「すぐ動くのは無茶だ。后遗症が出る。しばらく休まれたがよい」と姚天君が言った。
“你别动不动就乱来。现在后遗症已经出现了,你最好还是歇会儿吧。”姚天君道。
「そうしてもおられないのじや」と赵公明はなにやら思いつめている。かまわずに辕门を離れると三仙岛に飛んだ。
“要我向燃灯投降?我办不到!”赵公明思索着什么,不顾一切地离开了辕门,很快便飞到了三仙岛。
三仙岛の「三仙姑(女仙人)」といえば、云霄娘々、碧霄娘々、琼霄娘々のことだが、この三姉妹は赵公明の実妹である。仙女といえば下界では、文句なしに美女を連想するが、実際には、仙界に美女の数はすくない。しかし三姉妹は、そのきわめて特殊な例外であった。それより道行がいたって深い。
要说三仙岛的“三仙姑(女仙人)”,分别为云霄娘娘、碧霄娘娘、琼霄娘娘三姐妹。她们是赵公明的亲妹妹。提到仙女,在下界,人们总会一下子就联想到美女,但实际上仙界中美女的数量并不多。然而云霄三姐妹是极为特殊的例外。她们的道行,比起普通仙女来要深得多。
だから仙界もけっこう広いが、三仙岛の三仙姑といえば谁知らぬ者もなかった。わけても姉の云霄娘々は见识が高いことで、阐教の仙人たちからも一目おかれている。ことに燃灯道人とは懇意であった。
因此仙界虽然相当广阔,但提起三仙岛的三仙姑,有谁不知道呢。尤其是大姐云霄娘娘的见识极高,连阐教仙人也不得不高看一眼。特别要说的是,燃灯道人和云霄娘娘的关系很好。
三仙岛に到着した赵公明は、洞府の前でその黑い虎から下りる。案内を乞う代わりに、大きく咳払いをした。それを聞きつけて洞童が现われる。しかし赵公明は咳払いしたはずみに真っ黑い血の塊を吐き出して、うずくまってしまった。おどろいた洞童が洞府にかけこみ、三仙姑がそろって洞门に迎え出る。気配を感じて赵公明は立ちあがった。
到了三仙岛的赵公明,在洞府前从黑虎上面下来。他咳嗽一声,以代为通知。不一会儿,一个洞童出现了。可赵公明在咳嗽的瞬间吐出了黑血块,还蹲了下去。洞童大吃一惊,冲入洞府。三仙姑听闻此事,一起赶至洞口迎接赵公明。
「どうなされたのですか、兄上」と末妹の琼霄娘々が兄の背筋をさする。云霄と碧霄の两娘々が、左右から赵公明を支えて、洞府に連れこんだ。
“兄长,您这是怎么了?”小妹琼霄娘娘指着他哥哥的背脊。云霄和碧霄两位娘娘,一左一右扶起了赵公明,将他带进了洞府。
「乾坤尺で擊たれたのですね。どうして?」と云霄娘々が聞く。一瞥して外伤のないことから、乾坤尺と見当をつけたのである。
“被乾坤尺击中了。为什么会这样?”云霄娘娘问道。她一眼看过去,赵公明背脊上仿佛没有外伤,因此估计是乾坤尺导致的。
「早く药丹を」と赵公明が頼む。
“快点把丹药给我。”赵公明拜托道。
「ムダです。乾坤尺で受けた内伤は、药丹では癒りません。すぐに符水を用意します」と云霄娘々は素早く「朅伤符」を、茶碗の水に烧き落として符水を作り、それを赵公明に饮ませた。符水を饮みこんで一息ついた赵公明が不意に立ち上がる。
“用丹药治疗被乾坤尺打出的内伤,浪费啊!我马上给你准备符水。”云霄娘娘迅速将“朅伤符”烧落在茶碗的水中,制成了符水,并让赵公明喝下。喝完符水后,赵公明歇了一口气,突然站了起来。
「効果が顕われたのです」と云霄が笑う。赵公明は左手で口を押さえ、右手で腹を抱えて、庭の「はばかり」に走った。上架(横膈膜から上)の欝血を口から吐き、同时に、下架の毒血をきれいさっぱりと下す。
“效果很明显嘛。”云霄笑道。赵公明左手捂着嘴,右手捧着肚子,跑到院子里的厕所。他将上架(横膈膜以上)的淤血从口中吐出。同时也将下架的毒血给排泄干净。
しばらくして赵公明が别人のように、晴れ晴れとした表情で洞府に戻ってくる。
不久后,赵公明如云霄以往治疗的其他人一样,带着一副开朗的表情回到了洞府。
「頼みがあるんだが」といきなり言った。
“云霄,我有个请求。”赵公明突然言道。
「それより兄上、なぜ燃灯道人と争いを起こしたのですか」と云霄娘々が聞く。
“比起这个,兄长,你为什么会和燃灯道人发生争斗呢?”云霄娘娘问道。
「頼みがあると言ったのは、それと関係があるのだが……」と赵公明は經過を说明する。
“虽然我对你有事相求,但这与那个有关……”赵公明将他这段时间的经历都给云霄说了。
——朝歌の闻太师が兵を西岐に出したが、阐教の連中に邪魔立てされて動きが取れない。そこで救援を頼まれて下山した。闻仲を助けたのは「義」に基づく。同时に、あの定海珠の威力を確かめるためでもあった。それで阐教の十二大弟子を、さんざんに打ちのめしたのだから、たしかに定海珠は、やはり昆仑の至宝と言い伝えられただけのことはある。ところが土壇場で、燃灯のワナにかかり、ついに五夷山で散人の萧升、曹宝の兄弟に定海珠と、そして缚