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回复:安能务著《封神演义》中文版

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「黙れ、秦完!こんどはお前の得意げな顏が首から離れる番だ。覚悟しろよ」と文殊広法天尊が進み出る。すかさず、足下を「一指」して両朶の白蓮を顕わし、それを足に履いた。
“闭嘴吧!秦完!瞧你那满是得意洋洋的神情的脑袋!这回该轮到它从你的脖子上掉下来了!觉悟吧!”文殊广法天尊向前迈了一大步。他足下“一指”,两朵白莲显出,并立刻将其穿在脚上。
「うむ、文殊か。せっかくだがその白蓮は役に立たんぞ」
“嗯!是文殊啊!难得啊!那白莲可真帮了你大忙啊!”
「いいから、さっさと先に入れ」と文殊広法天尊は秦天君を追いたてた。そして入口で、さらにフッと鋭く息を吐いて一斗枡大の金蓮を顕わす。つづけて「疾!」と左手をあげて五本の指から五条の金光を出した。五条の金光が一斗枡大の金蓮を支えると、金蓮の上に、五盞の金灯が現われて、パッと灯りがつく。それに導かれ護られて、広法天尊は静かに天絕陣に入る。
“没什么大不了的!你还是赶紧先入阵吧!”文殊广法天尊不停地追着秦天君。然后,他在天绝阵的入口处,更尖尖地吐了一口气,显出了一朵斗枡大小的金莲。接着他又举起了左手。“疾!”五道金光从他的五根手指处发出,支撑着那朵斗枡大小的金莲。五盏金灯出现在金莲之上,一下子便亮了起来。在金灯的引导和保护之下,广法天尊静静地进入了天绝阵。
「天」旙が動き、つづいて「地」旙が動いた。しかし天尊は構わず陣の中央に進む。
“天”旙在动,接着“地”旙也动了起来,然而天尊却毫不在意,继续向天绝阵的中央前进着。
「文殊、気をつけろよ」と秦天君は親切にも声をかけて「人」旙を振った。が、天尊は眉一つ動かさない。
“文殊,小心点哦!”秦天君亲切地打了个招呼,猛地挥动了“人”旙,可天尊却连眉毛也没有动一下。
「そんなバカな」と秦天君はつづけざまに振った。
“那样的笨蛋!怕什么!”秦天君不停地挥舞着“人”旙道。
「さあ秦完、こんどはそっちが気をつけろよ」と広法天尊が遁竜樁を投げる。それが、躍起に旙を振る秦天君の頭上に落下した。型通りに、首、胸、脚の三箇所を箍めあげられて、秦天君は直立不動となる。
“来!秦完!这回你可得给我留神点儿!”广法天尊掷出了遁龙桩。于是,遁龙桩直接在大肆挥舞“人”旙的秦天君头上落下。按老规矩,秦天君的脖子、胸、脚三处被广法天尊给箍了起来。现在,他只能直直地站在那里,动也动不得。
「ただいま殺戒を破ります」と広法天尊は崑崙に一礼して、秦天君の首を刎ねた。またも、一道の魂魄が封神台に飛ぶ。広法天尊は三本の紙旙を破りすてて、天絕陣を出た。
“现在我要破杀戒了!”广法天尊向昆仑行了一礼,将秦天君的首级砍了下来。又有一道魂魄飞向了封神台。广法天尊又将那三根纸旙尽数撕碎,随即便走出了天绝阵。
文殊広法天尊が秦天君の首級を提げて出て来たのを見て、燃燈道人は引き揚げの合図を出す。そのとき地裂陣の門が開いて趙天君が姿を現わした。
看到文殊广法天尊提着秦天君的首级走出来后,燃灯道人立马发出撤退的信号。这时,地裂阵的门开了,赵天君的身影也出现在大家面前。
「逃げるな、燃燈。こんどはわが地裂陣を破ってみよ」と挑発する。番外だが、燃燈道人はあえて挑発に乗った。そして韓毒竜に地裂陣を破れと命ずる。
“燃灯!别想逃!这回轮到我的地裂阵了!你们还不派人去试着破一下?!”赵天君挑衅道。尽管这只是个意外,但燃灯道人却硬是中了赵天君的挑衅之计。然后,他便命韩毒龙去破地裂阵了。
命を受けて、韓毒竜が進み出た。
韩毒龙接到命令后,朝着地裂阵的方向大踏步地前进着。
「おい燃燈、なんで無用な殺生をする。なぜ、もっとましなのを出さないのだ」と趙天君が言う。
“喂!燃灯!为什么你要让我造无用的杀业?!你为什么不派一个更强的人出来呢?”赵天君道。
「なにを!」と、燃燈道人が答えるより早く、韓毒竜が刀を抜いて切りかかった。
“(韩毒龙),你还在干什么?!”早在燃灯道人答出这句话之前,韩毒龙便已拔刀向赵天君砍去。
「よし、勝手に死ね」と趙天君は切っ先をかわして、韓毒竜の背中を押す。その勢いで韓毒竜はたららを踏んで地裂陣に駈けこむ。とたんに雷火が起こり、韓毒竜は一瞬にして黑焦げとなった。またしても、一道の魂魄が封神台に飛び去る。
“好!那就让你随便地死掉吧!”赵天君避开锋芒,反手便往韩毒龙背上一推。趁着这股势头,韩毒龙轻手轻脚地冲入了地裂阵中。突然,一道雷火暴起,在一瞬间内将韩毒龙烧得焦黑。又是一道魂魄飞向了封神台。


IP属地:安徽来自Android客户端76楼2020-02-19 22:06
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    ——地裂陣は、天絕陣よりもさらに単純で、わずかに紅旙が一本、奥の片隅に立てかけられていた。しかし、きわめて変化多端な空間である。まず地道と天道の「極」が組み換えられていて、陰陽が逆立ちをしていた。つまり濁厚の地気(陰)が清澄の雲気(陽)に反されて、そのまさに発して沖する「勢」が、雷火の「機」に閉じこめられている。それが足音にも感応して雷火を起こし、一瞬にして闖入者を焼き焦がすのだ。さらに紅旙を振れば、道行の深い上仙でも炭となる——
    ——说实话,地裂阵比天绝阵还要单纯。在地裂阵内,仅有一根红旙立在角落深处。不过,地裂阵却是一个极其变化多端的空间。首先,天道和地道的“极”一直在不停地被重组,而“阴”与“阳”也在不断颠倒着。也就是说,浊厚的地气(阴)和清澄的云气(阳)是颠倒相反的。在这样的情况下,“阴”与“阳”所发出的冲击“势”被雷火之“机”给封闭束缚住了。于是,当闯入者的足音被地裂阵感应到后,雷火便会被引发出来,在一瞬间将闯入者给烧焦。主阵者要是再挥动红旙的话,就算是道行深厚的上仙也得被化为焦炭——
    「さあ、勝手に陣内にとびこんだ道童は炭となった。同樣に炭になりたい者は名乗り出よ」と趙天君はさらに挑発する。
    “来啊!擅自闯入阵内的道童已经变成焦炭了哦!想和他一样变成焦炭的人,还是赶快出来报上姓名好一点!”赵天君愈发挑衅道。
    「おい趙江、炭焼きが面白くてバカなマネをしたのであろうが、もう二度と妙な悪ふざけはさせんぞ」と夾竜山の懼留孫が進み出た。
    “喂!赵江!烧炭很有趣吧!尽管你做下了愚蠢的模仿行为,但我再也不会让你胡闹下去了哦!”夹龙山的惧留孙立马走了出来。
    「いや、千五百年の道行を積んだお前なら、きっといい炭になるぞ。さあ入ってこい」と趙天君は先に陣内に入る。そして紅旙を手に、懼留孫を待ちかまえた。
    “不错!积累了一千五百年道行的你,一定能成为一块好炭的!你还不快点进来啊!”赵天君抢先进入阵内,然后将红旙拿在手中,等待着惧留孙的到来。
    懼留孫は天門(鼻の孔)を開けて、慶雲を吐き出す。その慶雲に身を包まれて地裂陣に入った。趙天君が、さっと旙を振る。やにわに豪雷がとどろき、烈火が噴き出した。が、慶雲に身を包まれた懼留孫は、炭になるどころか、眉毛も焦げない。趙天君はムキになって紅旙を振りつづけた。
    惧留孙张开天门(鼻孔),吐出庆云。庆云将惧留孙的身体包裹在其中。当惧留孙进入地裂阵后,赵天君突然挥动红旙。猛然间豪雷轰鸣,烈火喷出。不过,被庆云笼罩住全身的惧留孙,不但没有化为焦炭,而且连眉毛也没有半点烧焦的痕迹。赵天君怒上心头,疯狂挥舞着红旙。
    懼留孫は懷からおもむろに「綑仙繩」を出す。片端を手に握ると、それを大きく横に払った。先端が趙天君の身体に、ぐるぐるっと卷きつく。懼留孫はそのまま趙天君を陣の外に引きずり出した。はずみをつけて、疾!と中空に振り上げて、同時に手を放す。趙天君を卷き取った綑仙繩は、そのまま真っすぐ蘆蓬に飛び去った。
    惧留孙从怀里慢慢拿出“捆仙绳”。他将捆仙绳的末端握在手中,并挥动绳子,使其在周围大大地横扫了一圈。很快捆仙绳的末端便碰到了赵天君的身体,并将其卷成一团。惧留孙就这样把赵天君拉出阵外。疾!惧留孙加快脚步,将捆仙绳奋力挥向空中,同时也放开了手。就这样,被捆仙绳卷起的赵天君笔直地向芦蓬飞了过去。
    蘆蓬には誰もいない。それと見て聞仲が、趙天君を救い出せ、と辛環に命じた。辛環が飛び上がる。雷震子が追おうと翼を広げた。
    目前芦蓬里一个人也没有。闻仲见状,便命辛环去将赵天君救出。可在辛环飞上半空的同时,雷震子也展开双翼准备去追他。
    「放っておけ」と懼留孫が制止する。燃燈道人は一同を引き連れて十絕陣を離れた。蘆蓬に戻ると、辛環が汗みどろで綑仙繩と格鬪している。
    “雷震子住手!不用管他!”惧留孙及时制止了雷震子。此时燃灯道人也准备带领大家一同离开十绝阵。当他们回到芦蓬时,发现辛环正满头大汗地与捆仙绳“斗法”。
    「ムダだよ。解こうとすればするほど身体にくいこむ」と懼留孫が稳やかに教えた。辛環はあきらめて蘆蓬を離れる。
    “别白费功夫了!你越想要解开,赵天君的身体就越难受!”惧留孙平静地说道。无奈之下,辛环只得放弃救人,离开了芦蓬。
    「趙江をどうしましょうか」と楊戩が聞く。
    “赵江,该怎么办?”杨戬问道。
    「柱に吊るしておけ」と燃燈道人が命じた。
    “把他吊在柱子上吧。”燃灯道人命令道。
    「では師叔、綑仙繩を解いて下さい」
    “那么请师叔解开捆仙绳。”
    「いや、そのまま吊ったほうが、逃げ出される心配がなくてよい」と懼留孫が答える。
    “不!还是就这样吊起来比较好,如此我们就不必担心他逃跑了。”惧留孙回答道。


    IP属地:安徽来自Android客户端77楼2020-02-19 22:06
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      「さて、天絕、地裂の二陣は簡単に破った。しかし風吼陣は”定風珠” なしには破れない」と燃燈道人は十二大仙に相談する。
      “如今,天绝、地裂二阵已被我等轻易地破掉了,不过如果我们没有‘定风珠’的话,就破不了风吼阵。”燃灯道人与十二大仙商量道。
      「定風珠なら九鼎鉄叉山は八宝雲光洞の度厄真人が持っている筈です。金吒の父李靖がその門下にいたことがあるから、金吒を借りに遣わしたらいかがでしょうか」と文殊広法天尊が言った。
      “定风珠的话,应该在九鼎铁叉山八宝云光洞的度厄真人手里。金吒的父亲李靖曾在他的门下学艺,不如我们就派金吒去借如何?”文殊广法天尊道。
      「うむ、それもよいが、ちと問题がある。あの仙人はクセがあって付き合いがよくない。それに、李靖はいま貧道の洞府にいる。それを彼は快く思っていない」と燃燈が躊躇の色を現わす。
      “嗯!这个办法也不错,但有点儿小小的问题。那个仙人脾气不好,我们很难和他打交道。况且,李靖如今正在贫道的洞府里修行,想必度厄真人对此事也十分反感。”燃灯露出了踌躇之色。
      「ならば、度厄真人は貧道が懇意にしております。貧道が添書を書きましょう。道士よりも、西岐城の武将を遣わしたら貸してくれるはずです」と霊宝大法師が言った。
      “如果是这样的话,度厄真人倒是与贫道交情不错,就让贫道现在写一封信给他。另外,比起道士,如果派西岐城的武将去的话,他应该会借给我们的。”灵宝大法师道。
      「それは助かる」と燃燈道人は悦ぶ。姜子牙は即座に武吉と晁田を使いに立てた。
      “那你可真帮了个大忙了!”燃灯道人悦道。姜子牙立即派武吉和晁田持书信前往。
      武吉と晁田はさっそく馬を駆って城門をとび出す。やがて涇水の渡し場に差しかかった。が渡し場に舟がない。
      武吉和晁田赶紧驱马从城门绝尘而去。不久后,他俩便来到了泾水渡口,可渡口上却连一艘船也没有。
      見ると、川の中央に巨大な筏が浮いていた。両端に結ばれた太い網が両岸に渡されている。その網の一端を握ったまま、大きな男が昼寝をしていた。武吉が馬を降りてたたき起こす。
      他俩定睛一看,只见一艘巨大的木筏漂浮在河中央。木筏的两端结有粗网,粗网横渡两岸。它的一头正紧握在一个午睡中的男子手里。武吉下马,用鞭子鞭打男子,将他吵醒了。
      むくっと起きあがった男は、雲をつくような巨漢であった。しかし驚いたのは武吉よりも晁田である。
      男子蓦然站起,是个顶天立地的巨汉,让武吉大为吃惊。可比起武吉,晁田却对这巨汉更加震惊。
      「おお、方将軍ではないか」と晁田が声をかけた。かつて朝歌の城で、九間殿の鎮殿将軍を勤めた——父の紂王に殺されかかった殷郊と殷洪の皇太子兄弟を助けようと、二人を背負って城から逃亡した——方兄弟の一人、兄の方弼である。見れば弟の方相は对岸にいた。かつての朝歌城で、晁田兄弟と方弼兄弟は犬猿の仲だったが、互いに立場が変わった上に、十数年の歲月が流れている。ことに異郷の地であえば、やはり互いに懷しかった。
      “啊!这不是方将军吗?!”晁田对巨汉打了个招呼。原来这巨汉曾在朝歌城的九间殿中担任镇殿将军——当时,皇太子殷郊和他的兄弟殷洪正要被他们的父亲纣王所杀。方弼和方相想要帮助他俩,便分别背着二人逃出了朝歌城——这是方家兄弟中的一人,兄长方弼。看来,他的弟弟方相应该在河对岸。以前在朝歌城共事之时,晁田兄弟和方弼兄弟的关系就水火不相容。尽管如今十几年岁月流逝了,彼此的立场也改变了,但如今他们都在异乡之地,自然还是互相怀疑起对方来。
      「ほんとうに久しぶりだね」と二人は身の上話を始める。方弼兄弟は方々の諸侯に身を寄せたが、いずれもうまくゆかず、浪々の末に涇水の渡し場に流れてきた。そして生活のために渡し場から渡し舟を追い払って、「筏渡し」を始めたという。
      “真是好久不见了啊!”两个人开始谈起自己的经历。方弼兄弟曾经寄身于各方诸侯,但一直没有过上稳定的生活,落魄的他们最后流浪到了泾水的渡口。据说为了活下来,方家兄弟把渡船从渡口处全部赶走,开始了“筏渡”的生活。
      「独り占めの商壳だから儲かっていよう。われら二人も渡してもらいたいが、渡し賃をふんだくるなよ」と晁田が言った。
      “我俩是做独家买卖的,稍微能赚点钱。现在我俩也有意,想将这笔渡河的生意交给你们。你们可别向我俩要太多渡河费啊!”晁田道。
      「なんの用だね」と方弼は根掘り葉掘り聞く。晁田は彼らの旅の目的を方弼に知らせた。
      “你们要去办什么事啊?”方弼刨根寻底问道。晁田将他们此行的目的告知给方弼。


      IP属地:安徽来自Android客户端78楼2020-02-19 22:07
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        「よしタダにしよう」と、気前よく出た。そして、对岸に合図して筏を引き寄せる。武吉と晁田と馬が乗ると、方相が对岸に引っ張った。
        “好!我就让你们免费渡河吧!”方相大方地现身道。然后,他在河对岸发出信号,让方弼把木筏拉到岸边。武吉、晁田还有他俩的马都一并乘上了木筏,随后方相又将木筏拉到了河对岸。
        「おそるべき怪力だね。だが、タダほど高くつくものはないぞ」
        “真是可怕的怪力啊!不过世界上也没有比白嫖更贵的东西了。”
        「うむ、あの兄弟は昔から大力無双で聞こえている。しかし、なんで?」
        “嗯!他们兄弟在很早以前就以大力无双闻名于世了。但是,为什么……?”
        「定風珠とはなにか、と、よけいなことに興味をもっている。目の色が妖しく光っていた」
        “所谓的‘定风珠是什么?’,他们好像对这种多余的事情很感兴趣。而且我发现,他们的眼神里好像闪着一种奇怪的光。”
        「いや心配はいらない。名うての正直者だよ」
        “你不必担忧!他们可是有名的老实人!”
        「正直者ほど追いつめられたら、思いきった悪いことをする」と武吉が言った。
        “如果被逼到绝境的话,越是老实人就越会狠下心来干坏事吧!”武吉道。
        对岸に着くと、晁田がまた方相と挨拶を交わす。武吉はそうそうにそれを打ち切らせて、九鼎鉄叉山に急いだ。そして間もなく八宝雲光洞に到着する。
        到达对岸后,晁田又对方相道谢了一番。不耐烦的武吉直接中断了二人的寒暄,带着晁田急急忙忙地赶往九鼎铁叉山去了。不大一会儿,他们来到了八宝云光洞。
        度厄真人は、霊宝大法師の添書を見て、快く定風珠を貸してくれた。二人は急いで帰路につく。渡し場では方相が愛想よく二人を迎えた。そして一緒に筏に乗り込む。
        度厄真人看到了灵宝大法师的信件,爽快地将定风珠借给二人。二人急忙踏上归途。在渡口,方相客气地迎接二人的到来,然后他们一起乘上了木筏。
        「なんで?」と晁田が訝り聞く。
        “为什么,你也上来了?”晁田惊讶地问道。
        「もう商壳を止めて、朝歌に帰るんだよ」と方相が嬉しそうに言った。この男、やはり正直者である——と武吉は苦笑する。果たして筏が岸を離れると、方相が言った。
        “我们不想继续做生意,准备回朝歌去了。”方相高兴地说道。这家伙果然是个老实人啊——武吉苦笑道。果然,当木筏离开岸边后,方相就开口了。
        「知り合いなのに悪いが、定風珠とやらを、渡し賃の担保にとっておけ、と兄貴に言われたんだ。渡してもらおうか」
        “哥哥这样对我说,你们是我俩认识的人,我俩也不好意思直接下手!定风珠什么的,就拿来作为渡河费的抵押吧!还不快交给我?!”
        「なにを!」と晁田は気色ばむ。
        “你想干什么!”晁田面带怒色道。
        「どうぞ」と武吉が気前よく定風珠を渡した。
        “没问题!”武吉却大方地将定风珠交给了方相。
        筏が岸辺に近づく。
        木筏靠岸了。
        「ちゃんと担保を取ったのか?」と方弼が方相に確認する。
        “你真地拿到了抵押物了吗?”方弼向方相确认道。
        「おお!」と方相が定風珠の入った革袋を手に揭げた。さっと武吉がそれを引ったくって晁田にわたす。
        “嗯!”方相把装有定风珠的革袋拿在手上。突然,武吉出手将革袋抢走并交给晁田。
        そして、いきなり方相を川の中に引きずりこんだ。
        然后,武吉又冷不防将方相拽进了河里。
        「いけない、この兄弟には水練の心得がある」と晁田は叫んだが、間に合わない。水中で武吉は方相に背後から抱きつくと、八本の指をその水落ちに立てた。
        “不好!这两兄弟可是懂得游泳的!”晁田大声提醒武吉,却已经来不及了。在水中,武吉从背后抱住方相。可方相却只靠八根手指在水底一撑,便又重新站了起来。


        IP属地:安徽来自Android客户端79楼2020-02-19 22:08
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          「兄貴、助けてくれ。殺される」と顏だけ水面に出した方相が叫ぶ。方弼がいきなり川に跳びこんだ。筏の上に殘された晁田は蒼ざめる。筏は、ゆっくりとだが、川下に流された。
          “大哥!帮帮我!我快要死了!”方相的脸浮出水面,朝方弼大声喊叫。方弼突然跳进了河里。木筏缓慢地顺流而下,而留在木筏上的晁田,面色苍白,不知道该做什么。
          三人が水の中で、なにをどうしたかは見えない。が間もなく方相が、つづいて方弼が背泳ぎの形で浮き上がった。腹が大きく膨らんでいる。武吉の姿はなかった。
          三人在水中混战,连晁田也看不出战况如何。不久后,方相和方弼接连以仰泳的形式浮出水面。他俩的肚子都鼓得很大,可武吉的身影却没有出现。
          仲よく並んで浮いていた方兄弟が、流される筏を追って近づく。武吉が水面下で誘導しているのは言うまでもない。
          关系很好的方家兄弟并排漂浮着,逐渐接近了被冲走的木筏。不用说,武吉现在正在水面下引导方家兄弟上船呢。
          「手伝ってくれ」と武吉が筏に手をかけて言った。晁田が手を貸して、たらふく水を吞んだ方兄弟を筏に引きあげる。
          “帮我一下!”武吉用手抓着木筏说道。晁田伸出援助之手,将喝了满肚子水的方家兄弟抬到了木筏之上。
          武吉はそのまま川の中から、筏を押して岸につけた。方兄弟は完全に溺れたわけではない。武吉は二人を俯伏せにして水を吐かせた。
          就这样,武吉在河里将木筏推到了岸边。方家兄弟并没有完全溺水昏迷。武吉让二人趴在地上将水全都吐出来。
          「なんでバカな量見を起こしたのじゃ」と武吉がたしなめる。
          “为什么你们会有如此愚蠢的想法呢?”武吉责备道。
          「恐れ入りました。申し訳ありません。宝貝を朝廷に献納すれば、罪を赦されて、再仕官の途も開けようかと思いました。どうか、お赦し下さい」と二人は平伏した。
          “实在不好意思!对不起!抱歉!如果我俩把宝贝献纳给朝廷,我们两兄弟的罪就能被赦免。我想这样的话,我们两兄弟再次仕官的道路也就被打开了。无论如何,还请原谅我们!”二人平伏在武吉和晁田脚下。
          「城に連れて往けば、この兄弟はきっと何かで役に立つ」と晁田が言う。
          “如果我们带他们去西岐城,这对兄弟应该能有点用处吧?”晁田道。
          「ぜひお願いいたします」と方兄弟は声を揃えた。
          “拜托您了!我们愿意去西岐城!”方家兄弟异口同声道。
          「别に異存はない」と武吉は、久し振りに水泳を楽しんだ風情である。しかし吹き抜ける川風は冷たかった。方兄弟は平然としている。武吉はブルッと震えた。
          “我没有异议。”说实话,武吉隔了好久才享受到游泳的乐趣。此时,一阵冰冷的河风吹了过来。尽管方家兄弟能坦然受之,但武吉却被冻得浑身颤抖起来。


          IP属地:安徽来自Android客户端80楼2020-02-19 22:09
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            第五〇回 三仙姑、九曲黄河陣を擺く
            第五十回 三姑计摆黄河阵
            桃枝矢を腦天に打ちこまれた趙公明が、絕命のまぎわに発した呻きは、三仙島にとどいた。やはり!——と雲霄娘々はうなだれて嘆息する。碧霄娘々はこみあげる涙を押さえかねて嗚咽した。瓊霄娘々は声を上げて泣き喚く。
            被桃枝箭钉住脑门的赵公明,在临死之际发出的呻吟,还是传到了三仙岛上!——
            云霄娘娘低头叹息,碧霄娘娘的泪水也抑制不住,不断呜咽着,而琼霄娘娘更是放声大哭。
            「姉上、すぐ下山しましよう。兄上は無残な死をとげたのです。仇を討たねぱなりません」と瓊霄は泣きながら言つた。
            “大姐,马上下山吧!兄长死得很惨,我们不去报仇?”琼霄哭着说。
            「静かにしなさい。兄上は自ら禍を招いたのです。兄上と同樣に、軽はずみに動いてはいけません」と雲霄は目に涙をたたえながらも、冷静にかまえている。
            “安静点!兄长的祸是自找的。我们不能轻举妄动,不然也会像兄长一样。”云霄的眼里含着泪水,冷静地分析道。
            「姉上、それはあまりにも薄情な言いかたです」と瓊霄がなじつた。
            “大姐,你也太无情了!”琼霄闻言怒道。
            「その通りです。いかなるときでも、身内を悪しざまに言うものではありません。姉上は骨肉の情が薄いのです」と碧霄が口を合わせる。
            “没错!无论何时我们都不能辜负兄长。大姐,你的骨肉情怎么如此之淡!”碧霄也飞快地说着。
            「二人とも黙つてなさい。骨肉の情に流されたからこそ、兄上を横死させてしまつたのではありませんか。あのとき、頑として金蛟剪を貸さなければよかつたのです」
            “你们两个都别说了。正因为流于骨肉之情,我们才让兄长死于非命。那时,我们要是不把金蛟剪借给他就好了。”
            「ですが、ともあれ兄上は亡くなりました。兄上の死を、姉上は放つておくつもりですか」
            “但是不管怎么说,兄长已经去世了。对兄长的死,难道大姐打算放手不理吗?”
            「放つとく、とは誰も言つていない」
            “谁都没说‘放手不理’。”
            「では返り討ちにあうのが恐いのですか」
            “你就那么害怕阐教的报复吗?”
            「そうではないが、ムダ死にはしたくない」
            “不是那样,可我不想白死。”
            「兄上の仇を討つのがムダですか」
            “难道为兄长报仇是徒劳无用的吗?”
            「時と場合による」
            “要抓住一个好时机才行。”
            「わかりました。姉上は勝手にして下さい。わたしたち二人で出掛けます」と碧霄と瓊霄は、うなずきあう。
            “我知道了。大姐你请随意,我们俩去为兄长报仇。”碧霄和琼霄相互点了点头。
            長くて、眠れない一夜がすぎた。夜が明けると、碧霄娘々はさつそく宝物庫を開けて、「混元金斗」を持ち出す。瓊霄娘々は二羽の霊鳥を呼ぴ寄せた。
            漫长而失眠的一夜过去了。天刚亮,碧霄娘娘就立马打开宝物库,拿出“混元金斗”。琼霄娘娘则召唤了两只灵鸟。
            碧霄が花翎鳥に、瓊霄は鴻鵠に乗り、そらつて西岐城下へと飛び立つ。が、やはり気になつて洞門をふり返つた。
            碧霄坐在花翎鸟上,琼霄乘着鸿鹄,准备一起飞向西岐城下。但她俩还是在意云霄,中途又飞回到了洞门口。
            「二人とも待ちなさい」と雲霄が手をあげて声をかける。飛び立つたばかりの二人は、うなずいて洞府に戻つた。
            “你们两个等等我。”云霄举手向她俩大声招呼。刚刚起程的碧霄和琼霄,点了点头,又回到了洞府。
            「二人だけで出掛けたら、どうせロクなことはない。いずれ、混元金斗をふりまわして、あらぬ面倒を引き起こすに決まつている。心配だから、姉さんも一緒に行く」と雲霄娘々も青鸞に乗つに。三羽の霊鳥が同時に翼をひろげて、飛ぴ立とうとしたところへ、例の菡芝仙と、さらに彩雲仙子が現われる。事情を聞いて二人は同行を申し出た。そして、雲に乗り三姉妹の後にしたがう。
            “你们两个单独出门,肯定碰不上什么好事。反正你们也肯定会用混元金斗,要是出个意外,引起大麻烦怎么办?姐姐担心你们,也和你们一起去好了。”云霄娘娘也乘上青鸾。当三只灵鸟同时展开翅膀,正要飞起来的时候,菡芝仙和彩云仙子先后出现。她们听到赵公明的事情后,也提出同行,然后便腾云跟随在云霄三姐妹的后面。


            IP属地:安徽来自Android客户端81楼2020-02-19 22:12
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              一行五人は、まもなく西岐城下の野営上空に到着した。中空から五人の仙女が轅門に舞い降りたのを見て、門官は寝ぼけ眼をこする。夢を見ているのではないと自ら確認して、本陣に注進した。聞太師が急いで迎えに出る。そして丁重に本陣へ案内した。
              一行五人马上到达了西岐城下军营的上空。门官擦着惺忪的睡眼,看到五个仙女从空中飞下来。他确认自己没有在做梦,赶紧报入中军。闻太师急忙去迎接,并将她们小心翼翼地请到了大本营帐内。
              聞仲は、挨拶もそこそこに、趙公明の遺言を三姉妹に伝える。さらに趙公明の外衣で包んだ金蛟剪を、長姉の雲霄に渡した。
              闻仲慌忙地向三姐妹传达了赵公明的遗言,又将袍服所包的金蛟剪递给了大姐云霄。
              「兄の遺体は?」と瓊霄が聞く。
              “兄长的遗体呢?”琼霄问道。
              「後営に安置している。ご案内いたす」と聞仲が先にたつた。
              “安置在后营,我来带路吧。”说罢闻仲起身先走了。
              「いや、ちよつとお待ちを」と雲霄が、待つたをかける。
              “不,请稍等。”云霄叫闻仲先等一下。
              「なぜですか」と瓊霄が姉につっかかった。
              “为什么?”琼霄的手腕被姐姐抓住了。
              「すでに亡くなったのを見ても詮ないこと。いまさら涙を誘ってなんとする」
              “吾兄既死,何必又看?免得你们又掉眼泪了。”
              「いや、わたしたちは見て来ます」と瓊霄は碧霄に目配せして、聞仲に案内を頼む。どうせなら、と雲霄も背後にしたがった。
              “不,既然我们来了,那就看看。”琼霄和碧霄的目光注视着闻仲,并请他带路。反正云霄也会跟在她俩后面一起去的。
              「ああ、むごい!」と瓊霄は兄の遺体を見て顏をそむける。そしてワッと泣き出した。桃枝矢で射られた箇所に黑い血糊がついている。わけても両眼け正視にたえなかった。眼珠が半ばとび出して眼窩に血がこびりついている。
              “啊!兄长,你死得太惨了!”琼霄一见到兄长的遗体,就转过脸去。桃枝箭射中赵公明的地方粘着黑糊糊的血。他的双眼睁得大大的,直视着上空,让人不忍卒睹。两只眼珠差点要掉出来了,而眼窝里也沾满了血。
              「なぜ、かように残酷な殺し方をせねばならなかったのか!」と碧霄も両手で顏を被って泣く。
              “为什么陆压非要用这种残酷的杀人方法来害我兄长?”碧霄双手捂住了脸,大声哭了起来。
              「陸圧め、赦せない!」と雲霄が感きわまってつぶやいた。姉のつぶやきを聞いて碧霄と瓊霄が、雲霄にすがりつく。
              “陆压,不可饶恕!”云霄感慨万分,自言自语道。碧霄和琼霄听到姐姐的自言自语,一同抱住了云霄。
              「姉上、さっそく兄上の無念を晴らしましよう」と口をそろえた。
              “大姐,我们赶快为兄长报仇吧!”琼霄和碧霄异口同声道。
              「よし、陸圧を捕えて、同じ目にあわせてくれる」と雲霄がうなずく。三姉妹は早々に支度を整えて轅門を出た。菡芝仙と彩雲仙子が後にしたがう。
              “好,我们拿住陆压,也射他七箭,报此仇恨!”云霄点头道。次日,三姐妹做好准备,走出了辕门,菡芝仙和彩云仙子也跟随在后面。
              「陸圧に話がある。すぐ出て来るように伝えよ」と雲霄が蘆蓬の前で呼ばわった。楊戩がそれを取り次ぐ。
              “传与陆压,早来会我!”云霄在芦蓬前大呼。杨戬忙报上蓬来。
              「やっぱり来たか」と陸圧は重い腰を上げる。
              “她们果然来了啊。”陆压起身道。
              「これはこれはお揃いで。ごきげんよう」と陸圧が進み出て挨拶した。
              “哎呀,你们都是为了我而来的吧?诸位请了。”陆压走出了大营,向她们打了个稽首。
              「陸圧じやな」
              “你就是陆压?”
              「その通り」
              “正是。”
              「なぜ兄の趙公明を射殺した」と瓊霄が眦を決して問い詰める。
              “你为何射杀我的兄长赵公明?”琼霄定睛问道。
              「言い分を聞く気があるなら話す。聞く耳を持たんとならば随意に金斗を投げるがよい」と陸圧が言った。
              “如果你们想听的话,我就说。如果你们有耳朵却不想听,那就随便扔金斗吧。”陆压道。
              「よし、言うてみよ」と雲霄がうながす。
              “好,那你就说说看。”云霄忍着眼泪道。
              「知っての通り、いま下界は商、周の易姓革命の前夜で、摇れ動いている。そして、ここ西岐の城下は戦場だ。つまり殺し合いの場である。それゆえ、ここヘ足を踏み入れた者は、殺すか殺されるかしかない。趙公明は”商” に加担し、オレは”周” に味方した。当然に、助っ人同士が相争うことになる。そして彼は敗れて命を落とした。それだけのことである。なぜ、とは愚問であろう」
              “众所周知,现在下界在商周易姓革命的前夜,动荡不安。而且西岐城下早就成了战场,也就是修道之人互相残杀的地方。因此,踏入此地的人,必定会遭遇杀厄。赵公明支持‘商’,而我支持‘周’。商周的支持者,相互之间自然会发生争斗。然后,赵公明失败了,死在我的手里,仅此而已。我现在想说的是,你们为什么会问如此愚蠢的问题呢?”
              「なにを、愚問だと!」
              “什么!愚蠢的问题!”


              IP属地:安徽来自Android客户端82楼2020-02-19 22:13
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                「そうだ。しかも愚問を発しながら愚行を冒している。いずれ仇討ちに来たのであろう。しかし繰りかえすが、ここは戦場だ。オレにその気はないが、ここで争いを起こせば、いずれ戦いに捲きこまれることは避けられない。悪いことは言わないから、さっさとこの戦場から立ち去るのだ。どうしても仇を討ちたいとあらば、時と場所を換えるがよかろう」と陸圧は言った。雲霄娘々は、うむ、と心にうなずく。しかし瓊霄は宝剣を振りあげた。
                “没错。而且你们一边问着愚蠢的问题,一边做出愚蠢的行为。我知道你们早晚会来找我报仇的。可我还是要反复提醒你们,这里是战场。我并没有逃避你们的意思,不过如果你们在战场上与我争斗,那你们会很难避免卷入这场商周战争。别骂我,你们还是赶快离开这个战场吧。如果无论如何,你们都要找我报仇,那还是换个时间和地点比较好。”陆压道。云霄娘娘沉吟不语,心里暗自赞同陆压的建议,然而琼霄却突然挥起了宝剑。
                「お説教を聞きに来たのではない」と、いきなり斬りかかる。陸圧はかわさずに、拍手するような形で、パッと振り下ろされた宝剣を拝み取った。
                “我们不是来听你说教的!”宝剑向陆压斩了过去。陆压丝毫不惧,双掌一拍,夹住了突然被抛下的宝剑,并朝它鞠了一躬。
                「やっぱり!」と雲霄は思わず唸る。碧霄がおどろいて、疾!と混元金斗を投げた。中空で金斗が、くるっと廻る。
                “果然是(此术害了我兄长)!”云霄不由自主道。碧霄也震惊了,立马念一声:疾!将混元金斗投出。金斗在空中不停地转动。
                陸圧が宝剣を挟みつけた両手を放した。逃げようとした瞬间、さっと金斗に吸いこまれる。陸圧を吸いこんだ金斗は、猛烈な勢いで回転をはじめた。
                陆压放下了夹着宝剑的双掌。他在想逃跑的瞬间,被金斗吸了进去。吸入了陆压的金斗,以猛烈的气势开始旋转。
                同時に、碧霄娘々が花翎鳥を飛ばして轅門に急ぐ。回転していた金斗の中から、不意に陸圧が振り出された。回転の勢いで一直線に轅門ヘとばされる。先廻りして、待っていた碧霄娘々の目の前落下した。碧霄が自分の手で、陸圧に繩をかける。すかさず泥宫に符印を貼りつけた。瞼を閉じていた陸圧が、軽く首を振って目を開ける。
                与此同时,碧霄娘娘乘着花翎鸟,赶紧飞往辕门。此时那旋转中的金斗,突然把陆压震了出来。陆压不停地旋转,被混元金斗直直地抛向辕门。先回到辕门,已经在等着的碧霄娘娘看着陆压在眼前落下。她亲自动手将陆压双手縛住,并立刻用符印镇住陆压的泥丸宫。此时已被混元金斗晃晕了的陆压轻轻摇头,又重新睁开了双眼。
                そこヘ雲霄、瓊霄、菡芝、彩雲の四仙姑が引き揚げてきた。瓊霄が、さっそく碧霄に手を貸して、繩をかけた陸圧を、さらに轅門の旗竿に縛りつける。
                此时云霄、琼霄、菡芝、彩云这四仙姑也都飞了过来。琼霄马上对碧霄伸出援手。二人急忙将陆压用绳子拴住,縛在了辕门旗竿上。
                「ザマ見やがれ!」と瓊霄がののしった。陸圧は苦笑している。
                “你这家伙,给我睁大眼睛看好了!”琼霄大骂陆压。陆压也只能发出苦笑。
                まもなく選り抜かれた七名の弓手が、弓矢を手に轅門に現われた。苦笑していた陸圧が、再び目を閉じて、かすかに唇を動かし始める。横一列に並んだ弓手が一斉に矢を放った。あっと見る間に、七本の矢が陸圧の全身に突き刺さる。陸圧は相変わらず唇を動かしていた。
                不久后,被选拔出来的七名弓手,手持弓箭出现在了辕门上。陆压苦笑着,再次闭上眼睛,嘴唇开始微微地动了起来。排成横一列的弓手们一起放出了箭。转眼七支箭就刺中了陆压全身。陆压的嘴唇仍在不停动着。
                「どうだ陸圧。兄の苦しみを思い知ったか?」と瓊霄が聞く。
                “怎么样?陆压,你现在体会到兄长所受的痛苦了吗?”琼霄问道。
                「いいや、ちっとも」と陸圧は答えた。
                “不,一点也没有。”陆压答道。


                IP属地:安徽来自Android客户端83楼2020-02-19 22:14
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                  「よく眼を開けて見るがよい」と陸圧は身体をブルッと振るわせる。突き刺さっていた七本の矢がいっペんに、パラパラッと地に落ちた。
                  “你们好好睁大眼睛看着吧!”陆压的身体颤动着,刺中陆压的七支箭一齐落到了地上。
                  火に烧かれて育った陸圧の身体は、口訣(呪文)を唱えれば、たちまちにして熔鉱炉のように熱くなる。それで身体に刺さった矢が熔けてしまったのだ。彼が唇を動かしていたのは、口訣を唱えていたのである。
                  陆压的肉体是在不断燃烧的火焰中形成的。他只要念出咒语,身体马上就会变得像熔炉一般火热。陆压动了动嘴唇,唱出了一段口诀,刺入他体内的箭头很快就被熔化了。
                  五人の仙姑と聞仲に張天君は、呆っ気にとられて顏を見合わせた。見物していた諸将たちは呆然として、開いた口がふさがらない。
                  五仙姑、闻仲还有张天君,目瞪口呆地望着陆压。看热闹的诸将的也纷纷大吃一惊,无不骇异。
                  「さあ、これで仇を討たれてやった。もう勘弁してもらうことにして、オレはおいとまする。そして早々に、この戦場から立ち去るつもりだ。キミたちも、さっさと三仙島に戻るがよい」と陸圧は屈託もなげに言う。
                  “那么,我就当你们已经报过仇了。希望你们可以就此放过我,我告辞了。很快我就会从这个战场离开。你们也赶快回到三仙岛吧。”陆压丝毫没考虑到三仙岛的脸面,笑道。
                  「そうは問屋がおろさないぞ!」と碧霄娘々が言った。いつ持ち出したか、金蛟剪を手にしている。投げようと構えた。
                  “没那么便宜!”碧霄娘娘道。不知道什么时候,她已经把金蛟剪握在手里了。
                  「それを投げてもムダだよ。おやめなさい。キミがせっかく腦天に貼りつけた符印はすでに焼けてしまった。だから、いつでも自由に逃げられる。逃げれば、どうせ金蛟剪はオレには追いつけない」と陸圧は平然としている。
                  “哈,碧霄道友,你对我扔那把剪刀也是没用的。别白费力气了。你好不容易贴在我脑门上的符印已经被我烧掉了。因此我现在随时随地都能自由地离开。论速度的话,反正金蛟剪是追不上我的。”陆压平静道。
                  「逃げられるものなら、逃げてみよ」と碧霄娘々は本気にせず、疾!と金蛟剪を投げた。
                  “你如果能逃走的话,就给我逃啊!”碧霄娘娘丝毫没当真。疾!金蛟剪被扔了出去。
                  「再見!」と陸圧は長虹と化して逃げ去る。虹を見て金蛟剪は、やはり、追わなかった。空しく碧霄娘々の手許に戻る。
                  “再见!”陆压化作长虹逃走了。比起长虹,金蛟剪果然追不上,还是回到了碧霄娘娘的手中。
                  蘆蓬に帰ってきた陸圧を、十二大仙は総出で迎えた。そして驚異の眼を開いて、その道術の根底の深さに感嘆する。
                  陆压回到芦蓬后,十二大仙全体出动迎接他。他们的眼神中充满了惊异之色,并感叹陆压竟然有如此深厚根底的道术。
                  「お見事な技倆じや。そのようなマネは、とてもわれらには出来まい」と燃燈道人が賞讚した。
                  “你的本事真是高明。那样的道术,我们怎样都做不到。”燃灯道人赞道。
                  「いや、どうということもないのだが、正直な話、あの金斗の回転速度には度肝を抜かれたよ。吸いこまれたときに、さっと目を閉じなければ、間違いなく”元神” を振り出される。それさえ気をつければ、崑崙の十二大仙と言われる道兄たちのことだ。あえて恐れることはあるまい。ただし、子牙だけは敬遠したがよかろう。それでも絡まれたら、奥の手を出すがよい」
                  “不,没什么大不了的。老实说,那金斗的旋转速度让我吓破了胆。当初被吸进金斗的时候,如果我不马上闭上眼睛,怕是元神都要被震出来了。只要注意这一点,对昆仑十二位道友而言,就无需害怕。但子牙嘛,你还是对金斗敬而远之比较好。尽管如此,万一子牙你被金斗缠上,还是使出绝招吧。”


                  IP属地:安徽来自Android客户端84楼2020-02-19 22:14
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                    「奥の手とは?」と姜子牙が聞く。
                    “什么绝招?”姜子牙问道。
                    「元始天尊に授かった杏黄旗を活用するのさ」
                    “你要灵活运用元始天尊赐给你的杏黄旗。”
                    「と言いますと」
                    “这么说来……”
                    「あの混元金斗には、なにかしら妙な邪気が秘められている、と見た。その正体不明な邪気が、一般の宝貝とは違う混元金斗の恐るベき効能の源であるに相違ない。ならば、邪気を鎮圧する杏黄旗で、制圧できるはずだ。つまり、杏黄旗を背中にさしておけば、吸いこまれることはあるまい」と陸圧は教えた。そして、なにげなく自分の花籠を手にする。
                    “在那混元金斗上,似乎隐藏着某种奇妙的邪气。那个原形不明的邪气,一定就是与普通宝贝不同的混元金斗的可怕效果的源泉。那么,你应该可以用能镇压邪气的杏黄旗来压制混元金斗吧?也就是说,你如果将杏黄旗插在背上,就不会被混元金斗吸进去了吧?”陆压说完后,拿起了自己的花篮。
                    「いつか、また会おう」と蘆蓬から立ち去った。
                    “诸位道友,后会有期。”陆压从芦蓬离去了。
                    翌朝、陸圧が予告どおりに立ち去ったと知って、雲霄娘々は思わず胸をなで下ろす。しかし、聞太师は、鉾先を換えよ、と三仙姑をそそのかした。そうでなくとも、碧霄娘々と瓊霄娘々は姜子牙を憎んでいる。
                    次日清晨,云霄娘娘得知陆压已如昨晚预告般离去,情不自禁地放下心来。可闻太师却指责三仙姑,说她们掉转了矛头,没有去对付姜子牙。而且即便没有闻仲的指责,碧霄娘娘和琼霄娘娘也很憎恨姜子牙。
                    「姉上、姜子牙は陸圧の単なる手先であるにしても、直接の下手人です。赦すわけにはいきません。さっそく成敗しましょう」と雲霄娘々に迫る。しかし彼女は逡巡した。
                    “大姐,姜子牙即使是陆压的走狗,也是直接下手杀害兄长的人。绝对不能饶恕他!否则我们就功亏一篑了!” 云霄娘娘尽管被不断被他们逼迫,但心里还是犹豫不决。
                    「ならば、わたしたち二人でやります」と碧霄と瓊霄は用意を始める。
                    “那就由我们两个人去找姜子牙好了。” 碧霄和琼霄开始准备下一轮的计划。
                    「二人ともよく聞きなさい。姜子牙は道者としては未熟です。本気で彼を相手にしてはいけません。それこそ三仙島の沽券にかかわります。その罪を問い、謝罪をさせるだけにとどめなさい。宝貝を持ち出してはいけません」と雲霄が注意した。
                    “你们俩给我好好听着。姜子牙只是一个不合格的道士,别真的把他当作我们的对手,以免有辱我们三仙岛的尊严。你们去的时候,要让他承认自己的罪责,道个歉就差不多了。另外,千万不要动用我们的法宝。”云霄把想到的注意事项一一告诉给她的两个妹妹。
                    「でも、相手が逆に攻擊をかけてきたら、どうしますか」
                    “但如果对方反过来攻击我们,怎么办?”
                    「それは状况次第だが、よろしい。わたしもいきます」と雲霄も一緒に轅門を出た。やはり、菡芝仙と彩雲仙子が後にしたがう。
                    “那要看情况而定,是否可以还手。算了,我也和你们一起去吧。”云霄也一起出了辕门,毕竟菡芝仙和彩云仙子后来也跟着一起去了。
                    姜子牙は四不象に乗り、楊戩、黄天化、金吒、木吒を引き連れて現われた。
                    姜子牙乘着四不象,杨戬、黄天化、金吒、木吒等人也分左右相继出现。
                    「五位の首友、ごきげんよう」と姜子牙が挨拶する。
                    “五位道友请了。”姜子牙打了个稽首。
                    「三仙島にいるわれらは清閑の身で、下界の争いごとに興味はない。しかし兄の趙公明が無残に殺されたことで、やむなくやってきた。兄殺しを使嗾したのが陸圧だとは承知している。だが直接に手を下した者にも、その責任を取って貰わねばならない。仇討ちだ、と呼ばわって、いきなり討ち果たすことは容易なことだ。しかし、燃燈道人とは旧知でもあり、一応はその顏を立てる。あとはそなたの出方次第だ」と雲霄娘々が言う。
                    “姜子牙,我们住在三仙岛,是清闲之士,不管人间是非。但你将我兄长赵公明残酷杀害,令我们不得不来。我知道杀兄长的教唆犯是陆压。但你是直接下杀手的人,必须承担点责任。要想报仇的话,直接灭了你是很容易的事。可我们与燃灯道人既然是老朋友,姑且就给他一个面子。接下来就看你的态度了。”云霄娘娘道。
                    「いや、その言い分はおかど違いであろう。令兄は自ら死地に足を踏み入れた。いわば自葉自得である。いや、天数と言うベきか」と姜子牙は答えた。
                    “道友此言差矣。令兄既逢绝地,怎免灾殃?是自取死。此是天数如此,终不可逃也。”姜子牙答道。


                    IP属地:安徽来自Android客户端85楼2020-02-19 22:15
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                      「なにをぬかすか!」と瓊霄が、いきなり宝剣を抜く。鴻鵠を操って姜子牙に突進する。その前に黄天化が玉麒麟で、立ちはだかった。宝剣と銀鎚が火花を散らす。金吒と木吒が黄天化に加勢して瓊霄を取り捲く。碧霄が、瓊霄に助勢しようと花翎鳥を飛び立たせた。それを見て楊戩が、そっと哮天犬を放す。何くわぬ顏で、瓊霄を包囲した仲間の輪に入った。
                      “你胡说八道什么!”琼霄突然拔出宝剑,操纵鸿鹄鸟向姜子牙突袭。在她碰到姜子牙之前,黄天化纵玉麒麟,挡住了去路。宝剑和银鎚的撞击迸发出火花。金吒和木吒也卷起袖子来协助黄天化大干一场。碧霄把花翎鸟二翅飞腾,试图对琼霄施以援手。杨戬目睹这场战斗,也悄悄放出了哮天犬。
                      包囲された瓊霄が苦戦する。観戦していた彩雲仙子が、瓊霄を助けようと、黄天化の顏めがけて「戮目珠」を投げた。一種の目潰しである。目潰しをくらって、黄天化が遁走した。
                      琼霄被众人包围陷入了苦战。观战的彩云仙子向黄天化投出了戮目珠,以此来为琼霄解围。戮目珠是一种专伤人目的宝贝。黄天化双眼不能视物,急忙借遁术逃走。
                      逃げる黄天化を、中空から碧霄が追う。黄天化を追う碧霄に、上空で狙いを定めていた哮天犬が襲いかかって、その右肩を咬みちぎった。
                      碧霄在空中追赶着逃跑中的黄天化。半路上,哮天犬在上空看准了碧霄身形,猛地向她袭来,咬住了碧霄的右肩。
                      雲霄娘々は戸惑いながら成り行きを眺めている。そこヘ不意に、姜子牙の投げた打神鞭が襲いかかった。
                      云霄娘娘对目前的战况非常困惑。此时,姜子牙突然扔出打神鞭袭向云霄。
                      いけない!と菡芝仙が背中の風袋の口を姜子牙に向ける。黑風が姜子牙に殺到すると同時に、彩雲仙子が再び戮目珠を投げた。
                      不好!菡芝仙解下了背上的风袋,将袋口朝向姜子牙。黑风向姜子牙杀到的同时,彩云仙子再次投出了戮目珠。
                      黑風で息が苦しくなり、しかも目潰しを受けた姜子牙は、四不象を駆って蘆蓬に逃げこむ。それを見た楊戩、金吒、木吒も、瓊霄の包囲を解いて逃げ去った。
                      姜子牙眼花缭乱,被黑风吹得喘不过气来,急忙赶着四不象逃进了芦蓬。目睹子牙惨状的杨戬、金吒、木吒也解开了琼霄的包围圈,让她逃走了。
                      轅門に引き揚げた五仙姑は、事態の意外な展開に、ただ顏を見合わせる。黙ったまま本陣に入った。
                      回到辕门的五仙姑,对事态的意外展开面面相觑,沉默着回到了大本营。
                      打神鞭で打たれた雲霄の傷と、哮天犬に右肩の肉を咬みちぎられた碧霄の傷は、もとよくくり問题ではない。しかし自重を重ねてきた雲霄娘々は、ついに怒り出した。
                      尽管云霄被打神鞭打伤了,碧霄也被哮天犬在右肩上咬下一块肉,但这本来就不算什么大问题。然而,玉虚宫门人接连的挑衅终于让不断克制自己的云霄生气了。
                      「賊が猛々しいにも程がある。それより、姜子牙とガキたちの無頼な跳梁を、玉虚宫の連中は目の当りに見ていたはずだ。それを、知らぬ顏をきめこんだとは赦せない。目に物見せてくれる!」
                      “即使盗贼们再凶恶,也总会有个限度。但比起这个,玉虚宫的那些人应该更清楚地看到姜子牙和那帮无赖小鬼们的兴风作浪。十二大仙,你们假装看不到,我可饶不了你们!就让我见识见识,你们到底有多大本事?”
                      「ならば姉上、さっそく混元金斗で連中を一網打尽に捕えるか、それとも金蛟剪で皆殺しにしましょう」と碧霄娘々が急き立てた。
                      “那么大姐,我们赶紧用混元金斗将他们一网打尽,又或者用金蛟剪把他们全都杀光?”碧霄娘娘急忙道。
                      「いや、急いては仕損ずる。あの連中は、それでも崑崙十二大仙と称されてきた。せっかく混元金斗で捕えても、術を弄して逃げ出すかも知れない。それにあの姜子牙は用兵の妙を心得た智将だ。城を開けて西岐の軍勢を、蝗の群のように襲来させるかも知れない。それを封ずるには、符陣と戦陣を組み合わせた”九曲黄河陣” を布く必要がある。勝負はその不敗の陣を築き上げてからのことだ。慌てることはない」と雲霄娘々は言った。
                      “不,着急的话我们会吃亏的。那班家伙再怎么样也是昆仑山的十二大仙。即使我们好不容易用混元金斗抓住他们,他们也可能念个咒就逃走了。而且那个姜子牙是懂得用兵之妙的智将。也许西岐城门一开,他们的军队就会像蝗虫群一样袭来。为了不让那些西岐兵出城,我们需要布下结合了符阵与战阵之妙的‘九曲黄河阵’。胜负将会在那个无敌的阵法构筑起来后才决定,我们不必着急。”云霄娘娘道。
                      「その九曲黄河陣とは?」と聞仲が聞く。
                      “那九曲黄河阵是?”闻仲听到了三姐妹的对话,问道。
                      「それは符法にいう九曲陣と、兵法にいう黄河陣を一体にした陣である」
                      “那是符法所说的九曲阵和兵法所说的黄河阵合为一体的阵势。”


                      IP属地:安徽来自Android客户端86楼2020-02-19 22:15
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                        ——九曲は曲中に直なく、曲は造化の奇を尽くして仙術を抉り出す。黄河は天地の妙を地形に蔵して生死の機関を秘める。出入りに門户あれど進退連環して、果てるところなく、井々として条を有するも限りなし。九曲の中で仙丹は惑うて効かず、仙訣は閉ざされて効を失なう。ゆえに仙人の神(働き)を削ぎ、仙人の魄を消して、その形を陷し、その気を損ねて、その原本を喪わせる。すなわち仙人も陣に入らば凡人と化し、凡人入りなば絕命す。黄河は群小(兵士)を吞み、海に流して跡を残さず。人海(戦術)にあえども憂いなし——
                        ——九曲阵曲中无直,曲尽造化之奇,抉尽仙术之秘。黄河阵的地形内藏天地之妙,生死机关;外按九宫八卦,出入门户,连环进退,无穷无尽,井井有条。九曲阵中有惑仙丹、闭仙诀,能失仙之神、消仙之魄、陷仙之形、损仙之气、丧神仙之原本。也就是说,神仙入此而成凡,凡人入此而即绝。而进入黄河阵里的西岐士兵们,就会如同流入了大海一般消失得一干二净。此阵若成,我们丝毫不用担心西岐的人海战术。——
                        「つまり九曲黄河陣は、いかに道行の深い上仙でも破れず、西岐の総勢が一度に押し寄せても、踏み潰すことは出来ない」と雲霄娘々は説明した。そして、さっそく布設に取りかかる。九曲の符陣は雲霄が自ら布き、黄河の戦陣は碧霄と瓊霄に任せた。戦陣には六百の屈强な軍士が選りすぐられて、さっそく陣内での演習が始まる。六百の軍士は半月の演習を経て、陣内での行動に習熟した。つまり、九曲黄河陣は完成したのである。
                        “反正九曲黄河阵,无论道行如何高深的上仙也无法破解,西岐的军队一下子蜂拥而至,也无法将其践踏。”云霄娘娘既然已经解释了,商军就马上着手布置。符阵九曲阵由云霄亲自布设,而战阵黄河阵就交给碧霄和琼霄了。六百名强壮的军士被选入战阵当中,并且马上在阵内开始演习。经过半个月的演习,六百名军士熟悉了阵内的行动。总之,九曲黄河阵完成了。
                        九曲黄河陣の布設が始まると、さっそく燃燈道人は楊戩を偵察に出した。楊戩は連日あるいは蝶と化し、あるいは虫に姿を変えて、くまなく観察し、陣内での会話を盗み聞く。しかしそれが”九曲黄河陣” と称する陣だということだけはわかったが、それが何であり、何が意図されているかは、見当すらつかなかった。見た限り聞いた限りのことを燃燈道人に報告したのだが、燃燈道人にもまるで判断がつかない。それでも楊戩はあきずに、九曲黄河陣が完成した日も、蝶と化して観察に余念がなかった。
                        九曲黄河阵一开始布设之时,燃灯道人就马上派出杨戬前去侦察。杨戬连日来或是化为蝴蝶,亦或是化为虫子,在商营里四处观察,偷听阵内的对话。但可惜的是,杨戬也只知道那个阵法名为“九曲黄河阵”,阵法是如何构筑的,具体用来做什么,却是完全猜不到。杨戬把在商营里听到的一切都报告给了燃灯道人,可燃灯道人也完全无法做出判断。尽管如此,杨戬也并未死心。在九曲黄河阵完成之后,他还是化作了蝴蝶,用心去观察阵法的运行。
                        「疾!楊戩、おりてこい!」と雲霄娘々がいきなり陣内を舞っていた蝶を指差す。同時に、ストンと、蝶ではなく楊戩が陣内の地面に落ちた。雲霄は初めから、楊戩が偵察に来ているのを知っていたのでめる。陣内に落ちた楊戩は、とたんに「頂上の三花(道法の根蒂)」を削られ、「胸中の五気(道術の源泉)」を殺がれた。つまり天門を閉ざされ道果を失なって、凡人に戻ったのである。ただの人間に戻った楊戩は、なんとかして外に出ようと、ただやたらに、空しく走り廻りつづけた。しかし、出口が見つかる筈はない。
                        “疾!杨戬,给我下来!”云霄娘娘突然指向在阵内飞舞的蝴蝶。同时,伴随着一阵刺痛,蝴蝶变回了杨戬,落在了阵内的地面上。云霄从一开始就知道杨戬是来侦察的。落入阵内的杨戬,突然“顶上三花(道法的根蒂)”被削去,“胸中五气(道术的源泉)”也被消除。也就是说,杨戬的天门被封闭,失去了道果,变回了一个凡人。变成一个普通人的杨戬,想方设法地出阵,但他也只能白白地在阵里到处乱跑,永远也找不到出口。
                        翌朝、五仙姑は揃って蘆蓬の前に姿を現わす。燃燈道人が十二大仙と姜子牙をしたがえて出てきた。雲霄娘々が燃燈道人を、呼び捨てにして言う。
                        第二天早上,五仙姑齐声出现在芦蓬前。燃灯道人领着十二大仙和姜子牙走了出来。云霄娘娘对燃灯道人直呼其名。


                        IP属地:安徽来自Android客户端87楼2020-02-19 22:16
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                          「おい燃燈、もっと物事がわかると思っていたが、見損なった。玉虚宫の道術を鼻にかけたのであろうが、まずはその鼻を折ってやろう。轅門の前に陣を布いた。破ってみよ」と挑戦する。燃燈道人は黙ってうなずき、九曲黄河陣の前に進んだ。しばらく、じっと樣子を見ている。
                          “喂!燃灯!我本来以为你比我懂得更多,结果我看错你了。想必你对玉虚宫的道术很自豪吧?那我就先打破你的美梦好了。我们三姐妹在辕门前布了一个阵,你试试去破一下吧。”面对着三姐妹的挑衅,燃灯道人默默地点头,向着九曲黄河阵前进,同时目不转睛地观察阵法的运行。
                          「さあ、楊戩が陣内で待っているぞ。その師父の玉鼎から、先に往け!」と碧霄娘々が混元金斗を投げた。あっと見る間に玉鼎真人が吸いこまれて、陣内に抛りこまれる。それを見て、残る十一大仙が五仙姑を取り囲んだ。乱闘が始まる。しかしまず広成子が、つづいて赤精子、広法天尊、普賢真人、道德真君、慈航道人、道行天尊、黄竜真人、懼留孫、太乙真人、霊宝大法師が、つぎつぎと混元金斗に捕われて、九曲黄河陣に投げこまれた。ついに、燃燈道人と姜子牙だけが残る。
                          “杨戬可是在阵里等着你们哟!要不就从他的师父玉鼎先开始吧!”碧霄娘娘将混元金斗投上了半空。转眼间玉鼎真人就被吸入,摔在了阵内。目睹此景,剩下的十一大仙包围了五仙姑。混战开始了,可先是广成子、接着赤精子、广法天尊、普贤真人、道德真君、慈航道人、道行天尊、黄龙真人、惧留孙、太乙真人、灵宝大法师也都一个接一个地被混元金斗捉住,扔进了九曲黄河阵里。最终只剩下燃灯道人和姜子牙。
                          「おい姜子牙、ちと気の毒だがお前だけは、金斗から抛り出されたときには死体になっているはずだ。さあ、死ね!」と碧霄が混元金斗を投げた。しかし陸圧の言葉を信じていた姜子牙は平然として、杏黄旗をさしていた背中を、さっと摇する。と、空中で金斗が不意に動きを止めた。
                          “喂,姜子牙!虽然我有点可怜你,但是只有你被金斗摔进阵里的时候,会变成一具尸体哦!来!你给我去死吧!”碧霄再次将混元金斗投上了半空,但姜子牙相信陆压的话。他背上插着杏黄旗,毫不在乎金斗的威胁,轻轻摇动着身体。突然,空中的金斗停了下来。
                          「子牙、逃げよ!」と燃燈道人が声をかける。瓊霄娘々がハツとして金蛟剪を出したときには、姜子牙と燃燈道人はすでに逃げ去っていた。
                          “子牙,快逃吧!”燃灯道人道。琼霄娘娘使出了金蛟剪,而此时姜子牙和燃灯道人已经先一步逃走了。
                          蘆蓬の下で、隐れて観戦していた金吒、木吒、黄天化は顏面蒼白である。金吒は、師父の広法天尊が危いと見て、こっそりと「遁竜樁」を投げた。同樣に、木吒は普賢真人の危機に「吳鉤剣」を、黄天化は道德真君に助太刀しようと「火竜鏢」を投げている。が、それらの宝貝は、いずれも空しく混元金斗に吸いこまれた。しかも目の前で、誰にもひけを取らない筈の師父が、あえなく敗れ去っている。それで三人は色を失なったのた。
                          在芦蓬下,隐身观战的金吒、木吒和黄天化面色苍白。当广法天尊遇到危险的时候,金吒悄悄投出了“遁龙桩”。同样木吒也在普贤真人遇到危险时发动了“吴钩剑”,黄天化也掷出“火龙镖”来帮助道德真君御敌。但那些宝贝全都被混元金斗吸进去了,而且他们亲眼见到,本来应该不亚于任何人的师父们很快就败北了。这使三人的心情大为沮丧。
                          そこヘ燃燈道人と姜子牙が戻ってくる。
                          此时,燃灯道人和姜子牙回来了。
                          「留守を頼む。挑発されても決して出るな」と燃燈道人は言い残すと、その足で崑崙山に急だ。もとより玉虚宫にかけこむためである。
                          “子牙,你留守在这里,即使被商军挑衅也绝不能出来。”燃灯道人留下这么一句话,就此匆匆前往昆仑山,而本来他也要去玉虚宫拜访的。


                          IP属地:安徽来自Android客户端88楼2020-02-19 22:17
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                            見ると、その石碣に、広成子が腰を下ろしていた。聞仲は一瞬、蒼くなる。
                            闻仲定睛一看,发现广成子坐在石碑之上,脸色一瞬间变得惨白。
                            「そこでなにをしているのじゃ、広成子」と、さりげなく聞く。
                            “广成子,你在那里做什么?”闻仲若无其事地问道。
                            「お前さんを待っていたのじゃ」
                            “我一直在等你。”
                            「なんの用だ?」
                            “有什么事吗?”
                            「トウセンボーだよ。傷つけるつもりはない。廻り道をするのだ。ここは絕对に通さない」
                            “我毕生追求大道,故而不打算伤害你们。请你们绕道而行吧!这里绝对不能让你们任何一个人通过!”
                            「通ると言ったら?」
                            “那你说我能不能通过?”
                            「怪我をする。いや、殺されるかも知れない」と広成子は「番天印」を懷から出して、手にもてあそぶ。一見は、ただの小さな四角い玉の印材だが、九仙山は桃源洞の秘宝である。聞仲は黙って、黑麒麟の首をかえした。
                            “那就要受点伤了,不,也许会被杀。”广成子将怀中的“番天印”取出,放在手里把玩。乍看之下,番天印只是一种小小的方形玉制印章,可它却是九仙山桃源洞的秘宝。闻仲没有说话,默默地调转了墨麒麟的头。
                            「なぜですか?」と辛環が聞く。
                            “为什么要回头?”辛环问道。
                            「あれは番天印と言って、恐るべき破壞力を持っているとのことだ。広成子が黄河陣に捕われる前に、もしあの番天印を投げていたら、混元金斗を、あるいは壞されたかも知れない、と三仙姑が話していたので知っている。なんでも、玉虚宫の十二大弟子が開発した宝貝の中では最高のものであろう、とのことであった。なにはともあれ、いまは朝歌に帰らねばならない。それで危うきを避けた」と聞仲は言う。しかし廻り道をするためには、いったん岐山まで引き返さなければならなかった。
                            “那个宝贝叫番天印,据说拥有可怕的破坏力。我从三仙姑口中得知,广成子如果在陷入黄河阵之前扔了那个番天印的话,也许连混元金斗都会被破坏。据说在玉虚宫十二大弟子开发的宝贝之中,番天印是最厉害的一个,就是这样。不管怎么说,现在我们必须赶紧返回朝歌,因此这种危险人物是我们不得不避开的。”闻仲解释道。不过,一旦他们决定绕道,闻仲就不得不率军先返回岐山。
                            岐山に戻った聞仲の一行は、汜水関を目指して、燕山へと進む。が、燕山でこんどは赤精子が、路の真ん中に立ちはだかっていた。またか、と聞仲は怒って銀鞭を振り上げる。
                            闻仲一行人回到了岐山,以汜水关为目标,向燕山前进。但这回,早已来到燕山的赤精子,也站在路中间挡住了闻仲的去路。闻仲见到玉虚宫的人又来阻他,不由愤怒地举起了银鞭。
                            「待て聞仲、あの折れてしまった金鞭ならともかく、その銀鞭では物の役にはたたない。廻り道をするのだ。傷つけるつもりはない」と言いながら赤精子は「陰陽鏡」を出した。その光りに一度当てられると、まず目が眩んで昏倒し、二度めで死に、三度めには身体が熔ける。同樣に三仙姑が懼れていた宝貝だ。聞仲は、怒りを鎮めて廻り道する。
                            “闻仲且慢!姑且不论你那个断了的金鞭能否打得到我,不过你这条银鞭确实一点用都没有。绕道而行吧,我不想伤害你们。”赤精子边说边拿出了“阴阳镜”。 阴阳镜同样是让三仙姑十分恐惧的宝贝。任何人一旦被阴阳镜的光芒照射过,第一次会由于头晕目眩而晕倒,第二次就会死掉,第三次身体则会被熔化。闻仲强行平息了怒气,不得不率军绕路而回。
                            「もはや黄花山を通って青竜関に出るほか、道はありません」と辛環が言った。黄花山に進むためには、絕竜嶺を通らねばならない。聞仲が、その老師金霊聖母の言葉を気にして、絕竜嶺を避けようとしていたことを、辛環は知っている。果たして聞仲は、しばらく考えこんだ。
                            “除了通过黄花山去青龙关之外,目前没有别的路了。”辛环道。听到这个消息,闻仲不由得沉思了一会儿。为了进入黄花山,闻仲他们就必须先通过绝龙岭。辛环知道,闻仲其实很在意他老师金灵圣母的话,现正想试图避开绝龙岭这个死地。
                            「やむをえない。やはり青竜関に出よう」と決意して、再び岐山に戻る。岐山に辿りついたときには夜が更けていた。しかし幸いに野営はそのまま殘っている。
                            “没办法了!我们还是去青龙关吧!”闻仲下定决心,再次率军回到了岐山。等他们好不容易走到岐山之时,夜已经深了。不过幸运的是,他们之前的营地还原封不动地保留在那里。


                            IP属地:安徽来自Android客户端92楼2020-04-13 22:05
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                              「うん。オレが指揮するより、天祥に任せたほうが効率が高いと思ったんだ」と楊戩が答える。
                              “嗯!比起我来的话,我觉得交给天祥指挥会更有效率。”杨戬答道。
                              「それはそうだ。いまや兵士たちにとって、玉泉山の楊戩道人よりは、西岐の小飛虎が恐ろしいだろうからねえ」と二人は笑いながら、兵士を追い立てて遠くに去った黄天祥と騎馬隊を追った。
                              “那是自然!现在对那些兵士们来说,西岐的小飞虎可是比玉泉山的杨戬道人可怕得多了吧?”两人笑着追上了黄天祥,此时他正指挥马队把黄花山的兵士们赶到远处去。
                              对岸では、兵士たちがすでに設営の支度に取りかかっていたが、太陽はまだ高い。吉立と余慶は、早く西岐城から遠ざかろうと行軍を主張した。しかし、追われて逃げた兵士たちが、夜陰に紛れて戻ってくる、と期待した鄧忠は、やはり野営を張るべきだ、と頑張ってゆずらない。そして、殘った兵士たちが鄧忠の意見に加担したことで、けっきょく野営が張られた。
                              河对岸,兵士们已经开始着手准备扎营,但是日头还很高。吉立和余庆主张行军,早日离开西岐城。然而,邓忠期待那些被追逃的兵士会趁着黑夜悄悄回来,并坚持在此扎营。双方僵持不下,随后剩下的兵士们也纷纷支持了邓忠的意见。最终,闻仲拍板决定,在此扎营等候兵士们的归来。
                              まもなく日が暮れる。鄧忠が期待した通りに、逃げた兵士たちは川をどう渡ってきたのか、一人、二人と帰ってきた。だが同時に、吉立と余慶が憂慮したように敵も襲来する。哪吒だ。
                              不久后,天黑了。正如邓忠所期待的那样,逃走的兵士们一个两个地一起回到了河对岸,可同时吉立和余庆忧虑的敌袭也发生了,是哪吒。
                              暗い夜である。哪吒は姿を現わさずに、いきなり金磚を投げた。金磚は唸りながら野営を飛びまわって、あたるを幸いに営舎を叩きこわす。兵士たちは腰をかかめ、あるいは這うようにして逃げ出した。聞仲も吉立と余慶に護られて遁走する。踏みとどまって樣子を見ていた鄧忠が、つい頭を上げた瞬間、金磚にこめかみを打たれた。暗い夜空を、一道の魂魄が封神台に飛ぶ。哪吒は聞仲を追わずに引き揚げた。
                              夜幕降临,哪吒没有现身,而是冷不防地扔出了一块金砖。金砖呜呜地在营地里飞来飞去,幸而只是将营舍砸毁了。兵士们纷纷弯腰爬着逃出生天,连闻仲也在吉立和余庆的保护下慌忙遁走。邓忠停下脚步,想看看敌人究竟是谁,可当他抬头一看,就被金砖打中了太阳穴。在黑暗的夜空中,一道魂魄飞到了封神台上。最终闻仲成功撤退了,而哪吒也没有去追。
                              幸いに黄花山の兵は夜道に慣れている。三百名足らずに減った一行は夜を徹して、かなりの距離を進んだ。明けがた、近くに集落のある森の中で休息を取る。そして昼ごろ、再び行軍を起こして、一路青竜関を目指した。沿道の木々は葉を落として、秋を告げている。聞仲は終日、ついに口をきかなかった。一日が平稳無事にすぎる。
                              被西岐多轮突袭后,闻仲一行人现在已不足三百名了。多亏黄花山的兵士惯于走夜路,他们彻夜不眠,走了相当远的距离。黎明时分,他们在附近有村落的森林里休息。然后他们在中午时分再次行军,一路朝着青龙关前进。沿途的树木纷纷落叶,宣告着秋天的到来。闻仲一整天都没有开口。这一天,他们过得平安无事。
                              その翌日も無事にすぎて、いよいよ絕竜嶺にさしかかった。絕竜嶺を越せば黄花山で、青竜関はすぐその先である。日暮れに通りがかった路の近くに、珍らしく大きな人家があった。
                              第二天他们终于来到了绝龙岭,依旧平安无事。越过绝龙岭就是黄花山,而青龙关也离眼前不远了。日暮时分,在大路附近,闻仲他们难得发现了一个大户人家。
                              聞仲は疲れきった樣子である。吉立と余慶が気をきかせて、その人家に聞仲を泊めてもらおうと、交涉に出掛けた。
                              闻仲此时似乎已经精疲力竭了。吉立和余庆很在意闻仲的身体,想让闻仲先在那户人家里住下,便前去交涉了。
                              「おい主人、朝歌の聞太師が難儀しておられる。一夜の宿を借りたい」と吉立が申し出る。
                              “这位家主,朝歌的闻太师如今正处于困顿之中,想在你家里借宿一晚。”吉立申请道。
                              「朝歌の聞太師って、聞いたこともないが、何をしているのかね?」
                              “朝歌的闻太师?我没听说过!你们一大群人跑来我家门口做什么?”
                              「朝廷の偉いお方だ」
                              “闻太师可是朝廷里的泰斗啊!”


                              IP属地:安徽来自Android客户端94楼2020-04-13 22:06
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