间出现。
      「そこで」と太上老君は言った。
      “接下来……”太上老君道。
      「広成、赤精、玉鼎、道行の四人は、その無奈の静を決して見落としてはならない。虚雷は大きな響きと真っ赤な火焰を噴き上げる。轟音を耳にし火焰を目にしたら、すかさず、門の上に掛けられた宝剣を一斉にはずして持ち去るのだ」
      “广成、赤精、玉鼎、道行,你们四人绝对不能错过那个‘无奈之静’的时刻。虚雷爆发时,会发出巨大的响声,喷出鲜红的火焰。当你们耳中听到轰鸣,眼里看到火焰之时,就要马上把挂在门上的宝剑一齐取下来拿走。”
      「そうなれば通天教主は、火遁を借りて上空に逃げるに違いない。それを上空で待ち構えている燃燈は、遠慮会釈なしに、定海珠を頭上から叩きつけよ」と太上老君は命ずる。
      “那样的话,通天教主一定会借火遁逃往上空,而在诛仙阵的上空等待已久的燃灯,就可直接用定海珠往他头上砸下去!燃灯,你到那时可千万不要有一点点客气啊!”太上老君如此命令道。
      「はああ!」と燃燈道人をはじめ五人は平伏した。
      “哈哈!没问题!”就这样,以燃灯道人为首,五人向老君平伏在地,欣然接受了他的指示。
      そして、いよいよ誅仙陣破りが始まる。
      不久后,老君等人终于开始破诛仙阵了。
      太上老君、元始天尊、接引道人、凖提道人が揃って蘆蓬を出た。燃燈道人、広成子、赤精子、玉鼎真人、道行天尊が背後にしたがう。
      太上老君、元始天尊、接引道人、准提道人一齐走出了芦蓬。燃灯道人、广成子、赤精子、玉鼎真人、道行天尊跟在了他们的背后。
      誅仙陣に到着すると、まず、広成子をはじめとする四人の仙人が配置についた。燃燈道人はいったん姿を消して中空に舞い上がる。
      到了诛仙阵后,先是以广成子为首的四位仙人各就各位,接着燃灯道人也隐去了身形,悄然飞上了半空。
      元始天尊が誅仙門から、接引道人は戮仙門から、太上老君が陷仙門、凖提道人は絕仙門から入った。元始天尊は三宝玉如意を手に、瑞雲、金蓮を頭上に顕わして八卦台に進む。接引道人は払麈を手に、舎利子(仏身を荼毘に付した骨の飾り)を頭上に戴いて、やはり八卦台に向かう。太上老君は頭上に玲瓏塔を顕わして、手に扁拐を提げ、準提道人は頭上に七宝妙樹を、手に加持杵を握って、同樣に八卦台へ進んだ。
      元始天尊进了诛仙门,接引道人进了戮仙门,太上老君进了陷仙门,准提道人进了绝仙门。元始天尊手持三宝玉如意,头顶显出瑞云和金莲,向八卦台前进;接引道人手执拂尘,头上戴有舍利子(佛身荼毘后生成的骨饰),向八卦台走去;太上老君的头上显出玲珑塔,手里提着扁拐,向八卦台走来;准提道人的头上现有七宝妙树,手握加持杵,同样向八卦台进发而来。
      四方の門から同時に入った四人の道人が、無事に闕を通過して八卦台に近づくのを見た通天教主が、両手をあげて掌心雷を発する。同時に太上老君が虚雷を発した。
      四位道人同时从四方门进入,顺利地通过了阙,逐渐接近了八卦台。通天教主目睹此景,连忙举双手发出掌心雷,可同时太上老君也发出了虚雷。
      轟音が響き、火焰が天に沖して、虚雷が掌心雷を火焰とともに運び去る。広成子、赤精子、玉鼎真人、道行天尊が一斉に四つの門から宝剣を、素早く撤去した。
      轰鸣响起,火焰冲天。随着火焰的移动,虚雷将掌心雷带走了。在此关键时刻,广成子、赤精子、玉鼎真人、道行天尊一齐出手,将四个门上的宝剑迅速撤走了。


      IP属地:安徽来自Android客户端114楼2020-04-24 10:39
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        八卦台で四道人に取り囲まれた通天教主が、払麈を手にした接引道人に斬りかかる。背後にいた凖提道人が加持杵で、通天教主の背中を撃ちつけた。背中を擊たれて一瞬息を詰めた通天教主の胸を、こんどは太上老君が扁拐で突く。よろけたはずみをそのまま利用して、通天教主は中空に飛び上がって逃げた。
        在八卦台上,通天教主被四位道人给包围了起来。先是接引道人手执拂尘,砍中了通天教主。接着准提道人又从通天教主的背后发动偷袭,用加持杵击中了他的后背。通天教主的背上受了重击,一瞬间喘不过气来。此刻太上老君看准时机,用扁拐刺中了他的胸口。眼见事不可为,踉跄而行的通天教主,假装不敌众人,摔倒在地,却趁着众人分心的那一瞬间,一跃飞上了半空,往诛仙阵外逃去。
        待ちかまえていた燃燈道人が、定海珠を投げつける。それで陣内に落下した通天教主は、とっさに土遁を借りて逃げた。それを八卦台で見ていた碧遊宫の仙人たちも、一斉に逃げ去る。
        在半空中等待已久的燃灯道人,立马扔出了定海珠。通天教主眼见定海珠袭来,吓得赶快落回阵内。此刻的他,已顾不得任何颜面,急忙借土遁逃走了。而碧游宫里的仙人们,也在八卦台上目睹了这一幕。惊慌失措的他们,也纷纷四散奔逃而去。
        誅仙陣は、あえなく破れた。接引道人と準提道人は、須弥山の四本の宝剣を受け取り、蘆蓬には立ち寄らずに立ち去る。太上老君と元始天尊はいったん蘆蓬に戻り、その足で玄都と玉虚宫に帰った。燃燈道人と十二大仙も、あとを追ってそれぞれの洞府に引き揚げる。
        就这样,诛仙阵被如此轻易地破掉了。接引道人和准提道人取回了须弥山的四把宝剑,连芦蓬都没回就直接离开了。太上老君和元始天尊回芦蓬稍作交待之后,又马不停蹄地返归到玄都与玉虚宫之中,而燃灯道人和十二大仙也会在不久后陆续回到各自的洞府中继续修行。
        界牌関の総兵徐蓋は、汜水関が陥落するとすぐ、その報告をかねて救援を求める使者を朝歌に差し向けた。
        界牌关的总兵徐盖,在得知汜水关陷落的消息后,就马上派使者前往朝歌报告消息并求朝廷派兵马来救援。
        九間殿の文書房で、その奏章を受けたのは箕子(紂王の叔父)である。
        在九间殿的文书房中,收到徐盖奏章的人,正是箕子(纣王的叔父)。
        「やはり汜水関も落ちたか」と箕子は嘆息しながら、奏章を抱えて、摘星楼に足を運んだ。
        “果然!连汜水关都陷落了啊!”箕子一边叹息着,一边抱着奏章来到了摘星楼。
        「朕の命なくして内宮に入ったは、なにやら異変があってのことか?」と紂王は機嫌が悪い。
        “你没有得到朕的命令,居然敢闯入内宫?说吧,是不是五关发生了什么异变?”纣王一脸不快道。
        「その通りでございます。もっとも十年来、異変の絶えた日はございません」と箕子はとぼけたことを言って、奏章を差し出す。
        “就是您所说的那样!不过,这十年来,异变就没有一天停下来过!”箕子说了些装糊涂的话,将奏章递给了纣王。
        「うむ、姜子牙め、ついに汜水関も落としおったか」と奏章に目を通した紂王は、思わず顔をしかめた。
        “嗯!姜子牙!居然把汜水关也给攻陷了!”纣王一见到这种奏章,就不由得皱起了眉头。
        「汜水関から救援を求めてきたときに、援軍を送ればよかったのでございます」と箕子が言う。
        “之前汜水关向朝廷寻求救援的时候,如果我们能派援军过去就好了!”箕子道。
        「わかった。界牌関にはきっと援軍を差し向けようぞ。明朝、九間殿に出駕して協議する」と箕子を退がらせた。佳夢、青竜の二関は、まあよい。しかしついに五関の一つを突破されたと知って、さすがに紂王も憂欝になった。それを見て妲妃(妲己)と喜媚が左右からしなだれかかる。
        “朕知道了!现在我们一定要派援军去界牌关了!明早,朕会驾临九间殿,与各位大臣商量这件事!”纣王说完后,让箕子先退下了。事实上,对纣王而言,佳梦、青龙两关的陷落,并不是什么大不了的事。然而,当纣王知道姜子牙终于攻破了五关中的第一关时,即便他再昏庸,也逐渐变得忧郁起来了。看到这一幕,妲妃(妲己)和喜媚的情绪也有点左右摇摆不定了。
        「陛下が下情をご存じないのにつけこんで、文武百官がデッチ上げているのでございます。ご心配なさることはございません。さあ、どうぞ」と妲妃が妖豔に盃をすすめた。
        “陛下,你知不知道,文武百官趁着你不知道下情之时,都开始瞎编乱造了!其实您没有什么可担心的!来吧!请陛下干了这杯!”妖艳的妲妃开始向纣王举杯敬酒。
        「デッチ上げだとな?」
        “妲己!你告诉我!这是大臣们联合起来给我布下的一个骗局!对不对?!”


        IP属地:安徽来自Android客户端115楼2020-04-24 10:39
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          「姉上の申す通りでございます。周兵六十万が関隘を侵し、どこそこが落ちた、などというのはでたらめに相違ありません。辺境に鎮守する武将たちが、朝廷の大臣どもと結託して、粮秣と戦費を詐取横領しているのでございます」と胡喜媚がまことしやかに言う。
          “就像姐姐说的那样!‘周兵六十万犯我关隘’,还有‘哪里哪里被攻陷了’等说法,一定是大臣们的胡说八道!如今镇守边境的武将们,正和朝廷里的大臣相互勾结,以求骗取粮草,甚至贪污军费呢!”胡喜媚煞有介事地说道。
          「なるほど。そうであろう。そうであるに違いない」と紂王は、いくどもうなずく。
          “原来如此!大概就是那样!不!一定!绝对是那样!”纣王频频点头道。
          「しからば、どう処置すベきか?」と紂王がきいた。
          “那么,朕该如何处理这件事呢?”纣王向妲妃请教道。
          「わけのないことでございます。救援を求めに遣わされた使者を、お斬り捨てください。その首を城下に晒せば、陛下に見破られたと悟って、虚偽の奏章を上呈しなくなります」と妲妃がそそのかす。
          “陛下,这种行为是没有道理的!请您马上将被派来寻求救援的使者斩首!若您能尽快将他的首级晒于城下的话,大臣们就会意识到,他们自己的阴谋被陛下给识破了!如此,他们就不会再上呈虚假的奏章了吧?”妲妃唆使道。
          「それはよい考えだ。さっそく、そうするとしょう」と紂王はただちに、界牌関の使者を梟首せよ、と命じた。
          “那真是个好主意!朕马上就叫人去办!”纣王说完,便立刻下命令,将界牌关的使者给枭首示众。
          「姜子牙が六十万の大軍を率いて東進しているのは、紛れのない事実でございます」と箕子は使者処刑の命を知るや、再び摘星楼に現われて弁護する。しかし聞き入れられずに、 使者は梟首された。
          “姜子牙正在率领六十万大军东进!这可是不争的事实啊!”在得知将使者处刑的命令后,箕子再次来到摘星楼,欲为那使者辩护。然而箕子的谏言在传入纣王耳边之前,使者便已经被枭首示众了。
          それを知って、使者に同行した軍士が夜を日に継いで界牌関に逃げかえる。報告を聞いて総兵の徐蓋は暗澹とした。
          知道了这件事后,与使者同行的军士们夜以继日地逃回了界牌关。总兵徐盖听取了军士们的报告,神色不由变得黯淡下来。
          「天子は気でも触れたのか」と思わず口をついて出る。そこへ姜子牙麾下の東征六十万の大軍が、界牌関へ押し寄せてきた。徐蓋は諸将を帥府に集める。
          “是不是不小心触怒天子了?”徐盖不由得脱口而出道。这时,姜子牙麾下的六十万东征大军,往界牌关蜂拥而来。徐盖将诸将集合到帅府,商议如何御敌。
          「われらの兵力で六十万の大軍に太刀打ちすることはかなわない。紂王はわれらが救援を求めた使者を斬った。あえて不忠の罪を犯すわけではない。天下の諸侯は、すでに西岐に傾いている。絕望的な戦いをする必要があろうか」と相談を持ちかけた。言外に投降の意があるのは明らかである。部将たちは互いに顔を見合わせて、うなずき合った。しかし彭遵と王豹の二将は、敢然と異を唱える。
          “大家都知道,我们的兵力抵不过六十万大军,故而前些日子我派出使者向朝廷求救。然而纣王却将我们的使者给斩首示众了!各位,我们并没有故意犯下不忠之罪!如今,天下的诸侯,有很多人已经倾向于西岐了。大家觉得,我们还有必要来打这场令人绝望的战斗吗?”显然,徐盖和诸将商量这件事,言外之意便是要率军向姜子牙投降。部将们面面相觑一阵后,纷纷互相点头,赞同了徐盖的想法,可彭遵和王豹二将,却敢公然提出不同意见。
          「主将の言は間違っております。いかなる状況の下でも、われらは紂王の臣として道を立てなければなりません」と口をそろえた。
          “主将的话是不对的!无论在什么情况下,我等都是纣王的臣子,必须坚守人臣之道。”二将异口同声道。
          界牌関に到着した東征軍は、関下に野営を築く。
          东征军到达界牌关后,在关下筑起了野营。
          翌朝、さっそく魏賁が轅門を出て関門に現われた。その挑戦を受けて、彭遵が関門を出る。
          次日,清晨一至,魏贲便马上从辕门中杀出,出现在关门之下。彭遵接受了魏贲的挑战,昂然出了关门。
          「掃蕩成湯天保大元帥姜子牙麾下の左哨先行官をつとめる魏賁だ。天命はすでに定まっている。戈を倒して関門を開けよ」と魏賁が大声で言った。
          “我是扫荡成汤天保大元帅姜子牙麾下的左哨先行官魏贲!如今天命已定,尔等还不赶快倒戈,打开关门!”魏贲大声喊道。
          「馬前の匹夫が、なにを大きな口をたたきおるのじゃ」と彭遵は手にしていた鎗で、いきなり突きかかる。両馬が往き交って鎗をまじえること二十数回合。互角に戦っていた彭遵が、不意に逃げ出した。
          “马前的匹夫!你在胡说八道什么!”彭遵手中的长枪突然向魏贲刺了过去。两匹战马来来往往,彭遵的长枪也与魏贲交锋了二十多个回合。二人打得势均力敌,可彭遵却突然逃走了。


          IP属地:安徽来自Android客户端116楼2020-04-24 10:40
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            それを魏賁が、懸命に追う。追いつかれたところで、彭遵が振り返った。懷かち出した「菡萏雷(蓮花のツポミ状の爆雷)」を地面へ投げつける。その菡萏雷が、追いすがった魏賁の馬の脚元で炸裂した。音とともに立ち昇った黒烟の中で、馬もろとも魏賁の身体が砕けて飛び散る。一道の魂魄が封神台に飛び去った。彭遵は勝鼓をたたかせて関門に引き揚げる。
            魏贲拼命地追赶彭遵,然而彭遵却在被魏贲追到之时,猛地回过了头。他从怀里掏出“菡萏雷(莲花形状的爆雷)”,往地面上投了出去。魏贲紧追而来,菡萏雷却在其战马的蹄边炸裂了。在伴随着爆炸声升起的黑烟之中,战马和魏贲的身体都变成了碎片,往四周飞散而去。一道魂魄飞向了封神台。彭遵敲响了胜鼓,撤回到关门之内。
            「第一陣は幸いに勝利を収めたが、関内に粮秣は乏しい。この界牌関を守り抜くことは、やはり不可能だ」と翌朝、徐蓋はさらに諸将を集めて、再び相談をかけた。そこへ門官が現われて、周将の挑戦を告げる。
            “我们在第一阵幸运地取得了胜利,然而关内粮草匮乏。要守住界牌关,还是不可能的。”第二天早上,徐盖再次召集诸将,商量投降的可行性。这时,一名门官出现,向众将告知周将挑战的消息。
            「末将が相手になります」と王豹が席を立って関門を出た。
            “这回就让末将来当他们的对手吧!”王豹离开座位,自信地出了关门。
            挑戰に現われたのは冀州侯の蘇護である。部将をしたがえていた。王豹は蘇護を見知っている。
            这次前来挑战的,正是冀州侯苏护和他统率的部将。王豹一见苏护,便认出了他。
            「忘恩忘義の匹夫が、どういうツラさげて天子の関隘を侵しに現われおったのか」と王豹は罵倒しながら、戟をしごいて蘇護に襲いかかった。それを蘇全忠、趙丙、陳季貞の三将が取り囲む。
            “忘恩负义的匹夫!到底是什么样的事情,逼得你非得入侵天子的关隘?难不成你已经活得不耐烦了?”王豹一边痛骂,一边摇晃着长戟,向苏护发起袭击。随后,苏全忠、赵丙和陈季贞三将便把王豹给包围了起来。
            衆寡敵さずと見た王豹が、囲みを破って逃げ出した。趙丙がムキになって追いかける。王豹は振り向きざま「劈面雷(顔を炸傷する火薬玉)」を投げた。
            眼见自己寡不敌众,王豹冲破三将的包围,逃了出去。赵丙火冒三丈,向其追杀而来。王豹却突然回头,朝赵丙扔出了“劈面雷(能炸伤脸的火焰弹)”。
            劈面雷を顔に受けて、趙丙が落馬する。落馬した趙丙を救い出そうと、陳季貞が馬を走らせて殺到した。が、やはり劈面雷を顔に受けて落馬する。
            赵丙的脸受劈面雷一炸,不幸当场落马。陈季贞想把落马的赵丙给救出来,便走马杀了过来。果不其然,他的脸也挨了劈面雷的一炸,很快便落马倒地。
            王豹が一度に二つの首級を挙げた。二道の魂魄が封神台に飛ぶ。王豹は意気揚々と関門に、蘇護と全忠の父子は悄然と轅門へ、それぞれ引き揚げる。
            王豹一下子就高举两名大将的首级,得意洋洋地返回了关门。两道魂魄朝封神台飞去。苏护和苏全忠父子悄然退至辕门,各自回到了大营之中。
            翌日、こんどは雷震子が轅門を出て、関門へ挑戦に現われた。関門を開けて彭遵が出てくる。菡萏雷を投げられてはかなわない、と雷震子は名乗りをあげると、すぐさま中空に飛び上がった。両翼に風雷を起こして、上から襲いかかる。
            次日,这回轮到雷震子出辕门,向关门发起挑战了。关门打开后,彭遵出来迎敌。考虑到被菡萏雷砸中,是很难受的一件事。于是,雷震子在自报家门后,便直接飞上了半空。空中的雷震子,用两翼起风发雷,向彭遵的头上发动了攻击。
            これは相手が悪いと見た彭遵が、戦いを放棄して逃げ出す。中空から追いすがった雷震子が、金棍を振って彭遵の脳天を、一撃のもとに叩き割った。一道の魂魄が封神台へ飛ぶ。雷震子は着地せずに、そのまま轅門に飛び戻った。
            眼见对手如此可怕,彭遵不由得直接弃战而逃。从空中追来雷震子,挥舞着金棍,一击便打碎了彭遵的脑壳。一道魂魄飞向了封神台。雷震子没有落地,就这样直接飞回了辕门。
            翌朝、総兵の徐蓋がまたもや部将を集めて、投降の合意を取りつけようとする。王豹は帥府に顔も出さず、勝手に兵を率いて関門を出た。そこへ折り良く哪吒が現われる。
            第二天一早,总兵徐盖再次召集了部将,打算与众将就投降一事达成一致意见。王豹没有在帅府露面,而是擅自率兵出了关门,可哪吒却恰好出现在那里,堵住了王豹的去路。
            「哪吒だな?」と風火輪で王豹は哪吒と悟った。そして戟をくり出して、火尖鎗と渡り合う。
            “是哪吒?”王豹从哪吒的风火轮中悟出了来人的身份。他急忙翻出长戟,与哪吒的火尖枪交锋了起来。
            戦うことわずか数回合にして、王豹は逃げ出した。王豹が劈面雷を投げると承知の哪吒は追わずに、その背後から乾坤圏を投げる。
            仅仅打了几个回合,王豹就逃走了。哪吒知道王豹会朝人脸上扔劈面雷,便没有去追杀王豹,而是直接朝他的背后掷出了乾坤圈。


            IP属地:安徽来自Android客户端117楼2020-04-24 10:40
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              乾坤圏を首に受けて、王豹が落馬した。哪吒がその首級を挙げて、轅門に引き揚げる。またも一道の魂魄が封神台に飛んだ。
              乾坤圈击中了王豹的脖子,让他应声落马。哪吒高举王豹的首级,回到了辕门。就这样,又有一道魂魄飞到了封神台。


              IP属地:安徽来自Android客户端118楼2020-04-24 10:41
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                第四一回 太師聞仲、征西の途につく
                第四一回 闻太师远征西岐
                魔家四将が佳夢関を離れて西岐に向かうと、まもなくして遊魂関の勝報が太師府に届いた。一気に勝負を決しようと大挙して遊魂関に奇襲をかけた太子殷郊と東伯侯軍を、総兵の竇栄が逆にワナをかけて大破したのである。
                魔家四将离开佳梦关前往征伐西岐,不久后游魂关的捷报就送到了太师府。太子殷郊和东伯侯的军队大举奇袭了游魂关,想与总兵窦荣一决胜负,却被窦荣反过来以陷阱大破之。
                つづいて三山関の総兵鄧九公からも勝報が届けられた。修行に出掛けていた鄧九公の娘鄧嬋玉が三山関に戻ってきたところへ、やはり三山関に総攻擊をかけてきた南伯侯軍を、彼女が奮戦して敗走させたのである。
                接着,三山关总兵邓九公的捷报也送了过来。之前,邓九公的女儿邓婵玉外出修行。如今,她刚刚回到三山关,就率军奋战到底,将对三山关发动总攻击的南伯侯军队打得落荒而逃。
                いよいよツキが廻ってきた——と太師聞仲は、続く勝報に気をよくした。この調子だと間もなく魔家四将が朝歌に凱旋するに違いない、と期待に胸をふくらませる。そこへ、汜水関の総兵韓栄の緊急報告書をたずさえた早馬の使者が、太師府に駈けこんできた。ついに来たか、と聞仲はニッコリ笑って報告書を受け取る。しかし開封して目を通した聞仲は、さらにそれを読みかえしながら唇をかんだ。やにわに眉間の「第三の目」が開いて白い煙を噴く。
                终于!终于!胜利的运气果然又回来了!——连续不断的捷报,让太师闻仲心情舒畅。照这个节奏下去,不久后魔家四将也一定能旗开得胜,回到朝歌!对此,闻仲的心里充满了期待。这时,一名使者携带着汜水关总兵韩荣的紧急报告书,骑快马来到了太师府。捷报终于来了啊!闻仲微笑着将报告书拿了过来。然而,闻仲开封后,先是用眼睛看了一遍,然后又咬着嘴唇,将那封报告书一字一句地读了好几遍。怒火攻心下,闻仲眉间的“第三只眼”忽然睁开,喷出了一道白烟。
                「もう容赦ならん!」と聞仲は舌打ちした。たまたま東南二路は小康をえている。
                “绝对……绝对不能原谅!”闻仲咂砸嘴道。碰巧,东南两路的局势还暂时稳定了下来。
                「姬発に姜子牙め、目に物見せてくれようぞ」と聞仲は即座に西岐への遠征を決意した。そして、さっそくと紂王に出師の表を出す。
                “姬发!姜子牙!就让我来看看,你们到底有多大的本事吧!”闻仲马上决定远征西岐。然后,他立刻就拿出了一份出师表给纣王看。
                「太師が出馬すれば、西岐は戈を倒して恭順を誓うだろう」と紂王はのんきなことを言った。
                “如果太师出马的话,西岐会马上临阵倒戈并发誓恭顺于朕的吧?”纣王又在说不着边际的话了。
                「いいえ、事態はなまやさしくなく、楽観は許されません。それより陛下、臣の留守中に事件を起こすことなきよう、くれぐれもご自重をお願いいたします」と聞仲は遠慮なく釘を刺す。
                “不!西岐的事态发展很不简单!不容乐观!比起那个,陛下,臣不在的时候,请您一定要自重一点,绝对不能再发生任何大事件了!”闻仲毫不客气地叮嘱道。
                「わかった。安心して征途につくがよい。武運を祈るぞ」と紂王は屈託なく答えて、手ずから白旄黄鉞を授けた。
                “知道了!太师,您就安心地踏上征途吧!祝您武运昌隆!”纣王毫不犹豫地回应了闻仲的叮嘱,并亲手将白旄黄钺授给了他。
                聞仲はその白旄黄鉞を掲げ、三十万の大軍を率いて城を出る。が城門で不祥な事故が起こった。ちょうど城の西門にさしかかったときのことである。
                闻仲挂起白旄,高举黄钺,率领三十万大军出了朝歌城。然而,一起不祥的事故在城门口发生了。那是闻仲刚好来到朝歌城西门时发生的事情。
                城門を出ようとして、なぜか、黒麒麟が急に脚を止める。
                闻仲刚想出城门,不知为何,墨麒麟突然停下了脚步。
                「さあ、出掛けるんだよ」と聞仲は声をかけて、その首をやさしく叩く。が、黒麒麟は、いやだ、とばかりに前脚を突っぱって動かなかった。
                “好啦!墨麒麟,我们要出发了!”闻仲和墨麒麟吱了一声,还轻轻地敲了下它的头。可墨麒麟的前脚却一个劲地支在那里,纹丝不动,好像它一点儿也不愿意让闻仲去远征西岐似的。


                IP属地:安徽来自Android客户端119楼2020-07-20 21:39
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                  「どうしたのじゃ」と聞仲がさらに首をたたく。が黒麒麟は急に前脚をあげると、一声虚空に吼えて、後脚で立ちあがった。聞仲はおどろいて、その首に抱きつく。黒麒麟はしばらくそのままの姿勢でいたが、再び悲しげに咆哮すると、こんどは激しく背中を摇すって、聞仲を振り落とした。黒麒麟は神獣である。ゆえあって聞仲を振り落としたのは明らかだ。しかし聞仲は知らぬげに、衣冠を直すと再びその背にまたがって、そのまま城門を出る。
                  “怎么了?”闻仲再次拍了拍墨麒麟的头。墨麒麟突然抬起前脚,在虚空中咆哮一声,接着就用后脚直接站起来了。闻仲吓了一跳,紧紧抱住了它的脖子。墨麒麟一开始还保持着那样的姿势,一动也不动,但很快它又再次悲伤地咆哮起来,更激烈地摇晃着,把背上的闻仲给甩了下去。墨麒麟是神兽。它之所以把闻仲甩下来,是因为它预感到了远征西岐的危险。这是墨麒麟对闻仲明确的警告。然而,闻仲却好像没有感知到墨麒麟的警告。他整理好衣冠后,再次跨上了墨麒麟的背,就这样离开了城门。
                  黄河を渡って澠池県に入ると、澠池城の総兵張奎が迎えに出た。
                  渡过黄河进入渑池县后,渑池城总兵张奎前来迎接了。
                  「西岐城へはどう往けば近いか」と聞仲が聞く。
                  “往西岐城,哪一条路更近?”闻仲问道。
                  「路は悪いが青竜関に抜けると、五関を通るよりは二百里ばかり近いはずです」と張奎は答えた。ならば、と聞仲は青竜関への路を取る。青竜関では新任の総兵丘引が迎えに出てきた。それが張桂芳ではなかったことに、聞仲は胸をしめつけられる。
                  “建议您直接穿过青龙关。虽然路不好走,但比起通过五关,应该会近二百里左右。”张奎答道。于是,闻仲踏上了通往青龙关的道路,而青龙关新任总兵丘引也将前来相迎。没想到青龙关总兵已经不是张桂芳了!闻仲一念及此,胸口就如同被人揪住了一般,开始疼痛起来。
                  青竜関を出ると急に路幅が狭くなった。それに坂が険しくなる。しかし行軍では難儀をしながらも、それを償うように景色はすばらしかった。ことに黄花山の景観は絕景である。聞仲はその麓に兵を休息させると、独りで山頂に登った。
                  出了青龙关后,路幅就一下子变得很窄,且其坡度也越发陡峭起来,甚是险峻崎岖。尽管闻仲在行军过程中遇到了很多困难,然而,老天爷已经补偿了如画般的景色,让他们一路看了个爽。尤其要说的是,黄花山的景观是毕生难遇的绝景。来到黄花山后,闻仲让士兵们在山麓处休息,就独自一人登上了山顶。
                  山頂は台地になっていて、いたるところに、思索に耽ける賢者のような姿の老松があった。その下は一面の青草である。老松の下で「黄庭」を読み、青草に寝ころがって雲を眺めておれば、おのずから不老長寿となろう、と考えながら聞仲はわれを忘れて立ちつくす。
                  山顶是一片高原,放眼望去,到处都是挺拨青翠的老松,而其中一棵老松的姿态,恰似一位耽于思索的贤者。在那棵老松下,一面面青草正在争先恐后地生长着。要是我日后归隐时,能日日在那棵老松下读着《黄庭》,累了就躺在青草地上眺望下云彩的话,自然就会长生不老的吧?闻仲站在那里,想着想着,就差点忘记了自己的存在。
                  ふと、登って来たのとは反对の方向に、なにやら号令をかける声が、かすかに聞こえてきた。声に誘われて、聞仲は崖に近づき下をのぞく。なるほど一団の兵馬が操練を行なっていた。長蛇の陣の組み方を演習している。なかなか堂に入っていると聞仲は見とれた。が、なぜか兵馬は不意に姿を消す。と思ったら、背後から声がかかった。
                  偶然间,闻仲隐约听到了一阵号令声。他总觉得,号令声传来的方向,与自己爬上来的那个方向正好相反。被号令声吸引的闻仲,慢慢走近了悬崖,并努力往悬崖下方看去。原来,一大队兵马正在悬崖下方操练。他们正在演习长蛇阵的编排方法。很不容易啊!说起来这队兵马的武艺已经十分精湛了!闻仲欣赏着他们的演习,不由得出神了。但是,不知为何,那队兵马突然消失了。闻仲大惑不解之时,一阵疑问之声却从他的背后传来了。
                  「なに者だ。われらが山穴に忍びこんで操練を探るとは不逞なやつ」と、声とともに背後に迫った武将が、いきなり馬上から斧を振りあげて襲いかかる。
                  “你是什么人?说!你是不是趁着我们潜入山洞操练兵马之时,想来偷偷摸摸地打探我们的消息?好一个为非作歹的不法之徒!”伴随着那道质问的声音,一名骑着骏马的武将已经逼近到闻仲的背后。武将突然将斧头往上一抡,向闻仲发起了袭击。


                  IP属地:安徽来自Android客户端120楼2020-07-20 21:40
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                    ほとんど同時に、頭上をさっと白い影がよぎる。唸りをあげて馬上の武将に襲いかかろうと落下しかけた金鞭が、忽然と姿を消した。中空を白い虎に乗って飛んできた道士にさらわれたのである。頭上をよぎった白い影は、道士を乗せた白い虎であった。
                    半空中的金鞭发出了呜呜声,朝马上的武将发动了袭击。然而,在金鞭几乎就要击中武将的同时,闻仲的头上闪过了一道白色的影子,使落下的金鞭在一瞬间消失得无影无踪。原来,一位骑着白虎的道士,忽然从高空中飞下,将金鞭给一把捞了上去。而那道从闻仲头上掠过的白影,正是那个道士骑着的白虎。
                    「傷つけてはいけない。西岐では手足がいる。もってこいの手足だ」と虎上の道士は、さらった金鞭を聞仲に投げて返す。そして、そのまま空のかなたに飛び去った。
                    “不要伤害他。你去征伐西岐,也需要几位股肱之人来帮你。他将会是你再合适不过的部下之一。”白虎上的道士,将刚才抢到的金鞭,直接朝闻仲扔了回去。然后,他就骑着白虎,直接飞向了远处的天际。
                    なるほど、と、うなずいた聞仲は黒麒麟を駆って東の方向に逃げる。それを武将が馬で追ってきた。聞仲は振りかえって、武将を視野の中央におさめると、疾!と金鞭で虚空に円を描く。突如として金光が走り、金の囲いが出現して武将をその中に閉じこめた。いや、閉じ込められた本人がそう錯覚しただけで、実際には金の囲いが現われたわけではない。いわゆる金遁の術でかくされたのである。
                    原来如此!闻仲点了点头,驾墨麒麟往东方逃去。武将打马追了过来。疾!闻仲转过身来,将武将带到了他的视野中心,并用金鞭在虚空中画了一个圈。忽然间,金光流转,形成了一道黄金所制的围墙,将武将困在其中。不!那只是被困住的人产生的错觉。事实上,黄金围墙并没有出现。这就是所谓的金遁术。
                    そこへ、明らかに仲間とわかる武将が、さらに二人突進してきた。一人は鎗で、もう一人は鐗で、問答無用、とばかりに襲いかかってくる。聞仲がこんどは南の方角に逃げた。そして同樣に、一人を水遁で、一人を木遁で閉じこめる。
                    这时,又有两人朝闻仲冲了过来。无需多言,这两人很明显是那位武将的同伙。一人持枪,另一人持双锏,连一句话都没说,就直接发动了攻击。闻仲这回往南方逃去,然后,他又以同样的方式,将两人分别用水遁和木遁困住了。
                    息をつくひまもなく、頭上で一陣の風が起こった。両脇に翅をつけた武将が、鎚を振りあげて聞仲の腦天に襲いかかる。金鞭を抛り上げればわけはなかった。しかし、それが出来ないばかりに聞仲は防戦でたじたじする。そのとき、空のかなたに飛び去ったはずの白い虎が、鷹の獲物を狙う勢いで空中の武将に殺到した。武将は、さっと翅をたたんで地面に降下する。そして岩かげに身を伏せた。
                    没有片刻的喘息,闻仲的头顶上就刮起了一阵风。一位两胁处长有翅膀的武将,挥舞着锤子朝闻仲的脑门处袭来。如今,闻仲没有理由不把金鞭抛上去,然而,就因为做不到这一点,闻仲才在防御战中显得手忙脚乱。这时,那只本该飞向天际的白虎,以苍鹰搏兔般的气势杀向了那位空中的武将。武将迅速收起翅膀,掉落在地面上。然后,他把身子伏在岩石后面,一动也不动。
                    白い虎の背に、先ほどの道士の姿はない。そして白い虎は空中の武将を地面に追い落としただけで、やはり、そのまま飛び去った。しかし聞仲はすかさず岩かげに身を伏せた武将の首を金鞭で押さえる。
                    在白虎的背上,闻仲并没有看到先前的道士的身影。事实上,白虎只是将空中的武将推落到地面上,然后就直接飞走了。不过,闻仲却立马用金鞭摁住了伏在岩石后面的武将的头。
                    「その首を叩き折るぞ」と押さえていた金鞭を横に振り上げた。
                    “我要扭断你的脖子!”闻仲边说边将摁住武将的金鞭横举起来。
                    「それは勘弁してくれ。一刀両断ならいいが首を折られるのは困る」と武将は言った。そして金鞭が首から離れたスキをついて、いきなり起き上がろうとする。そこへ黒麒麟が前右脚をあげて、いち早く武将の腰にかけた。
                    “请您饶了我吧。一刀两断的话,倒也没什么。可要是我被您掐住了脖子,那滋味可就难受了。”武将道。这时,金鞭掠过武将的脖子滑落了下来。武将挣扎着想要站起来,可墨麒麟却在此时迅速地用前右腿踩住了武将的腰间。
                    「勘弁してもよい。ただし条件がある。オレは朝歌の聞太師で西岐の征討に赴く途中だ。遠征軍に加わると誓ったら赦す」と聞仲が言う。
                    “我可以饶了你,不过我有个条件。我是朝歌的闻太师,目前正赶赴西岐,准备征讨不臣。你如果立誓加入远征军的话,我就饶了你。”闻仲道。


                    IP属地:安徽来自Android客户端121楼2020-07-20 21:41
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                      「誓うつもりはない。誓っても意味はないからだ。しかし义は心得ている。それより物事は相谈だ。まず话を闻いてくれ。」と武将は妙な答え方をした。面白そうな男だと思い、闻仲は黒麒麟に脚を放してやれと合図する。武将は悠然と起き上がって、軽く闻仲に一礼した。そして自己绍介する。
                      “我不打算发誓。就算我发誓,也没有任何意义。但是,我知道什么叫‘义’。比起那个,什么事情都好商量。要不,您就先听我说两句吧?”武将做出了奇怪的回答。闻仲觉得这个汉子有点意思,便暗示墨麒麟放开压住他的脚。武将悠然起身,朝闻仲鞠了一躬,然后就开始自我介绍起来。
                      「姓は辛、名を环と申す」
                      “在下姓辛,名环”
                      「辛环か。よし、话を闻こう」
                      “辛环……好吧,就让我来听听,你到底想说什么。”
                      「首を折るのを勘弁してくれと頼みはしたが、まだ部下になったわけではない。呼び舍ては无礼であろう。朝歌の闻太师といえば、われらも一応はその名を闻き知っている。が正直に言えば、伟いなどと思ったことは一度もない。もっとはっきり言えば、われら兄弟は、皇帝をさえ、くそくらえと思っている」
                      “尽管我请求您饶过了我,让我免去了折颈之厄,但我现在还不是您的部下。那么,您直呼我的大名,未免有些无礼了吧?!说起朝歌的那位闻名遐迩的闻太师,我们姑且算是听过您老人家的大名。不过,老实说,我们没觉得闻太师有多了不起!一次也没有!说得更清楚一点,我们兄弟几个认为,就算是当今皇帝,也***就是个**!”
                      「わかった。话を本题に戻せ」
                      “知道了。你可以说回到正题上了。”
                      「よかろう。われらには义兄弟が四人いる。天帝や神明とつきあうつもりはなく、天数や运命など胜手にしろと思っているから、誓いを立てる、などといったナンセンスな仪式に兴味はなく、また、それに意味があると思ったこともない。ただし约束したことは必ず守る。首の骨を折られるのを勘弁してもらったのだから、出された条件は一応、尊重して考虑する、と约束しよう」
                      “好吧。我们四个人是结义兄弟。说实话,我们不想和天帝以及神明们有什么来往。毕竟,在我们眼中,天数或者命运什么的,随他们怎么安排都无所谓。因此,诸如立誓这样的毫无意义的仪式,我们是毫无兴趣的。事实上,我至今也还没有想过,立誓到底有什么意义。然而,约定过的事情,我们一定会遵守。您已经饶了我一命,免去了我的折颈之厄。那么,您所提出的条件,我大体上会尊重并考虑一下的——这就是我和您之间的约定。”
                      「一応とは、どういうことだ」
                      “你说的‘大体上’是什么意思?”
                      「先约は后约に优先する。それゆえ、先に生死をともにすると约束した三人の义兄弟が承知しなければ、オレが贵公となにを约してもはじまらない。つまり、われら四人の义兄弟で、まず相谈してみようということだ」
                      “先约必须优先于后约。我和我的三个义兄弟,事先已经约定好生死与共了。因此,如果我的三个义兄弟不同意的话,就算我和您约定好了什么,也都是没用的。也就是说,您还是让我们四个义兄弟先商量一下再说吧。”
                      「よし、じゃ四人でじっくり相谈するがよい」
                      “好吧!那你们四个人好好商量一下吧!”
                      「いやに话がわかるじゃないか。しかし相谈の结果、条件は吞めない、となったらどうするつもりだ」
                      “我想你知道我在说什么。不过,如果我们在商量过后拒绝了你给出的条件,你接下来会怎么做呢?”
                      「やむをえまい。金鞭で打ち杀すほどのことでもなし」
                      “那我也不至于用金鞭将你们全部打死,不然的话,岂不是违背了我的初心?”
                      「勘弁したついでに、もう一度勘弁しようということか」
                      “既然您已经饶了我一次,不如待会儿您再顺便饶过我们一次吧?”
                      「そうだ。そちが约束を守る゛义゛に敬意を表してな」と闻仲は苦笑する。
                      “完全没问题。你那种遵守约定的‘义’,确实很值得我表达一下敬意。”闻仲苦笑道。
                      「本気で言ったのか」
                      “你说的是真的吗?”
                      「もちろん」と答えた闻仲の颜を辛环は刮目して、しげしげと眺めた。表情が変わる。
                      “当然!”闻仲的回答让辛环对他刮目相看。他深深地看了闻仲一眼,表情终于变了。


                      IP属地:安徽来自Android客户端122楼2020-07-20 21:41
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                        「失礼つかまつりました。太師がそれほどまでに話がわかるお方だとは存ぜず、これまでのご無礼は平にお赦し下さい。かならず三兄弟を説得して、お助けいただいた条件に従うようにいたします」と辛環は不意に態度も語気も変えた。
                        “对不起!太师!我之前对您失礼了!我不知道太师是那么讲道理的人!迄今为止对您的无礼之言,还请您多多原谅!我一定要说服我那三个兄弟,让他们也遵从您给我开出的条件!”辛环的态度和语气突然间变了一个样。
                        「では、さっそく相談されるがよい」と聞仲は東の方に金鞭の先を向けて、疾!と、まず金遁を解く。つづけて南に金鞭を向けて水遁と木遁を解いた。しかし閉ざされていた三将は自由を回復すると、再び聞仲に襲いかかる。待て、と辛環が制止した。
                        “那么,你们还是马上去商量一下这件事吧。”闻仲将金鞭指向东方。疾!他首先解开了金遁,紧接着他又把金鞭指向南方,接连解开了木遁和水遁。然而,被困住的三将一回复了自由,就准备再次向闻仲发动袭击。等一下!辛环急忙制止了他们。
                        「そこにおられるのは朝歌の太師、聞仲老爺で、われらが考えていたよりははるかに偉いお方だ。無礼を働いてはいけない。ともかく馬から下りてくれ。相談がある。」と辛環が言う。三人はキョトンとして顏を見合わせた。辛環は聞仲に顏を向ける。
                        “站在那里的道者,是朝歌的太师闻仲老爷。现实中的他,比我们想象中的那个老头要厉害得多。你们不要再无礼下去了。总而言之,你们赶快下马。我现在有事情要和你们商量。”辛环道。三人面面相觑,一脸茫然。辛环又转头向闻仲看去。
                        「その斧を手にしたのが長兄の鄧忠で、こちらの鎗を抱えたのが三弟の張節、鐗を握っているのが末弟の陶栄でございます」と三人の兄弟を紹介した。三人は不本意げに、ちょこんとうなずく。聞仲も軽くうなずき返して、そっと場をはずした。
                        “拿着斧子的人,是我的长兄邓忠;那位抱着枪的人,是我的三弟张节;而握着双锏的人,就是我的末弟陶荣了。”辛环将三位义兄弟介绍给闻仲。三人不情不愿地点了点头。闻仲也轻轻地点了下头,随后便悄然离开了。
                        四人は草の上に車座になる。辛環が説得をはじめた。四人にとって、それは栄辱と存亡をかけた至難の選択である。当然のことながら、辛環の説得は難航した。
                        四个人坐在草地上。辛环开始尝试说服他的三个义兄弟。对四个人来说,这是个关系到荣辱与存亡的极难的选择。不出意料的是,辛环的说服工作迟迟没有进展。
                        黄花山の真下には、一万人をゆうに収容する大洞窟がある。井戸もあった。小さいが、外部からは知ることの出来ない裏口もある。その洞窟は、かつて仙洞であった。そこに洞府をかまえた仙人が誰で、いつ、なぜその洞府を放棄したかは定かでない。
                        黄花山的正下方,有一个能容纳一万人的大洞窟,洞窟里还有一口井。那口井虽然小,但井里也藏着一个外人不得而知的后门。那个洞窟曾经是一个仙洞。在那里建了洞府的仙人是谁?什么时候建的?为什么后来又放弃了这个洞府?这三个问题至今还没有人能回答。
                        黄花山の下に仙洞がある——という噂は、かなり昔から流布されていた。が、ついにそれが発見されたのは十年ほど前のことである。発見者は四兄弟の三弟、張節であった。
                        黄花山下有仙洞——这个传言在很久以前就流传开来了。不过,直到十年前左右,那个仙洞才终于被人发现。发现者是四兄弟中的三弟张节。
                        黄花山の北面に「荒風の谷」と呼ばれた深い渓谷がある。一年三百六十五日、烈風が吹き荒れていたことからそう呼ばれた。しかもその烈風は、春夏には火傷するほどに熱く、秋冬は凍傷をおこすまでに冷たい。つまり荒風の谷は、それによって人間や動物が接近するのを拒んでいたのである。
                        黄花山的北面,有一个被称为“荒风之谷”的深谷。之所以这么叫,是因为这个山谷一年三百六十五日都在狂风大作。此外,这股狂风在春夏之时能热得将人灼伤;而在秋冬之时,这股狂风又冷得足以使人冻伤。也就是说,由于狂风的肆虐,想要接近荒风之谷的人类和动物都会直接被拒之门外。
                        ところが、その荒風の谷で吹き荒れる風が、日蝕や月蝕の折りには、太陽や月の暗さに比例して穏やかになる——とあるとき、張節は気づいた。そしてさらに彼は、皆既蝕ともなれば、吹き荒れている風がピタリ止むことを発見する。
                        然而,在日蚀和月蚀之时,在荒风之谷里不停呼啸的狂风,会伴随着太阳和月亮的明暗程度而成比例地平静下来——有一次,张节注意到了。然后,他还发现,如果太阳和月亮全部被侵蚀的话,不停呼啸的狂风就会恰好完全停止。


                        IP属地:安徽来自Android客户端123楼2020-07-20 21:42
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                          そこで彼は十年前に皆既日蝕の時間を狙った、谷に侵入した。そして谷の奥で「荒風」と符印の貼られた小さな旄が、巨岩の上に穿がった穴に立てられているのを見つけた。
                          于是,十年前,张节看准了日全蚀的时间,侵入了荒风之谷。接着,他在山谷深处发现了一根被贴有“荒风”符印的小旄。小旄被立在一块巨岩上的一个穿孔之中。
                          その直後に日蝕の時間がすぎて、太陽がちらりと、その顔の一部をのぞかせる。とたんに旄がゆらりと揺らぎ始めた。そして止まっていた風がそろりと吹き始める。荒風を起こしていたのは、その「荒風旄」だと気づいた張節は、急いでそれを抜き取った。そして手早く捲き上げる。果たして吹き始めた風が止まった。
                          没过多久,日蚀的时间就过去了,太阳露出了自己的一部分面容。那根小旄突然轻轻摇动起来,而原本停下来的狂风,也嗖嗖地刮了开去。张节注意到,导致山谷里狂风大作的,正是这根“荒风旄”。于是,他急忙将其拔了出来,并迅速卷起,放入怀中。果然,刚刚开始刮的狂风,就这样停止了。
                          なるほど「宇宙の神秘」には、こういうタネと仕掛けがあったのか、と張節は面白がって、手にした「荒風旄」の竿で、それが立てられていた穴をトントンと叩く。不意にギーと音がして巨岩が動き出した。張節はびっくり仰天して地面に跳びおりる。見ると動いた巨岩の裏に、大きな洞口があった。その奥に広大な洞窟がある。
                          原来如此!“宇宙的神秘”里,原来还藏着这样的门路和机关啊!张节觉得很有意思,就用手中的“荒风旄”的竿子,咚咚地敲着那个巨岩上的穿孔。突然,巨岩发出吱吱的声音,逐渐动了起来。张节吓了一跳,急忙跳下地面来一看。原来,在那块巨岩移动之后,一个很大的洞口出现了。而那个洞口通往的地方,却是一个异常广阔的洞窟。
                          洞窟の探検は後日の楽しみにして、張節はひとまず洞口を閉めようとした。巨岩を逆に動かせば閉まるはずである。そう思って彼は巨岩のあちこちを荒風旄の竿で突っついてみたが巨岩は微動だにしない。張節はあせったが、それより、この偉大な発見を兄弟たちに早く知らせようと、戸締りを諦めて荒風の谷を出た。
                          期待着日后再入洞窟探险的张节,决定先暂且把洞口给关上。如果我反过来移动巨岩的话,洞口就应该能关上吧?张节这样想着,还用荒风旄的竿子在巨岩上戳来戳去,可那块巨岩却还是纹丝不动。尽管张节有些着急,但比起那个,他更想让兄弟们早点知道这个伟大的发现。于是,他不再去想如何关上洞窟的门,而是直接走出了荒风之谷。
                          「荒風が止んだ以上、その洞窟は他の誰かに見つけられる」と話を聞いた辛環は、張節の手から荒風旄を取り上げて洞窟に急ぐ。そしてしつこく巨岩に挑戦した。しかし、まもなく日が暮れる。
                          “既然狂风停了,那个洞窟就有可能被其他人发现。”听到这番话的辛环,从张节的手里拿走了荒风旄,匆忙赶往洞窟。然后,他就一个劲地挑战巨岩,想要找到洞窟的入口。不过,还没等他找到什么诀窍,天就马上要黑了。
                          開くものは閉まる——と信じて辛環は、翌朝未明に再び出掛けた。そして泊まりこみでねばったが、巨岩は頑として動かない。それでも辛環はあきらめなかった。思わず三カ月が経過する。
                          能打开的门就一定能关上——辛环坚信着。于是,第二天早上天还未亮,辛环就再次出发了。在那里,辛环一夜没睡,可巨岩还是纹丝未动。尽管如此,辛环还是没有放弃。不知不觉,三个月过去了。
                          巨岩の横っ腹に抱きついたような形で、杏の木が一本生えていた。巨岩と格鬪を始めたときに咲かせていた花はとうに落ちて、青い実をつけたと思ったら、いつしかそれが真っ赤に熟れている。といってもせっかくつけた青い実は一つ二つと落ちて、三つだけが殘った。
                          在巨岩的边上,长有一棵杏树。杏树像一位慈祥的母亲,将巨岩紧紧地横抱在怀里。辛环想着,在他和巨岩开始搏斗之时,杏树开出了一朵朵美丽的杏花。现在,杏花早已落下,那些青色的果实该结出来了。总有一天,那些果实会完全熟透,变得赤红赤红。话虽这么说,但他好不容易才想清楚这些。接着青色的果实就一颗接一颗地掉下来,如今只剩下三颗了。


                          IP属地:安徽来自Android客户端124楼2020-07-20 21:42
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                            ある日、どこから来たのか、その熟れた杏の実を狙って、一群の猿が現われる。ボス猿はムササビのように大きな翅をつけて、空中を飛びまわりながら群れを指揮していた。横取りされてはかなわない、と辛環は荒風旄で熱風を起こして猿の大群を追い払う。そして、いきなり口にするのは惜しかったが、やはり腹に始末するに如くはない、とその赤い果実をもぎ取って口に入れた。
                            有一天,不知从哪里来的一群猴子,看中了那些成熟的杏子,出现在辛环面前。为首的猴子长着像飞鼠一样的大翅膀。它一边在空中飞来飞去,一边指挥着猴群去摘取那些杏子。要是杏子被抢走的话,那可让人受不了!于是,辛环使出荒风旄,刮起热风将那一大群猴子给赶走了。尽管这种行为说出来很丢人,但这些杏子还是早点放进肚子里面比较好。于是,辛环摘下那些赤红的果实,并将其放进了嘴里。
                            「仙果」とはこのことであろうか、と辛環はその美味さに感激しながら舌なめずりする。と、両脇下からヌッと翅が生えてきた。辛環は呆然として、手にしていた荒風旄を取り落とす。それが杏の根本に当って、巨岩がかすかに動いた。さては!と辛環は両脇に翅の生えたことも忘れて、素早く荒風旄を拾い上げる。その竿で杏の根本をポンポンと叩いた。果たして巨岩が動き出す。辛環は跳びあがって悦んだ。ついに洞窟の戸を閉めるのに成功したのである。
                            “仙果”指的就是这个吗?辛环一边感激着它的美味,一边舔着嘴唇。忽然,他的两胁下生出了翅膀。辛环目瞪口呆,就连一直握在他手里的荒风旄也不知不觉地掉了下来。荒风旄撞到了杏树的根,与此同时,巨岩也微微地动了起来。哎呀呀!辛环一下子就忘了两胁生翅的事情,急忙把荒风旄给捡了起来。接着,他用荒风旄的竿子,砰地一声敲了下杏树的根。巨岩果真动了起来。辛环高兴得跳了起来。洞窟的门终于被他给成功地关上了。
                            洞口の開閉が自由になれば、洞窟は住居としての機能をもつ。辛環ら四兄弟はさっそく洞窟に本拠を移した。彼ら四兄弟はそれぞれ出自を異にするが、ともに現実からハミ出した武将である。縁あって義兄弟となった四人は、黄花山に住みつき、猟師を業として生活を営んでいた。が必要に迫られて、時に、諸侯の粮秣輸送隊を襲い、必要最小限の食粮を奪略することがある。
                            如果洞口能自由地开闭,洞窟就具备了居住的功能。辛环等四兄弟立刻将他们的据点转移到了洞窟中。他们四兄弟虽然各自出身不同,但都是在现实里脱颖而出的武将。机缘巧合下,四人结为义兄弟,并来到黄花山居住。此后,他们一直以捕猎为业维持着日常生活。迫于生存需要,他们有时也会袭击诸侯们的粮秣运输队,以夺取其最低限度所必需的粮食。
                            そこへ五年ほど前、近辺の百姓が五百人ばかり大挙して黄花山に逃げこんできた。苛酷な徵税と課役に堪えかねて集団逃亡をしたところを、軍隊に追われて逃げこんだのである。逃げ場を失なった百姓たちを、四兄弟は快く洞窟にかくまった。
                            大约在五年前,附近的五百个农民大举逃到了黄花山。这些农民难以忍受残酷的征税和课役,故而集体逃亡。他们一直被军队追赶,最终逃进了这里。目睹此景,四兄弟急忙把流离失所的农民们藏在了洞窟之中。
                            自然のなりゆきで、逃げこんだ百姓たちは強盗集団と化す。四兄弟は彼らに軍事訓練を施して、もっぱら近隣諸侯の武器、粮秣を略奪させた。そして略奪現場を目撃した百姓たちが、さらに五人、十人と集団に加わる。五年ぐらいの間に、その数は十数倍にふくらんだ。
                            于是,那些逃跑的农民就顺其自然地变成了山贼集团。四兄弟对他们进行军事训练后,带着他们专门去抢夺附近诸侯的武器和粮草。后来,许多底层百姓目睹了掠夺现场后,一五一十地加入了这个山贼集团。就这样,在五年左右的时间内,山贼集团的人数扩大了十几倍。
                            黄花山の洞窟は、巨岩で洞口をふさげば、攻める術のない地上最強の要塞である。鄧忠、張節、陶栄は用兵の法に通じていた。彼らの指揮する強盗集団を、さらに辛環が空中から見張り、荒風旄を手に護衛する。黄花山の強盗集団はまさに無敵の軍団であった。
                            事实上,如果用巨岩堵住洞口的话,黄花山的洞窟就会成为诸侯们无法攻破的地上最强要塞。邓忠、张节还有陶荣都精通用兵之法,而在他们指挥山贼集团外出掠夺时,辛环就会飞上半空监视,并手持“荒风旄”以护卫他们的安全。


                            IP属地:安徽来自Android客户端125楼2020-07-20 21:43
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                              近隣の諸侯たちは、その横行になす術を知らず、ついには彼らと秘かに協定を結んで「年貢」を納める気の利いた諸侯まで現われた。かくて四兄弟は「四天王」と呼ばれて黄花山に君臨し、四隣を睥睨して、今日に至っている——その黄花山へ聞仲がそれと知らずに足を踏み入れた。三兄弟に对する辛環の説得が難航したのは、要するに——せっかく築き上げた地位を捨てるに未練があり、地上最强の根拠地を放棄するのが惜しくて、軍団を解体するには忍びない——からである。しかし彼らはついに、いいチエをしぼり出した。
                              附近的诸侯们,不知道他们赖以横行霸道的方法。久而久之,有些机灵的诸侯出现了。由于不堪掠夺,他们和四兄弟秘密缔结协定,并向四兄弟交纳“年贡”,以换取自身的安全。于是,四兄弟被人称作“四天王”。他们君临黄花山,睥睨着四隣的诸侯们。直至今日——闻仲不知不觉地踏入了黄花山的地头。这就是辛环难以说服三兄弟的原因。总而言之——他们对好不容易建立起来的地位恋恋不舍,也对放弃地上最强的根据地感到惋惜,更不忍心直接解散掉这支由底层农民组建而成的精英军团——不过,他们终于想出了一个好办法来。
                              「太師、ちと相談があります」と四兄弟は揃って聞仲の前にまかり出る。
                              “太师,我和您有事情想商量。”四兄弟一起出现在闻仲面前。
                              「決して悪いことは言いません。太師、西岐の遠征は誰かに任せて、ここ黄花山に留まり、棟梁になって下さい。都で腰に玉帯を結んでも、いつ気ままな皇帝の逆麟にふれて首を斬られるかも知れない仲間と生活を共にするのは賢明ではありません。ここ黄花山は安全で、安心して好き放題に振舞えるし、必要なものは何でもあります。西岐の遠征で、よしんば勝利を収めても与えられる恩賞はタカが知れており、万一敗北して命を落とせば、それこそ割にあいません。われら四兄弟、しかと太師をボスに仰ぐと約束いたします。どうか、おとどまり下さい」と長兄の鄧忠が四人を代表して言った。四人が異口同音に聞仲の説得にかかる。
                              “我绝不会对您说什么恶言恶语的。太师,要不您还是把远征西岐的任务交给别人吧?请您留在黄花山,成为这里的灵魂人物。要知道,您即使已经在朝歌系上了玉带,也随时有可能触碰到皇帝的逆麟,而被他任性地斩首。您以前的伙伴们,不都一个个地沦落到如此下场吗?和这样的皇帝共事,显然是不理智的行为。黄花山是一个安全的地方。请放心。您可以在这里随心所欲地生活,想做什么事情都可以,而且您需要的东西,我们这里都一应俱全。再说了,在西岐的远征里,就算您取得了什么胜利,您能得到的恩赏,也只有老天爷才知道。万一您败给姜子牙,甚至因此而丧命的话,岂不是得不偿失?!太师,请您一定要留下来!我保证,只要您就此留在黄花山上,我们四兄弟就尊您为黄花山的老大!”作为四人的代表,长兄邓忠提出了这样的建议。紧接着,四人开始异口同声地说服起闻仲来。
                              「そちらが“義”によって兄弟となったように、君臣関係もまた“義”である。そして、そちらが義を尚ぶように、オレも義を重んじなければならない。それゆえ志はありがたいが、それはとても出来ない相談だ。ボスに仰ぐ気があるのなら、ここはそのボスの意を汲んで、やはり遠征軍に加わってもらいたい」と聞仲は言った。
                              “就像你们由于‘义’而结为兄弟一样,君臣关系也是‘义’的一种。再说,你们如此尊崇‘义’,可我也是很重视‘义’的人啊!因此,我虽然很感谢你们的邀请,但这件事是办不到的。如果你们很敬仰我,想认我做老大的话,那就请你们体谅下我这个老大的心意——我,闻仲,还是想请你们加入远征军!”闻仲道。
                              「いや、ボスに仰ぐと言ったのは、太師がここに殘ればの話です」と長兄の鄧忠が答えて、三兄弟に合図する。四人は黙ってその場を去り、あらためて相談をはじめた。
                              “不,我说过了。如果太师留在这里的话,我们才会尊您为老大。”长兄邓忠回绝了闻仲的邀请,并向其余三兄弟示意。四人默默无言,当场离开,准备重新商量出一个更好的办法。
                              麓で休息を取っていた朝歌の遠征軍は、太師聞仲が山頂に登ったきり、いつまでも戻ってこないことで、どよめき始める。それより遠く離れて、黄花山上での四天王の相談と、聞仲との交涉の一部始終を、千里眼、順風耳の黒点虎から逐一、報告を受けていた申公豹が焦らだってきた。そして黒点虎にまたがり、大洞窟の前に姿を現わす。
                              太师闻仲自从登上了山顶后,就再也没有回来过。在山脚下休息的朝歌远征军,开始大声喧哗起来。比起那个,尽管申公豹离黄花山很远,却能从拥有千里眼顺风耳的黑点虎的口中得知四天王在黄花山上的讨论,以及他们与闻仲的交涉结果。黑点虎将他们的对话一五一十地转述给申公豹。收到报告的他,逐渐焦躁不安起来。随后,他骑着黑点虎,在大洞窟前现出了身形。


                              IP属地:安徽来自Android客户端126楼2020-07-20 21:43
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