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回复:安能务著《封神演义》中文版

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「赦してくれ。モグラではない。人間だ」と妖怪は哀れな声を出す。
“饶了我吧!我不是鼹鼠精!是人类!”妖怪向黑点虎发出哀声,求道。
「ウソつけ!」と黑点虎は決めつけたが、それでも胸にかけた脚をはずした。妖怪が素直に赦しを乞うたのに気をよくしたのである。
“你在撒谎!”黑点虎虽然这样想了,但还是把踏在妖怪胸前的前腿放下了。妖怪坦率地向黑点虎乞求宽恕,让它的心情十分舒畅。
「妙なモグラじゃのう。なぜ大人ではなく、子供に化けた?」
“真是奇怪的鼹鼠精!你为什么不化作大人模样,而是变成了个小孩子?”
「化けたのではない。正真正銘の人間だ。それに子供じゃない。立派な大人だ」
“我不是妖怪!是地地道道的人类!而且我不是小孩子!我完全是个成年人!”
「おいモグラ。正直に白状しろよ。お前がモグラだろうと人間だろうと、オレにはどうでもよいことだ」
“喂!鼹鼠精!老实交代,跑这儿来做什么?说实话,不管你是鼹鼠精还是人,对我来说都是无关紧要的事情。”
「ウソじゃない」
“这不是谎言!”
「ならば、人間だという証拠は?」
“那么你给我拿出你是个人的证据啊?”
「人間だから人間だよ。よく見れば判るじゃないか」
“没什么证据好说的!我是人类,因此我就是个人!你仔细看一看就明白了。”
「それが怪しいのじゃよ」
“那就奇怪了。”
「どのように?」
“怎么了?”
「うまく化けたつもりだろうが、ちゃんとした人間の姿になっちゃいない。なるほど顏は大人だが、身体は子供だ。しかも、その顏がサマになっちゃいない。年がら年中、土の中に潜っているから、まともな人間の顏や姿を、ほんとうは知らないのじゃろ?」
“你本来可以变化得更好,却没有变成个像样的人。你的脸的确像大人,但是身子却是一副小孩子的模样,而且你那张脸又并没有变得很帅。你一年四季都潜伏在泥土中,因此你可能真的不知道真正的人的容貌和姿态吧。”
「そんなバカな!」
“好一个混帐东西!竟敢如此骂我!”
「でなければ、化け方がよほどヘタくそなのか。そのいずれかじゃ」
“不然的话,你如果变化成妖怪的本来面目,又哪有那么笨拙啊?而且这只是其中一个原因而已。”
「おい虎さんよ。先ほどは虚をつかれてトチったが、妙な冗談をやめないと怒るぞ」
“喂!老虎精!我刚才确实骗你了,不过你要是再不停止奇怪的玩笑,我会生气的!”
「ほお、それは面白い。怒ってみな」
“呵呵,你这鼹鼠精倒是挺有趣的。那你试着对我生一下气啊?!”
「けんかを壳るつもりはないが、いつでも逃げられるんだ」
“我可不打算跟你找茬打架,但找个机会,我总是能逃走的。”
「逃げたらつかまえるさ。オレの追跡から逃げれられる妖怪は一匹もいないはずだ」
“哈哈,你要是从我手里逃跑了,我就再把你抓起来。到目前为止,还没有一只妖怪能在我的追踪下逃脱。”
「思いあがってるね。地の中に潜れば、追ってはこられまい」
“你可别自以为是了。我只要一潜入地下,你就没办法追上来了。”
「うむ、それはそうじゃ。だから、どう考えてもお前さんは人間ではない。土中に潜る人間などありえないからさ」
“嗯,确实如此。因此无论我怎么想,你也不可能是个人啊。毕竟一个正常的人,怎么可能总是潜伏在土里面呢?”
「じゃ、オレの知る限り人間の言葉を喋る虎はいないから、貴公は虎ではないということになるが、まてよ、貴公こそ本当は妖怪じゃないのか?」
“那么,据我所知,没有任何一只正常的老虎会通人言的。按你的逻辑,你也不是老虎了?算了吧,我看你才是真正的妖怪吧!”
「いや、オレは間違いなく、ただの虎だ。しかし、だからと言って、お前さんが人間だということにはならないぞ。そうだ——人間か妖怪かは匂いを嗅いでみりゃわかるんじゃ。妖怪ならいくら上手に化けても匂いは消えないからさ」
“不,我肯定我自己只是一只老虎。可是就算你不是鼹鼠精,你也不能说你是个人啊!对了!对了!——你到底是人还是妖怪,我只要闻一下你的气味就知道了!如果你是妖怪的话,无论你变化得再好,妖气也不会消失。”
「ほんとうかい?」
“真的吗?”
「そうだとも。おいチビ助、もっと近よれ。匂いを嗅いでやる」
“当然是这样。喂!小矮子!你再靠近我一点!让我闻下你的味道!”
「チビ助——はやめてくれ。土行孫という名前があるんだ」
“小矮子?!——你不要这样说了!我自己有个名字,叫土行孙!”


IP属地:安徽来自Android客户端56楼2020-01-11 08:56
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    「うん、土行孙か。よし、岩の上にあがってこい」
    “嗯,土行孙。好,我知道了。你快点爬到岩石上面来。”
    「匂いを嗅ぐのは胜手だが、岩の上ではいやだ」
    “虽然闻味道是件很微不足道的事情,但我还是要说,我不喜欢站在岩石上。”
    「なぜ?」
    “为什么?”
    「岩の上じゃ、妙な料见をおこされたとき突嗟に潜りこめないからさ。言っておくが、先ほどその*っ尾で叩きつけられたのが岩の上だったからドジを踏んだんだ。土の上だったら叩きつけられた势いで、そのまま潜りこんで、おさらばだよ」
    “在岩石上,如果突然发生了什么奇怪的事情,我就不能马上钻进地下。我先告诉你,刚才你的尾巴为什么会敲到岩石上去?那是我在石头上踩了一脚的缘故。可我也就因此犯了个巨大的失误。如果我是在土上的话,就能借助你的尾巴击在土上的气势直接潜进去,然后就能和你说再见了。”
    「そうか。でも、その疑い深いところを见ると、やはり人间かも知れないな。じゃ、岩にあがってこなくともよいから、风上にまわれ」と言われて土行孙は风上に移动する。黑点虎が鼻をピクリと动かした。
    “是吗?可我看你长的那个样子,还是有很深的疑虑,也许你确实是个人吧。那你不用爬到岩石上面来了,给我转到风口上面去吧。”土行孙依言移动到了风口处。黑点虎的鼻子动了几动。
    「うむ、モグラ臭くはない。やはり妖怪ではなさそうだ。しかし不思议じゃのう。人间がなぜ土の中を潜れるんだ?」
    “嗯,没有鼹鼠的臭味。看来你果然不是妖怪,可你也太不可思议了。你这样的人类为什么要钻进土里面去呢?”
    「稽古しなければ出来ないさ。これでも百年をかけて“地行术”を习练したんだ」
    “要是不训练的话,我连这点功夫也没有的。就这点‘地行术’,也还是我用了一百年时间才练成的啊。”
    「おい、ちょっと待てよ。いま百年と言ったようだが、するとお前さん、子供ではないんだね」
    “喂!等一下!你说你用了一百年时间来训练,那么你已经不是个小孩子了吧?”
    「当り前だ。地行术の修行で大きくなりそこなったのさ」
    “那是当然的!我需要修行地行术,就不得不变成那样了,而且我之前还差点长大了呢。”
    「なるほど。図体が大きくちゃ具合が悪いからのう。ところで、その地行术とやらをどこで习ったのかね?」
    “原来如此。你的个子变大了,身体就会不舒服。对了,你那个地行术是在哪里学的呢?”
    「昆仑山脉は夹竜山の飞云洞だよ」
    “在昆仑山脉中的夹龙山飞云洞。”
    「でたらめ言うんじゃない。それは仙洞じゃないか」
    “别胡说八道!这不是仙家洞府吗?”
    「そうだよ。师父は昆仑十二大仙の一人、惧留孙だ」
    “没错。我的师父就是昆仑十二大仙之一——惧留孙。”
    「おいおい、土行孙。するとなんだね、お前さんは道士か」
    “喂!喂!土行孙!这么说来,你是个道士啊!”
    「そうだよ」
    “是啊。”
    「いや、信じがたいね」
    “不可能!我难以置信!”
    「なぜ?」
    “为什么?”
    「オレは道士というのを、いろいろと数多く知っているんじゃ。が、お前さんのような、チビはまあよいとして、ギョロ目で鼻ばかり大きい不细工な颜をした者は一人もいない」
    “我可是认识很多道士的。但是,像你这样矮的小鬼倒还没所谓。如果是一个正常人的话,他的眼睛可不会长得像鼻子那么大。你的脸已经丑得能把人吓得面无人色、目瞪口呆了。”
    「なに、虎には人间の美丑の区别がつかないんだよ」
    “什么鬼?你这个老虎精,根本分不清人类相貌的美丑!”
    「いや、自分ではどう思っていようと、ヒドイ颜じゃ」
    “不!我分得清!那你自己又是怎么想的呢?看你现在一脸不高兴的样子。”
    「それより虎さんよ。オレより违者な口をききおるが、どこで言叶を覚えたのかね?」
    “相比之下,老虎精啊!你这妖怪比我说起来更不像话!你又是在哪里学会人类的语言的?”
    「ここで、だよ」
    “在这里哦!”
    「谁もいないじゃないか?」
    “这里谁都没有啊?”
    「庙の中にいる」
    “在庙里。”
    「おお、轩辕サマか」
    “啊?是轩辕陛下?!”
    「いや、ここは轩辕庙だが、轩辕サマは见えたことがない」
    “不不不。虽然这里是轩辕庙,但我至今还没有见过轩辕陛下。”
    「じゃ、谁だね」
    “那么到底是谁呢?”
    「千里眼に顺风耳の両大哥(二人の兄贵)だよ」
    “是千里眼和顺风耳这两位大哥(兄贵二人)”
    「そうか。じゃ挨拶してこなくちゃ」
    “是吗?那我得跟他俩问个好才行。”


    IP属地:安徽来自Android客户端57楼2020-01-11 08:58
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      「よせよ。このごろ口をきいてくれないんだ」
      “算了吧,他们近来都不跟我说话了。”
      「なら、なおのこと挨拶しなければ……」
      “那我们就更应该和他俩去打个招呼啊……”
      「いや、お前さんの目には、ただの土偶だよ」
      “不,在你眼里,他俩只是两个土偶而已。”
      「じゃ、お前さん。やはり妖怪じゃないか!」
      “那么,你就是……你果然是妖怪啊!”
      「バカ言え。オレは“人形”をとらないから、妖怪ではないさ。それより、なんで话题をそらせたのじゃ。寻问はまだ终っちゃいないのだぞ。道士だ、という证拠は?」
      “胡说八道!我又不用化作‘人形’!才不是妖怪!比起这个,你为什么要把话题扯远了呢?我对你的寻问还没有结束呢。你可有证据,证明你是个道士?”
      「この绳がそうだ。捆仙绳といってね。飞云洞の秘宝で、仙人をも缚り上げることが出来るんだ」
      “这个绳子就是证据。你可以叫它捆仙绳。捆仙绳可是飞云洞的秘宝,即便是仙人也难逃束缚。”
      「すると、この野郎。それでわが辈を缚ろうとしたのか」
      “于是……*****!……你想用那个宝贝来绑住我吗?”
      「ちょっと违うんだ。たんに缚るのだったら、远くから投げれば、お前さん、ぐるぐる卷きになっていたさ。軽く首にひっかけようとしたから失败したんだよ」
      “我想的和你比起来,还是稍微有点不一样的。如果只是单纯地绑住你,再把你向远方扔出去的话,你这家伙已经卷成一团了。”
      「どういう意味だ?」
      “你这话是什么意思?”
      「ほんとう言うと、首に绳をかけて乗骑にしようとしたのさ」
      “说真的,我就是想把绳子挂在你的脖子上,然后把你当马骑。”
      「なんだと!」
      “什么?!”
      「ただの虎だと思ったんだ。だから谢ったじゃないか。しかし、いきなり叩きつけられたことよりも、人间の口をきいたんで、たまげたよ」
      “我当初以为你只是一只普通的老虎而已,因此我之前不是和你道歉了吗?不过,你突然把我狠狠地教训了一顿,还说着人类的语言,那才真让我大吃一惊呢。”
      「おい土行孙、それはちょっとおかしいぞ」
      “喂!土行孙!你这有点奇怪啊?!”
      「なんで?」
      “为什么?”
      「だってお前さん。百年も修行した道士だったら、土遁や水遁の术ぐらい心得ているはずだ。なんで乗骑がいるのじゃ?」
      “因为你啊!如果你是个修行了百年的道士,应该懂得土遁或者水遁等道术。为什么你还想要个坐骑呢?”
      「うむ。自分でもよく知らないが、一种の病気なのかも知れない。とにかく、なにがなんでも乗骑が欲しくて、无性にそれを乗りまわしてみたいんだ。他のものは何もいらない。ただ乗骑が欲しい!と数十年来、思いつづけてきたんだ。なん度それを梦に见たか数えきれない。とにかく欲しいんだ!」
      “嗯,其实我自己也不太清楚,也许是一种病吧。总之无论如何我都想要一头坐骑,特别是骑着它转圈圈。其他的我什么都不需要!我只是想要一头坐骑!数十年来,我一直都是这样想的。我无数次梦见过我理想中坐骑的样子。总之我就是想要一头坐骑!”
      「师父に相谈すりゃいいじゃないか」
      “那你找你师父商量不就行了吗?”
      「もちろん相谈したさ。しかし、一人前になってからにしろ、まだ早い、と言われたんだ」
      “我当然和师父商量过了。但是,我要想独当一面,还早得很呢!师父是这样说我的。”
      「それで、いまようやく一人前になった、というわけか」
      “因此你现在总算可以独当一面了?”
      「そうじゃない。先日、师父が西岐城下に下山したんで、その留守に抜け出して乗骑を物色していたのさ」
      “不是那样的。前几天师父下山后去了西岐城下,于是我便偷偷溜出了洞府,一直在外面物色坐骑。”
      「物色することはあるまい。手っ取り早く、どこかで马を借りるか、失敬すりゃいいじゃないか」
      “你现在还没有物色到吧?话说你麻利地找个地方借匹马,再和它主人道个歉不就行了吗?”
      「うむ。ところが马じゃ面白くないんだ。さればとて灵兽に乗る身分ではなし。それで猛兽をねらっていたんだよ」
      “嗯,可是对我来说,骑马没什么意思。然后我也不想通过乘坐灵兽来抬高我的身分,因此我才把目标对准了猛兽的。”
      「それで、いきなりオレさまに目をつけた、というわけか。おあいにくさまだったね」
      “然后,你突然注意到了我,就是这么一回事吧?那可真是不巧啊!”


      IP属地:安徽来自Android客户端58楼2020-01-11 08:58
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        「いや、いきなりではないんだ。いく度も失敗した末にだよ。猛獸はそのままでは乗騎にならない。しかし綑仙繩を投げて縛り上げたら動けなくなる。それで、口惜しいが諦めかかったところで、貴公が寝そべっているのを見つけた。よし、綑仙繩を投げずに軽く首にかけてみよう、と試みたのさ」
        “不,不是突然。那是我多次失败的结果。我知道猛兽不能就那样骑上去,但如果我把捆仙绳扔出去,把你绑起来的话,你就动不了了。因此我即使舍不得也不得不放弃,但我刚想走时,却发现你躺在了床上。于是我决定不扔捆仙绳,而是试着把它悄悄地挂在你的头上,看能不能成功……”
        「なんだ。それならそうと初めから言えば、あるいは相談にのったかも知れないのに」
        “什么嘛。如果你从一开始就那么说,或许你和我商量以后已经骑上了呢?”
        「いや、どうせダメだったんだ。いずれにしても神獸に乗る資格は、まだないからさ」
        “不,对你来讲,反正我怎样做都是不行的。不管怎样,我还没有资格去骑一头神兽。”
        「へえ、妙に遠慮深いじゃないか」
        “啊,怪不得你现在对我这么客气。”
        「いや、節度をわきまえているのさ」
        “不,我明白要适可而止。”
        「そうか、気に入ったぞ土行孫。よし、一度だけお前さんの宿願をかなえてやろう。一瞬にして三界を駆け巡ることが出来るんだぞ。速さでは、このオレにかなうものはどこにもいない。さあ、かまわんから背中に乗れ」
        “是吗?土行孙,我很喜欢你。好吧,我就满足一次你的愿望吧。我在一瞬间就能跑遍三界。论速度的话,没有任何神兽能比得上我!来!坐到我的背上!没关系的!”
        「ありがたいが、やはり遠慮するよ。それに早く洞府に戻らないと、師父が帰ってきちゃまずい」
        “虽然我很感谢你,但你还是别客气了。而且我不早点儿回到洞府的话,要是师父回来就不妙了。”
        「急ぐことはないよ。まだ帰ってこないさ」
        “不用着急。你师父现在还回不来呢。”
        「なんでわかる?」
        “你怎么知道?”
        「だって西岐城下に出掛けたんだろ?」
        “你说你师父到西岐城下去了吧?”
        「そうだよ」
        “是啊。”
        「ならば大丈夫だ。きっと長逗留になる。あの十絕陣を破るのは容易なことではない。すくなくともひと月はかかる。オレの師匠がそう言ってたから間違いはない。それよりお前さん、ほんとうはどうしてでも乗騎が欲しいんだろ。ならば、オレの師匠はすごく話がわかるんだ。じき帰ってくるはずだから、しばらく待って、相談したらどうだね。きっとよい方法を教えてくれるぞ」
        “那就没问题了。他一准得长期逗留在那地方。破那个十绝阵,可不是件容易的事情。至少也需要一个月时间,我的老师是这样说的。从我一开始见到他,他说的话都没有错过。比起那个,你其实不管怎样都更想要骑一回神兽吧?我的老师应该很懂你的意思的。他马上就会回来,你要不等会儿再和他商量吧?不过,你到时一定能教我一门上乘的道术吧?”
        「そうか、それはありがたい。口添えを頼むよ」と土行孫は腰をすえる。「お喋り黑点虎」はさっそく途方もないお喋りを始めた。
        “是吗?那太感谢了!拜托你到时帮我美言几句?”土行孙坐了下来。“喋喋不休的黑点虎”一打开话匣子来就毫无逻辑可言了。
        申公豹が玄都から棋盤山に戻ってきたのは、その翌日の昼すぎである。その前日の未明に、白鶴童子が元始天尊の使者として玄都の八景宫に姿を現わした。
        次日午后,申公豹从玄都回到了棋盘山上。而在前一天黎明,作为元始天尊的使者,白鹤童子出现在了玄都八景宫中。
        ——黄河陣に陷った十二大仙を救出するために下山する。緊急を要するので夜明けとともに玉虚宫を出るが、太上老君にも出駕を願って、西岐城下で落ち合いたい——という元始天尊の要請を伝えるためである。
        ——为了救出陷入黄河阵的十二大仙,元始天尊下山了。由于情况很紧急,元始天尊在黎明时分就出了玉虚宫。他希望太上老君也能出马,并与他在西岐城下会合。


        IP属地:安徽来自Android客户端59楼2020-01-11 08:59
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          しかし未明に要請を受けながら太上老君は、太陽が東天に輝いても腰をあげなかった。すでに太陽が中空にかかって、南極仙翁が再度の要請に現われたが、それでも動かず、ようやくにして腰をあげたのは明くる朝である。それを見とどけた申公豹は「仙界の再編成」が太上老君の本意ではなく「神界の創設」を巡る一連の動きに気乗りしていない——ことを秘かに確認した。だから太上老君の下山を送ってから、おもむろに八景宫を離れて棋盤山に戻った申公豹の心は晴々としている。
          虽然太上老君在黎明时分已经接受了元始天尊的请求,但即使太阳在东方闪耀,他也没有要站起身来的意思。当太阳已经悬挂在半空中的时候,南极仙翁再次出现,并请求太上老君出山。尽管如此,太上老君还是一动不动,直到第二天清晨,才好不容易站起身来。申公豹看到这一幕后,终于明白了。原来“仙界重组”并不是太上老君的本意,而是围绕“创设神界”的一系列举措之一——申公豹暗中确认了这个秘密。因此在送太上老君下山后,他心情十分舒畅,慢慢地离开八景宫,并回到了棋盘山。
          申公豹の帰りを迎えた黑点虎は、さっそくに土行孫を紹介した。
          迎接申公豹归来的黑点虎,立刻将土行孙介绍给他。
          「ほお、身体は小さいが立派な“男”じゃのう。見事な“宝貝”を持っている」と申公豹は土行孫を眺めまわして言った。
          “噢!这是个身体虽小却很帅气的‘男人’啊!居然还拥有这么漂亮的‘宝贝’!”申公豹望着土行孙道。
          「はい、これは綑仙繩といいまして、洞府の宝物庫にあったのを……」
          “是的,这个宝贝叫捆仙绳,是我从洞府的宝物库里……”
          「勝手に持ち出したのじゃろ」
          “随便拿出来的吧?”
          「申し訳ございません」
          “非常抱歉。”
          「オレに謝ることはないぞ。綑仙繩ではなく、お前が身につけた“宝貝” に感嘆したのじゃ」
          “你没必要向我道歉啊。我刚才说的不是捆仙绳,而是在感叹你身上带着的‘宝贝’啊!”
          「はあ、恐れ入ります。地行術のことでございましょうか」
          “啊!不敢当!不敢当!您是在说我的地行术吗?”
          「違う。お前の地行術は噂に聞いているが、大したことはない。この世の中には、土ではなく岩をも潜り抜ける男がいるのじゃ」
          “不对!我之前听说过你的地行术,也没什么了不起的!在这个世界上,有个男人能平安地穿过岩石,而不只是泥土哦!”
          「師匠、おどかさないで下さいよ」と黑点虎が口を出す。
          “老师,请你不要再吓唬我了!”黑点虎脱口而出道。
          「おどかしてるんじゃない。澠池城の総兵で张奎という男にはそれが出来るんじゃ」
          “我没有在吓唬你啊。我知道的是,渑池城的总兵,一个叫张奎的男人是能做到这些的。”
          「はい、まだ未熟ですので、一生懸命に修行をつづけます」と土行孫は素直に答える。
          “是的,我知道。我的地行术还不够纯熟,我会继续努力修行的。”土行孙老实地答道。
          「やめなさい。ムダじゃ」と申公豹がいきなり言った。
          “别这样,没用。”申公豹突然道。
          「どうしてでございますか?」と土行孫は怪訝な顏をする。
          “为什么会这样?”土行孙露出了惊讶的表情。
          「仙骨がないからじゃ」と申公豹は容赦がなかった。土行孫はハッとして目を申公豹に向ける。
          “因为你没有仙骨。”申公豹毫不留情道。土行孙呵呵一笑,把目光转向了申公豹。
          「師匠、いじめないで下さいよ。きょうは機嫌が悪いんですね」
          “老师,请你不要欺负我无知哦!今天我心情可不好了!”
          「バカ言え、機嫌は上々だ」
          “胡说八道!我今天心情很好!”
          「じゃ、土行孫には仙骨が、ほんとうにないのですか?」
          “那么,土行孙的仙骨,真的不存在吗?”
          「ないね」と申公豹は言って、いくども首を横にふった。土行孫は泣きベソをかく。しかし諦めきれずにわけを問うた。
          “没有仙骨啊。”申公豹反复说了几遍,还摇了好几次头。土行孙哭丧着脸,可他还是不死心,向申公豹追问着理由。


          IP属地:安徽来自Android客户端60楼2020-01-11 09:00
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            「どうしてでございますか?」
            “为什么会这样?”
            「お前のような、異常に発達したみごとな“宝貝”の持ち主は、それだけの理由で仙骨がないと断定できる」と申公豹は止どめを刺す。土行孫はうなだれた。
            “像你这样的,拥有异常发达的美妙‘宝贝’的人,又怎么可能会有仙骨?我仅凭这一点就能断定。”申公豹一针见血道。土行孙低下了头。
            「がっかりするなよ土行孫。仙人になれなくたっていいじゃないか。オレもあとなん千年か修行すれば仙人になれるんだ。しかし仙人になってから、あいつの前身は虎だ、と仙界で差别されるよりは、このまま虎でいたほうがいいと思っている。頼まれたって、仙人なんかにはなってやるものか。それよりお前さん、本当は仙人になることよりも、乗騎が欲しいんだろ?」と黑点虎が土行孫の気を引き立てる。
            “土行孙,你不要灰心丧气。即使成不了仙人,不也很好吗?我要想成为仙人,也得经过千年修行才行。但若是我成为仙人以后,会被很多仙人看不起,说我的前身只是一只老虎而已。比起在仙界受到莫大的歧视,我认为还是像现在这样做只老虎比较好。即使别人求我,我也不可能成为仙人。说实话,其实比起成为仙人,你更想要一头坐骑,对不对?”
            「うむ、その通りだが、仙人になれなければ立派な乗騎を持てないからなあ」
            “嗯,的确如此。但如果我不能成为仙人的话,就无法拥有一头强大的坐骑。”
            「そんなことないさ。お前さんどうかしてるぞ。仙人にならずとも立派な乗騎を手に入れる方法はないか、とオレの師匠に相談するはずじゃなかったのか?」
            “没有那样的事。你到底是怎么想的?难道,就没有即使不成为仙人,也能得到优秀的坐骑的办法吗?难道你不应该和我的老师商量一下吗?”
            「うむ。でも考えてみれば、やはり無理だよ」
            “嗯。但是我考虑了一下,果真还是不行啊。”
            「その通りだ。それはムリだね。しかし、せっかく見事な“宝貝”を授かったんだ。乗騎よりは、もっともっと楽しい“乗物”を搜すとよい」と申公豹が言った。
            “黑点虎说得没错!不过,你想借我的黑点虎骑一下?那可不行啊!然而你好不容易才被上天授予了漂亮的‘宝贝’,比起一头坐骑来,你还是去寻找能让你更加快乐的‘乘物’比较好。”
            「乗騎より楽しい乗物と申しますと?」と土行孫は首をかしげる。
            “比一头坐骑更能让我快乐的乘物?”土行孙歪着头道。
            「娘御じゃ」と申公豹はずばり言いのけた。黑点虎と土行孫が啞然として顏を見合わせる。
            “当然是小姑娘啊!”申公豹一语道破道。黑点虎和土行孙面面相觑,无话可说。
            「師匠、土行孫は道士ですよ。妙な冗談はおやめ下さい」と黑点虎が口をとがらせた。
            “老师,土行孙是个道士。请你不要和他开奇怪的玩笑!”黑点虎撅起了嘴道。
            「冗談など言っちゃおらん。どうせ仙骨はないんだ。さっさと廃業して、下界で楽しく暮らすがよい。それに仙骨がないから立派な乗騎を望んでもムリだが、すぐれた“宝貝”の持ち主だから、三界一の花嫁を手に入れることは出来る」
            “我没有开玩笑。反正他也没有仙骨。土行孙,还是赶快停止修行,去下界快乐地生活吧。而且由于你没有仙骨,想要得到一匹强大的坐骑是不可能的。但是,你的‘宝贝’非常优秀,因此你能得到三界第一的新娘子。”
            「それこそムリというものですよ、師匠。土行孫には気の毒だが、その顏と恰好をよく見てくださいな」
            “老师,你说的这些才是不可能发生的事情。虽然对土行孙来说,找不到伴侣是件很遗憾的事情。但你在说这些鬼话前,也请先仔细看看他的脸和身材打扮好吗?”


            IP属地:安徽来自Android客户端61楼2020-01-11 09:00
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              「バカにするんじゃない。お前には何もわかっちゃいないんだ。一般的には、愚かな美女は男前と財宝を選ぶ。しかし秘技の妙道をうかがい知る聡明な美人は、立派な“宝貝”に憧れるものじゃ。請け合ってもよい。土行孫はきっと乗騎よりも素晴らしい“乗物”を手に入れることが出来る」
              “别把我当傻瓜!你这家伙什么都不懂。一般来说,愚蠢的美女会选择有钱的男子汉。可是聪明的美女往往都会窥探和房中术秘技有关的妙诀,而像土行孙拥有的如此漂亮的‘宝贝’正是她们憧憬的东西。我可以保证,土行孙一定会得到比一头坐骑更棒的‘乘物’。”
              「そうですか。どうだね土行孫。オレの師匠が請け合うと言ったからには、万に一つの狂いもない。そうしなよ」と黑点虎は、にわかに申公豹の意見に加担する。土行孫は頭が混乱した。
              “原来是这样啊!土行孙,怎么样?既然我的老师说可以给你做个保证,那就万无一失了。要不你就那么办吧?!”黑点虎突然支持申公豹的意见,让土行孙的思想更加混乱了。
              「おい土行孫。強制するつもりはないが、もし言う通りにするなら、これからすぐ終南山に連れて行く。いやなら、すぐ洞府に帰るがよい」と申公豹は即座に決断を迫る。
              “喂!土行孙!我也不打算强迫你。但如果你照我说的去做,我马上带你去终南山。如果你不喜欢这样做的话,那还是马上回到你的洞府里去比较好。”
              「しばらく考えさせて下さい」
              “让我好好想一会儿。”
              「それはよいが、ただしお前の師父が帰ってきてからでは選択の余地はなくなるぞ」
              “那倒是可以,不过等你师父回来以后,你就没有选择的余地了。”
              「ボクの師父は、あとどのくらい西岐にいることになるのでしょうか?」
              “那我师父,还要在西岐待多久啊?”
              「三仙姑のひらいた黄河陣に陷ったが、玄都の老爺が救いに下山されたから、そろそろ帰山するだろう」
              “你师父虽然和其余的十二大仙们陷入了三仙姑布下的黄河阵,但玄都的老爷已经下山,并将他们成功救出来了。现在的话,他差不多该回山了吧?”
              「ならば土行孫、善は急げだ」と黑点虎は勝手に決めこんで催促した。
              “土行孙!为善宜速啊!”黑点虎擅自替他下了决心,催促道。
              「ではお願いします」と土行孫もついに意を決して頭を下げる。不意に、やはり乗騎よりは「乗物」がよいような気がしたからだ。
              “那就拜托了!”土行孙终于下定决心,低下了他的头。突然之间,他想到,或许比起骑马,“乘物”的感觉应该更好吧。
              「よし、ならば出掛けるぞ。一緒にクロの背に乗れ」
              “好!那我就出门了。你也一起坐上小黑的背吧。”
              「そんなことは出来ません。ボクは土遁を借りて後にしたがいます」
              “那样的事情,我做不到。我可以借土遁跟在你们的后面。”
              「土遁ではクロに追いつけない。時間がムダになる。遠慮はいらん」
              “土遁的速度可赶不上小黑。会浪费很多时间的。你还是别客气了。”
              「いいんだよ土行孫。言われた通りに早く乗れよ」と黑点虎が背を向ける。
              “算了!土行孙!别在坚持了!你还是按老师说的,赶快上来吧!”黑点虎朝土行孙转过身去。
              「では」と土行孫は申公豹に一礼して、黑点虎の背にまたがった。
              “那好。”土行孙向申公豹行了一礼,跨上了黑点虎的背。
              「速いから目をまわすぞ。慣れるまで瞼を閉じておけ」と申公豹が土行孫に注意する。
              “黑点虎的速度太快了,会让你眼花缭乱的。你还是闭上双眼,直到习惯了它为止。”申公豹给土行孙提醒相关的注意事项。
              「さあ行くぞ」と黑点虎は声をかけて天空に飛びあがった。その猛烈なスピードに度胆を抜かれて、土行孫はいやでも瞼を閉じる。ようやく慣れて、そっと目を開けたときには、すでに終南山に到着していた。
              “来!坐好!我们走了!”黑点虎大声叫着,飞上了天空。土行孙被黑点虎那猛烈的速度吓破了胆,不得不闭上双眼。当他终于习惯了黑点虎的速度,而把眼睛轻轻地睁开时,黑点虎已经到达终南山了。


              IP属地:安徽来自Android客户端62楼2020-01-11 09:01
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                玉柱洞の洞府に入ると、雲中子が「通天神火柱」の仕上げで忙しく動きまわっている。
                进入玉柱洞的洞府后,他们见到云中子正在为“通天神火柱”的完成而忙碌地四处转动着。
                「おお申公豹か。よく来てくれたが、見ての通り手が放せないんだ。これで朝歌の聞仲が焼き殺されるのは不本意だが、玉虚宫の命令だから、どうしようもない。悪いが、出直してくれないか」と雲中子は手も休めずに言う。
                “噢!是申公豹啊!虽然你经常来找我玩,但如你所见,我现在是手都没时间放啊。虽然我并不一样见到朝歌的闻仲就这样被烧死,但玉虚宫的命令让我无可奈何啊。不好意思,你能不能改天再来一次?”
                「どうぞお構いなく。実はガキを一人、三山関の総兵に紹介していただこうと思って伺ったのですが、では、お名前をお借りしますよ」
                “你啊,就请别客气了。其实我想把这小鬼介绍给三山关的总兵,因此才来拜访你。那么我想问问,能不能借你的大名使使啊?”
                「よかろう」と雲中子は気軽に応ずる。
                “好吧好吧,我没问题。”云中子轻松地答道。
                「では、また」と申公豹は辞して終南山を離れた。そして棋盤山に戻る途次、夾竜山に立ち寄って、飛雲洞に土行孫を下ろす。
                “那么,再见了。”申公豹告辞后离开了终南山。然后,他在返回棋盘山的途中,顺道来到了夹龙山,在飞云洞前将土行孙放下。
                「土行孫よ。終南山の雲中子の紹介だ、と称して三山関に総兵の鄧九公を訪ねよ。鄧九公の一人娘は鄧婵玉といって、三界一の美人だ。彼女を“乗物”に狙え。総兵の下で立派な働きをすれば、かならず手に入る。ただし、香ばしいスープを一気に飲もうと焦ってどんぶりを落として壞すなよ」と洞府の前で申公豹は土行孫の肩を叩く。
                “土行孙啊!你就自称受终南山云中子的介绍,去三山关拜访总兵邓九公。邓九公的独生女儿叫邓婵玉,是三界第一美人!你就瞄准她这个‘乘物’好了!哈哈哈!你只要在总兵手下,老老实实地做好你的工作,就一定能得到她的!但我提醒你啊,别因为急着想一口气喝到香喷喷的汤,而让大碗掉在地上坏掉了。”在飞云洞的洞府面前,申公豹拍着土行孙的肩膀说道。
                そして……
                然后……
                「そうだね。どうせだから綑仙繩を二、三本失敬して持参するとよい」とつけ加えた。
                “没错!反正你最后也要顺便带走两三根捆仙绳的。”申公豹又加了一句。
                「はい。万一に備えて、藥丹入りの葫蘆も持って行きます」
                “好的。为了以防万一,我也把丹药装进葫芦里面带走吧。”
                「うむ、毒を食らわば血まで、か。その根性なら、きっと成功する。じゃ幸せを祈るぞ」と言い残して申公豹の師弟は棋盤山に戻る。
                “嗯,要是吃毒药的话,最好带着你的血也一起吞下去。如果你有那种毅力的话,一定会成功的!那我就提前祝你幸福啦!哈哈哈”申公豹师徒留下这句话后,便回到了棋盘山。
                「師匠、いまのことが土行孫の師父に知れたら、ひと悶着おこると違いますか?」
                “老师,如果土行孙的师父知道了他现在做的事情,不就又会闹出一场风波吗?”
                「いや懼留孫は、ほんとうに物ごとのわかった偉い仙人だ。その弟子を逃がしたことを、腹の中では悦ぶに違いない」
                “不,惧留孙通情达理,是一个了不起的仙人。我把他的弟子给放跑了,他要是知道以后,说不定他心里面还会很高兴。”
                「どうして?」
                “为什么?”
                「封神榜に土行孫の名が載っているんだよ。洞府においておけば、いずれ殺される」
                “土行孙的名字可是记在了封神榜上面。如果把他放在洞府里面养着,早晚会被惧留孙给害死。”
                「じゃ、人助けというわけですか?」
                “那么,我们就是在救人了?”
                「そんなシャレたことではないが、しかし、助かるかどうかは、まだわからない」
                “虽然救人已经不是时髦的事情了,但我还是顺便做了件好事,而且土行孙能否得救,还是一个未知数。”


                IP属地:安徽来自Android客户端63楼2020-01-11 09:01
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                  夾竜山飛雲洞の宝物庫には懼留孫が千五百年をかけて作り上げた綑仙繩が十本納められていた。懼留孫が西岐城下に下山したときに二本を持ち出し、土行孫が一本手にしているから七本残っている。土行孫はそれを師父と「半分分け」にしようと四本を背負い籠に詰めた。さらに藥丹の入った葫蘆も詰めこむ。洞府を片付け、洞門で一礼して三山関に向かった。
                  在夹龙山飞云洞的宝物库里,惧留孙放了十根历时一千五百年时间才炼成的捆仙绳。惧留孙在下山去西岐城下破十绝阵时拿出两根绳子,而土行孙手里也拿着一根绳子。因此宝物库中还剩下七根捆仙绳。土行孙打算和师父将这十条捆仙绳“对半平分”,于是他将四根绳子塞进了笼子里,再加上装了丹药的葫芦,一起背在背上。将洞府收拾完毕后,土行孙在洞门口行了一礼,向三山关出发了。
                  三山関は朝歌の南ほぼ千里の地点で、夾竜山からは約三千里の距離である。土遁を借りればわけはなかった。しかし誰かと行き逢ってはまずい。誰よりも、玉虚宫の使者として天空を翔けめぐる白鶴童子に見つかる恐れがある。この際は安全第一と、土行孫は身体をひねって地下に潜った。地行術では日に千里を往くから、ちょうど三日の行程である。
                  三山关这地方在朝歌之南,离朝歌有近千里远,而它与夹龙山的距离就更远了,可达三千多里。正常来说,土行孙不借土遁去那里是毫无道理的,但他此行要是和谁遇到了就不妙了。毕竟作为玉虚宫的使者,白鹤童子经常在天空中飞翔,而目前土行孙比任何人都害怕被白鹤童子发现。此时此刻,还是安全第一,因此土行孙便扭着身体潜入了地下。以他目前的道行,运使地行术可日行千里,正好是三天的行程。
                  三山関は、ずっと長いこと南伯侯鄂順に包囲されて苦戦していた。しかし、ごく最近、総兵鄧九公の娘鄧婵玉が修行から帰ってきたのを機に、南伯侯軍を破り、形勢は逆転して、士気は高揚している。
                  三山关一直被南伯侯鄂顺包围,关内军民早就陷入了苦战。但是,最近总兵邓九公的女儿邓婵玉趁着修行归来之时,大破了南伯侯的军队,进而胜负形势逆转,关内军民的士气又高涨了起来。
                  だから土行孫が馳せ参じても、鄧九公は别に悦びもしなかった。それより、土行孫の容貌、風采に鄧九公はうんざりしている。しかし雲中子の紹介だというから、あえて運粮官(粮秣運搬係)に取り立てた。
                  因此即使土行孙匆忙赶来三山关,邓九公也并没有特别高兴。比起这个,土行孙的容貌和风采更是让邓九公一见就感到厌烦。可据说土行孙是云中子介绍过来的,邓九公没办法,只得将其暂时提拔为运粮官(粮草运输员)。
                  運粮官では、申公豹に言いつけられたような「立派な働き」をしようにも場がない。それに、狙う「乗物」の姿を拝む機会すらなかった。土行孫は出足で釘を踏んだような思いである。
                  对土行孙这个运粮官来说,即使想做出像申公豹所说的“出色的工作”也毫无任何办法。而且土行孙也没有任何机会看到他想要的“乘物”的身影。土行孙思绪万千,感到自己此时就像一个刚出门便一脚踩到了钉子的傻瓜一样。
                  三山関の将兵は、寄るとさわると総兵令嬢の噂で持ちきりであった。その美貌に对する感嘆と、武勇に捧げる賞讚が渦卷いている。なるほど——だから申公豹はそれを指して三界一の花嫁と言ったのか——と土行孫は人知れずほくそえむ。将兵たちの噂に耳を傾ける土行孫の胸は、そのたびに高鳴り、そして甘酸っぱくうずいた。
                  没过几天,由于总兵令千金归来破敌的传闻,三山关的将士们,只要互相靠近在一起,就立马会吵起来。他们四处感叹邓婵玉的美貌,更广泛宣扬她勇猛奉献的爱国精神。两种声音交织在一起,直将军营弄得是沸沸扬扬。原来如此——怪不得申公豹说她是三界第一的新娘啊!——土行孙暗自微笑道。每当他听到将士们谈论邓婵玉的流言蜚语之时,土行孙便十分激动,胸口还起伏不已。更有甚者,他还会一边回忆那甜蜜的传闻,一边销魂地呻吟着。


                  IP属地:安徽来自Android客户端64楼2020-01-11 09:02
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                    しかし、やっかいなことが一つ持ちあがる。はげしい地行術の習練で土に磨かれて、いやでも逞ましく鍛えあげられた「宝貝」が、日暮れとともに勝手な蠢動を始めたのだ。しかも百年の間抑圧されていたから、その蠢動はことのほかに奔放である。土行孫はその扱いに困り果てた。
                    但土行孙现在有一件麻烦事。在地行术的激烈习练中,他的“宝贝”不断被泥土磨练。如今他即使再不喜欢,这件“宝贝”也变得十分强壮了。每当日暮降临之时,他的宝贝就开始随意蠢动(蠕蠕而动)起来。而且这种蠢动一直被土行孙压抑了百年,如今除了让它奔放(尽情流露,不受拘束)以外,土行孙是束手无策的。
                    罪の一端は、やはり申公豹が作ったようなものである。もともと土行孫は、比較对照の相手がないまま、自分の「宝貝」の出来具合に関心を向けたことはなかった。それを「異常に発達した見事な“宝貝”だ」と指摘されて開眼したのである。開眼させられると、意識して、妙な気分になった。夜になると思い出しては誇らしげに眺めまわしたり、撫でまわしてみたりする。それがさらに妙な蠢動を助長した。
                    这罪孽的一端,似乎还真是申公豹的杰作。本来土行孙无法和别人互相对比“宝贝”的大小长短,更从未关注过自家“宝贝”的发育情况。然而申公豹直接指出,土行孙拥有“异常发达的漂亮的‘宝贝’”,让土行孙开了眼界。如今土行孙一睁开眼睛,就意识到自己的“宝贝”十分漂亮。他的想法,自然也慢慢变得奇怪起来。每当夜晚之时,土行孙一想起来,就会洋洋得意地四处眺望,同时还在“宝贝”四周不断抚摸着。
                    その蠢動は当然に安眠を妨げる。眠れない夜がつづいた。それで、枕元の鞭で蠢動を止めさせようと、思いきり折檻したことがある。しかし、カチンと鞭をはじき返して、萎れるどころか逆にいきり立った。
                    这种蠢动当然会妨碍睡眠。如今土行孙已经有好几晚持续失眠了。为了阻止“宝贝”的蠢动,他决定放开胆子,用枕边的鞭子将“宝贝”狠狠地打一顿。可当他挥下鞭子之时,喀擦一声响,“宝贝”不但没有萎下来,反而气势汹汹地站了起来,还将鞭子给弹了回去。
                    実際には、土行孫の焦立ちの原因は别なところにある。噂はたっぷり聴かされたが、土行孫はまだ申公豹が彼のために「予约」した「乗物」の姿を、チラリ垣間見る機会にすら恵まれていなかった。いくども、帥府の奥にある彼女の寝室に地下から潜入して、その姿を拝みがてら、せめて匂いでも嗅いでこよう、と思ったことがある。しかし「焦ってどんぶりを壞すなよ」と申公豹に注意されていたのを思い出して、じっと我慢した。
                    实际上,土行孙焦躁的原因还有别的地方。尽管听到了许多流言蜚语,但土行孙还是没有亲眼见到申公豹为他所指的“乘物”的身影,连在一瞬间看一眼的机会都没有。曾几何时,土行孙也想过,从地下潜入至帅府深处,直至邓婵玉的卧室。这样的话,在看一看她的身姿的同时,至少也能闻一闻她的香味吧?但是,“不要由于心急而把大碗给摔碎了!”土行孙一想起申公豹的提醒,还是把这个念头给忍耐了下来。
                    悶々のうちにひと月がすぎる。ある日突然に朝歌から白旄、黄鉞をたずさえた勅使が三山関に到着した。白旄、黄鉞は言わずと知れた朝命による遠征軍の標識である。三山関の総兵に西岐征討の勅命が下されたのだ。
                    就这样,土行孙闷闷不乐地过了一个月。突然有一天,携带着白旄、黄钺的敕使从朝歌出发,来到了三山关。不言而喻,白旄、黄钺是朝歌任命的远征军的标志。很快敕使就向三山关总兵下达了征伐西岐的敕令。
                    太師聞仲が戦死し、その遠征軍が全滅したとは信じがたいことである。その聞太師すらが失敗した西岐の征討を命ぜられて、鄧九公の心は重かった。しかし土行孫は「立派な働き」つまり武勲を立てるチャンスの到来と、小躍りする。
                    太师闻仲战死!远征军全军覆没!这消息令人难以置信。目前,奉命去征伐西岐的将领,包括闻太师都已经完全失败了。这让邓九公的心情无比沉重。然而土行孙却知道,他终于能完成“出色的工作”了。也就是说,他建立武功的机会已经到来了。为此,土行孙不由得雀跃不已。


                    IP属地:安徽来自Android客户端65楼2020-01-11 09:03
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                      間もなく新任の三山関総兵張山が兵を率いて着任した。鄧九公は張山に関門と帥府のカギを渡し、引き継ぎをすませて、遠征軍の編制に取りかかる。旧三山関の守備軍十万が、そのまま遠征軍に衣替えされた。
                      不久后,新任三山关总兵张山率兵上任。邓九公将关口大门以及帅府的钥匙交给了张山。二人交接完毕后,邓九公开始着手编制远征军。就这样,旧三山关的十万守备军,光荣地换上了远征军的衣服
                      まず、先行官太鸞、副先行官鄧秀(鄧九公の実子)が前軍を指揮して出発する。鄧九公と娘の鄧婵玉の率いる中軍が続く。その後に趙昇、孫焰紅の両将が指揮する後軍がしたがった。「五軍督粮使」に任じられた土行孫が後尾につく。またもや(それも予備軍の)粮秣輸送係である。
                      首先,先行官太鸾、副先行官邓秀(邓九公的亲生子)指挥前军出发,其后邓九公和他的女儿邓婵玉率领中军开拔。接下来,赵升和孙焰红也指挥后军跟上了,而土行孙则是被任命为“五军督粮使”,也就还是粮草运输员(那也是预备军)跟在了最后。
                      遠征軍は急いで三山関を離れた。しかし、ゆっくりとひと月余りをかけて西岐城に到着する。そして、西岐城下の東門に野営を築いた。
                      远征军匆忙离开了三山关,可他们也花了一个多月才到达西岐城。很快,邓九公便在西岐城下的东门处安营扎寨了。


                      IP属地:安徽来自Android客户端66楼2020-01-11 09:03
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                        第四五回 燃燈道人が十絕陣破りを議す
                        第四五回 燃灯议破十绝阵
                        中空から落下した「太極図」を拾い上げて、姚天君は笑いが止まらなかった。鬼が鉄棒を拾ったようなものである。
                        姚天君笑个不停,仿佛似猛鬼拾得铁棒一般,捡起了从空中落下的“太极图”。
                        「これが仙界随一の至宝か!」と、しきりに撫でまわす。まずは仕掛けを拝見しようと、広げかけた。
                        “这就是仙界第一的至宝啊!”姚天君不停抚摸着太极图,赞叹道。此时的他,只想先见识一下太极图内的机关,便迫不及待地想将这件宝贝展开。
                        「開けるんじゃない!」と突然中空から声がかかる。見上げると、赤精子と入れ違いに白い虎がそこにいた。
                        “千万别打开!”一道厉喝声突然从空中传来。姚天君抬头一看,一头白虎与赤精子擦肩而过,出现在他的面前。
                        「黙ってそれをオレに渡してくれないか」と申公豹が手を差し出す。
                        “(黑点虎),你别说话!话说姚天君,你能把那个宝贝交给我吗?”申公豹直接向姚天君伸出了手。
                        「なぜ?」と姚天君は反射的に太極図を引っこめた。
                        “为什么?”姚天君反射性地将太极图收回去了。
                        「太上老君の宝貝だぞ」
                        “这是太上老君的宝贝。”
                        「知ってるさ。だから、どうした?」
                        “我知道。所以,你想干什么?”
                        「すでに言ったが、太上老君を敵にまわすでない」
                        “我之前已经说过了,你们不要以太上老君为敌。”
                        「拾ったのだ。盗ったんじゃない」
                        “太极图是我捡到的,又不是偷到的。”
                        「同じことだ。かえしなさい」
                        “一码事来的!快把它还给我!”
                        「よけいな干涉は、ほどほどにしないか」
                        “申公豹,你别要多管闲事!还请适可而止!”
                        「ものわかりのわるいご仁だ。皆殺しになってもよいのか」
                        “你真是个不懂事的人!说实话,就算你们全都被阐教的人杀光,也跟我没关系!”
                        「いや、そうなっては困るからこそ、かえさない」
                        “不对!我正是因为为难于此事,才不打算将太极图还给你的。”
                        「相手を一体どなたと心得ているのじゃ。その気になられたら、お前さん一人じゃない、一聖九君が束になっても、ひと捻りだぞ」
                        “你真的知道他们的来历吗?如果你知道的话,别说你一个人,就算你们一圣九君一起上,也得费一番功夫才有可能搞定啊!”
                        「そのときには、この宝貝を使うさ」
                        “到那时,我只要用这个宝贝就行了。”
                        「そうはいくまい。まずそれを使うときの口訣(呪文)を知らないじゃろ」
                        “那可不行!你要先知道使用太极图的口诀(咒文)啊!”
                        「なに心配はいらん。赤精子を捕えてドロを吐かせるさ」
                        “何必担心?待我将赤精子捉住,便让他把肚子里的泥巴也都吐出来!”
                        「なにもわかっちゃいないんだね。お前さんたちの教主さますら、二目も三目もおいているお方じゃぞ」
                        “你怎么什么都不懂呢?别说太上老君了,你这样做,可还有把元始天尊和通天教主放在眼里?”
                        「それはそうだ。こんな秘宝を持っておれば、誰だって一目や二目はおかざるをえまい」
                        “你说得没错。不过,要是能拥有太极图这样的秘宝,无论是谁都会先把太上老君和元始天尊的想法抛诸脑后吧?”
                        「まったく話にもならん!」と申公豹は憤然として落魂陣を出た。その足で轅門を入り、そして、秦天君とその仲間たちの説得にかかる。しかし依然として埒はあかなかった。要するに——転がりこんだ宝である。むざむざ手放すバカはいない——というわけである。
                        “你……简直不像话!”申公豹愤然走出了落魂阵。他步入辕门,准备去说服秦天君和他的同伴们,但最终还是没有什么进展。总而言之——没有哪个傻瓜愿意轻易将这半空中掉下来的宝贝还给他——就是这样。
                        「転がりこんだのではないのだぞ。世の中に书獃子(学者バカ)というのがいるが、お前さんたちは仙獃子(仙人バカ)だ。考えてもみよ。姜子牙のそばに、あの哪吒がいる。彼は太乙真人の弟子だが、もともと人間ではなくて、つまり蓮花化身の霊珠だから、魂魄を持たない。抜き取られる魂魄を持たないから、彼なら平気で落魂陣に入ることができる。だのに、草人を奪うことを彼にまかせず、なぜ、赤精子が自ら手を出さねばならなかったか?そのわけを考えてみろ」と申公豹は言った。
                        “太极图不是凭空从天上掉下来的!要是世界上有书呆子(笨蛋学者)这种说法的话,你们这些家伙就是仙呆子(笨蛋仙人)!想想看吧!姜子牙的身旁可是有哪吒这样的杀神!哪吒是太乙真人的弟子,原本就不是人类,而是莲花化身的灵珠,没有魂魄。由于没有可以被拔取的魂魄,要是他出手,可是能毫不在乎地进入落魂阵的!但是为什么元始天尊不让哪吒去夺取草人,而是派赤精子亲自出手呢?他有必须出手的理由吗?请你们认真考虑下那个理由好吗?”申公豹道。


                        IP属地:安徽来自Android客户端72楼2020-02-19 22:01
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                          「うむ、なるほど、それはおかしい」と秦天君がうなずく。
                          “嗯!原来如此啊!的确很奇怪!”秦天君点头道。
                          申公豹が続けた。
                          申公豹接连解释道。
                          「それにあのときは慌てたからとはいえ、赤精子はそれほどまでに、そそっかしくはない。いや、それより彼が一度は草人を奪うことに失敗した、ということすら芝居くさいのだ。あれは玉虚宫の十二大弟子の中でも傑出した仙人だ。わざわざ太極図を借り出さずとも、他に手段はあったに違いない。それを彼は、いきなり玄都へ借りにいった。しかも、それは彼の一存によったのではない」
                          “而且,尽管那时赤精子有点慌,但他事实上并不是那么粗心大意的人。不!比起太极图的丢失,赤精子曾在落魂阵中一度夺走过草人,但最后还是‘失败’了。你们不觉得他是在演戏吗?赤精子是玉虚宫十二大弟子中的杰出仙人啊!即使他不特意从玄都借出太极图,也一定还有其他手段。可他还是突然去玄都借了那件宝贝,而且我认为,那并不是他自己的主意。”
                          「なるほど、からくりがあるかも知れないね」と、秦天君が再び合槌を打つ。
                          “原来如此!也许这其中有什么机关吧?”秦天君再度点头道。
                          「その通りだ。悪いことはいわん。老君のものは老君にかえせ。お前さんたち自身のために、だ」
                          “就是那样!先不说会有什么坏事发生,老君的东西还是应该先还给他,哪怕是为了你们自己也好啊!”
                          「うむ」と秦天君は一同を見まわした。が、九人とも申し合わせたかのように、首を横にふる。
                          “嗯!”秦天君环视着大家,可其余九人就像商量好似的,一同摇起头来。
                          「せっかくだが、とうてい希望にはそえられない」と姚天君が言った。
                          “我好不容易才得到太极图,却是无论如何也满足不了你的愿望了。”姚天君道。
                          「もうなにも言うまい。だが、いみじくも老君が教えた——人々は生路を步もうと願いながら、知らずに死路を走っている——と。お前さんたちは、まさしくそのお言葉を証明しようとしている。まあ、しかし一応はオレにも責任があるから、最後に一言いっておく。お前さんたちは生きて金鰲島には帰れない。つまり、間違いなくここで死ぬ。死期に及んで恨むなよ」と申公豹は立ち去って、空のかなたに消えた。
                          “我也不多说什么了!但是老君有一句话要我转达给你们——世人都祈祷自己能找到一条生路,但他们往往在不知不觉中走上了死路——你们这些家伙,很快就要亲身体会到这句话的!不过,你们能落得如此下场,我也是要负点责任的!最后再说一句,你们无法活着回到金鳌岛,也就是说,你们肯定会死在这里!万一你们死到临头了,可不要恨我!”申公豹说完便驾虎离去,刹那间便消失在天边了。
                          申公豹が西岐城下を離れるとまもなく、二仙山麻姑洞の黄竜真人が西岐城に姿を現わす。
                          申公豹离开西岐城下不久后,二仙山麻姑洞的黄龙真人也在西岐城出现了。
                          「玉虚宫の符命により下山した」と黄竜真人は来意を告げた。それと聞いて、スネに傷のあった赤精子が色をなす。
                          “我也奉玉虚宫的符命下山了。”黄龙真人将来意告知给大家。听到黄龙真人的声音后,小腿上有伤的赤精子也变得神情严肃了起来。
                          「貧道に、なにか沙汰でもあったのか?」
                          “贫道无能,是要向我传达什么消息吗?莫不是要将我逐出道门?”
                          「いや、别にない。それよりわれらが殺戒を破るときが、いよいよ来た。まもなく三山五岳の道友が、やはり符命を受けて集まってくる。城の中では、なにかと具合がわるい。東門の外に”蘆蓬蓆殿(茅葺きの斎亭)” を築いて道友たちを迎えよ、との符命を伝えるためにまかり越した」と黄竜真人が言う。姜子牙はさっそく南宫适と武吉に、広大な蘆蓬の造築を命じた。楊戩が幽界の鬼工(職人、つまり千二百人の草頭神です)を動員して手伝わせる。
                          “不!你没什么大不了的事!比起那个,我们破杀戒的时刻终于要来了!不久后,三山五岳的道友们,都会奉玉虚宫的符命而在这里相聚!可若是我们在城中相见,总觉得心里面会有些不舒服。因此,你们应该在东门外筑起芦蓬席殿(用茅草修葺的斋亭)来迎接道友们。说实话,我正是为了传达这道符命而提前过来的,实在不好意思啊!”黄龙真人道。姜子牙立刻命令南宫适和武吉率兵士去建造广大的芦蓬,而杨戬也动员了幽界的鬼工(工匠,也即一千二百位草头神)给予必要的帮助。
                          蘆蓬はまもなく完工した。姜子牙は城内の采配を黄飛虎にまかせる。そして赤精子、黄竜真人と蘆蓬に移った。金吒、木吒、哪吒、黄天化、雷震子、韓毒竜、薛悪虎は階下の詰所に入る。楊戩が連絡係を務めた。
                          没过一会儿,芦蓬就已经完工了。姜子牙将城内的指挥权交给黄飞虎,让他自行处理军务,然后他便与赤精子和黄龙真人转移至芦蓬之中。金吒、木吒、哪吒、黄天化、雷震子、韩毒龙以及薛恶虎也都进到楼下的值班室执勤去了。至于杨戬,则成为了负责沟通芦蓬与西岐城的联络员。


                          IP属地:安徽来自Android客户端73楼2020-02-19 22:02
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                            待つ間もなく、玉虚宫門下の仙人たちが踵を接して姿を現わす。ついに崑崙十二大仙が蘆蓬に揃った。
                            没等多久,玉虚宫门下的仙人们就接踵而至。终于,昆仑十二大仙们在芦蓬内聚齐了。
                            九仙山-桃源洞——広成子
                            太華山-雲霄洞——赤精子
                            二仙山-麻姑洞——黄竜真人
                            乾元山-金光洞——太乙真人
                            玉泉山-金霞洞——玉鼎真人
                            崆峒山-元陽洞——霊宝大法師
                            金庭山-玉屋洞——道行天尊
                            青峯山-紫陽洞——清虚道德真君
                            夾竜山-飛雲洞——懼留孫(のちに釈門に入り、成仏する/后来入释门成佛)
                            五竜山-雲霓洞——文殊広法天尊(同じく文殊菩薩となる/同样的,成为了文殊菩萨)
                            普陀山-落伽洞——慈航道人(同樣に、観世音大士となる/同样的,成为了观世音大士)
                            九功山-白鶴洞——普賢真人(やはり後に普賢菩薩となる/后来还是成为了普贤菩萨)
                            ひと足おくれて、十二大弟子とは别格の仙首——靈鷲山、元覚洞の燃燈道人が姿を現わす。
                            稍晚一步,一位与玉虚宫寻常的十二大弟子不同的仙首——灵鹫山元觉洞的燃灯道人也现身了。
                            「これから子牙に代わって十絕陣を破らなければならない。同時に、われら十三人がいよいよ殺戒を破って殺劫を脱却するときが来た。しかしそのために、われわれが災難をこうむることは避けられない。われらの他、さらに八人の道友が犧牲になる。心痛の至りだが天数は免れがたい。明朝、日の出とともにまず天絕陣を破る。子牙は、その旨を相手に通報するがよい」と燃燈道人が言った。姜子牙の命を受けて哪吒が通報の使者に立つ。十二大仙はただちに十絕陣破りの協議をはじめた。
                            “从现在起,我等不得不代子牙去破那十绝阵了。与其同时,我等一十三人打破杀戒脱却杀劫的时机也终于到来了。但为了脱却杀劫,我等也不可避免地会遭受到一些灾难。除了我等一十三人之外,还有八位道友将要牺牲在这十绝阵中。真令人极为痛心啊!然而天数难免!明天,我等就要在日出之时先把天绝阵破掉。子牙,你还是将我等的意思先通知给对方为好。”燃灯道人道。接到姜子牙的命令,哪吒成为了通报使者。十二大仙则立刻开始商量如何破解十绝阵。
                            そして夜が明ける。十二大仙は蘆蓬の前に勢揃いした。弟子たちがその背後に並ぶ。東天が白ばんで太陽が昇る。敵側に通報した時刻が迫っていた。しかし燃燈道人は、なぜか空を仰いで出発を命じない。
                            天又亮了,十二大仙聚集在芦蓬前,弟子们则是并排站在他们身后。太阳升起,东方的天空也逐渐变白。向敌方通报的时间也已经迫在眉睫了!可是不知为何,燃灯道人却仍在仰望天空,而没有命令大家出发去破阵。
                            来るはずの「犠牲者第一号」が、まだ現われないからであった。いけにえ第一号に指名されたのは、やはり玉虚宫門下の道士鄧華である。彼は時間どおりに麒麟崖を離れた。しかし、途中で申公豹に邪魔されて、手間どっていたのである。
                            原来,本应到来的“牺牲者第一号”,此时还没有出现。被指名为第一号的,还是玉虚宫门下的道士邓华。其实他早已按时离开了麒麟崖,可路上却被申公豹打扰,耽误了他的许多功夫。
                            「おい鄧華、どこへ急ぐのじゃ」
                            “喂!邓华!你这么急,要往哪里去啊?”
                            「はい、師命により天絕陣を破りに行きます」
                            “是啊!我奉师命,要去破解天绝阵。”
                            「天絕陣を破る、だと?そんなことがキミに出来るわけはなかろう。キミは崑崙山の冗員整理の第一号として、首を斬られに派遣されたのだ。気の毒だが、たしかにキミには仙骨がない。しかし首尾よく仙人になれないからとて、死ね、とは酷すぎる。鄧華よ、不当な命令に従うことはない。わざわざ自分から死地に赴くことはないのだ。道士を廃業して下界で暮らす途がある。巷におりて静かに天寿を全うするがよい」と申公豹は説き聞かせた。それで、心が動摇して躊躇した時間だけ、鄧華は遅れたのである。
                            “破天绝阵?你确定?!那种事情你不可能做得到吧!要我看,你是昆仑山清理出来的第一号冗员,被派来送人头的!虽然你很可怜,但你看起来确实没有仙骨。可即使你不能顺利地成为仙人,也不能直接去送人头啊!这也太过分了吧?!邓华,你不要服从不正当的命令。你没有必要特意赴死地去赶着送人头。别再做道士了,去下界生活,也算一条生路啊!在街头巷尾里静静地享尽天年,不好吗?”申公豹这样劝说道。也正因此,邓华内心动摇,反复踌躇,故而远远落后于众人。


                            IP属地:安徽来自Android客户端74楼2020-02-19 22:03
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                              しかし遅刻しながらも、やはり鄧華は蘆蓬に馳せつけた。ほっとして燃燈道人は、一行に鄧華を加え、梅花まだらの仙鹿にまたがって天絕陣の前に進む。それを聞仲と黄花山の四天王は、離れて見物していた。
                              不过尽管邓华迟到了,他还是一到西岐城下便向芦蓬赶去,加入了燃灯道人的队伍中。燃灯道人心里暗松一口气,跨上了满是梅花斑纹的仙鹿,率领众人向天绝阵前进,而听到这个消息的闻仲和黄花山四天王,却早已跑得远远的来看这场热闹了。
                              天絕陣の入口に立てられた二本の黄旙が風に摇れている。その下に秦天君が立っていた。
                              两根黄幡竖立在天绝阵的入口处,迎风摇曳着。而在黄旙之下,秦天君也早已站在那里等着对手的到来。
                              「誰でもよいぞ、先に死にたい者から入ってこい」と挑発する。
                              “你们谁都可以上!谁想先死的话,就先上来挑战我!”秦天君挑衅道。
                              「口を慎しめ。玉虚宫門下の鄧華だ。師命によって、その陣を破る。」と鄧華が名乗り出た。
                              “少说废话!玉虚宫门下的邓华,奉师命前来破阵!”邓华自报家门,走了出来。
                              「鄧華?名を聞いたこともないぞ。ムダ死にはよせ!誰でもよいと言ったが、お前のような無名の小卒を含めるとは言わなかった。誰かと替われ」と秦天君は相手にしない。
                              “邓华?没听说过你的名字!别来白白送死!虽然我说了谁都可以上,但像你这样的无名小卒并不包括在我说的那个‘谁’字里面!难不成你是替某个人前来送死的?”秦天君毫不理会道。
                              「なにを吐かすか」と鄧華が戟を構えて突進した。秦天君は、さっと身を開いて路をあける。勢いあまって、鄧華はそのまま陣内に突入した。陣内に入った鄧華は、ワケもなく、くるりと陣内を一周する。たちまち前後左右の感覚を失なって昏倒した。
                              “你胡说什么?”邓华架起长戟冲了过去。秦天君突然错开身子,让出一条道路。由于势头过猛,邓华径直冲入了阵内。进入天绝阵的邓华,毫不在乎地在阵内绕了一圈。突然,邓华失去了前后左右的感觉,昏倒在阵内。
                              ——天絕陣は一見単純至極で、目につく仕掛けは何もない。中央奥に土壇がある。そこに手前から順に、天、地、人の三才を象った三本の黄色い紙旙が立っていた。ただそれだけである。しかし陣内の空気は抜き取られて、その代わりに「先天の清気」が漂っている。もとより空気と清気を入れ換える過程で、空間の秩序は混沌の玄機で組み換えられていた。つまり無有、静動の契機が逆転している。それゆえ、その虚無の空間には、前後左右の别が混乱していた。いわば小宇宙のブラック•ホールである。だから陣内に闖入した者が動けば、まず手前の「天」を象った紙旙が感応して動き、闖入者は、たちまちにして存在感覚を失なう。もし、それに耐えてさらに動きまわれば、次に「地」を象った紙旙が感応して動き出す。とたんに闖入者の五体は分解してバラバラになる。それを免れうるのは「道行」の深い上仙だけだ。それを免れた上仙に对しては「人」を象った紙旙を振るほかない。それを振ればにわかに雷鳴がとどろいて、仙人といえども、たちまちにして灰燼と化す——
                              ——天绝阵乍一看单纯至极,没有什么显眼的机关。在天绝阵的中央深处,有一座土坛。三根象征着天、地、人三才的黄色纸旙依次立在土坛之前。惟有如此,才能使阵内的空气被不断地抽出,而取而代之的,却是漂浮在阵内的“先天清气”。在空气与清气的置换过程中,原本的空间秩序被混沌玄机重组。也就是说,“无”与“有”、“静”与“动”的契机正在逆转。因此,在天绝阵这个虚无的空间中,前后左右之别早已混乱不堪。换言之,天绝阵就是一个小宇宙中的黑洞。因此,如果闯入阵内的人有所行动的话,其眼前象征着“天”的纸旙便会有所感应,进而让闯入者在一瞬间失去“存在”的感觉。如果闯入者能忍受住这种感觉,继续在阵内转的话,接下来象征着“地”的纸旙也会产生感应。闯入者便会突然五体(筋脉肉皮骨)分解,变得七零八落。只有“道行”深厚的上仙才能避免这一点。而对于幸免于阵法机关的上仙,主阵者便只好挥动象征着“人”的纸旙。一旦那个纸旙被挥动,隆隆的雷鸣便会顿时袭来。到那时,即便是仙人,也会立马化为灰烬——
                              さて秦天君は、死した鄧華の頭を持ち上げて、その首級を挙げた。そして「人」旙を振って、首のない鄧華の遺体を灰と化す。一道の魂魄が封神台に飛び去った。
                              秦天君提起早已死去的邓华的头颅,并将其首级高高举起。然后他挥动“人”旙,将邓华的无头遗体化为了灰烬。一道魂魄向封神台飞去。
                              再び陣门に現われた秦天君は、鄧華の首級を投げて、燃燈道人の前に転がす。
                              再次出现在阵门的秦天君,将邓华的首级投了出去。首级飞快地滚到了燃灯道人面前。
                              「おい燃燈、こんどはちゃんとした、殺し甲斐のある者を指名しろ!」と秦天君が言った。
                              “喂!燃灯!这回你可得好好地点个名!我想杀的人必须有价值才行!”秦天君道。


                              IP属地:安徽来自Android客户端75楼2020-02-19 22:04
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