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安能务著《封神演义》中文版

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最近有一位热心的封子为我们翻译了安能务所著的《封神演义》,不过因为他现在还在海外,没有百度账号,就委托我来把它分享出来。
相比于原著封神演义,安能务在他的日版中做了不少改动,藤崎龙老师则是根据其改编版本创作出了这部封神。
中文版现已翻译出了一部分,感兴趣的小伙伴们一定要来看看呀!


IP属地:安徽来自Android客户端1楼2019-12-29 21:58回复
    第四四回 姜子牙の魂魄が崑崙に彷徨う
    第四四回 子牙魂游昆仑山
    聞仲は黄花山の四将と吉立、余慶の両門人に護られて岐山に落ちのびた。明け方には敗残の兵士が岐山にたどりつく。その数は三万。総兵力の十分の一である。
    闻仲在黄花山四将和吉立、余庆两门人的保护下落入了岐山,而他的残兵败部也在黎明时分好不容易逃入了岐山。闻仲清点一番,见所余兵马止剩三万,不到原来总兵力的十分之一。
    聞仲が戦いに敗れたことは一度もなかった。だから、かかる惨敗は想像も及ばなかったに違いない。しかし意外にも彼は平静であった。勝敗は兵家の常、と割りきったからではない。彼の心を支えたのは、姜子牙への燃えるような遺恨と、たぎるような報復の執念である。
    说实话,此前没有人听说过闻仲有打败仗的经历,一次也没有。因此,对普通兵士们来说,闻仲的惨败是难以想象的。但没想到闻仲此时仍然很平静。尽管胜败乃兵家常事,但这样的话不是随便就能断言的。此时支撑他的心的,是对姜子牙如烈火般燃烧的遗恨和如滚雪球般的报仇执念。
    数十年来、聞仲は「おい聞仲!」と呼びすてられたことがなかった。天子の紂王すら、彼を「太師」と尊称している。それをあの姜子牙は「聞仲!」と呼びすてたばかりか、もう遠慮せんぞだの、容赦しないのだの、とぬかしやがった。
    “喂!闻仲!”——数十年来,闻仲从未被人如此叫过,就连天子纣王,也尊称他为“太师”。可那个糊涂透顶的姜子牙不但直呼“闻仲!”,而且还丝毫没有半点客气!绝不能饶恕!
    ——容赦しないのは、あの田舍軍師ではなくて、このオレさまだ——と、そのとき聞仲は心に誓ったものである。国法を破ったことや叛臣を庇ったことなどは、その気になれば赦してやれないことはない。だが、そればかりは断じて赦せなかった。その遺恨と、かならず泣きベソをかかせてやる、という報復の執念が、戦いに惨敗してなお心を平静に支えた柱である。
    ——绝不饶恕的,不是那个田舍军师,而是这样的我!——闻仲在心里发誓道。违反国法和庇护叛臣等事情,只要他愿意,还是可以饶过的。但只有惨败这一点是断不能原谅的!他的遗恨,让他有种必定会哭个不停的感觉。这种报仇的执念,让他即使在战争中惨败了,也有能平静地支撑心灵的支柱。
    「ちょっと出掛けるぞ。留守をにのむ」と聞仲は身体を休める暇もなく、鄧忠、張節、辛環、陶栄の四将と、吉立、余慶の両門下に言い残して、早朝、太陽の昇るのも待たずに、黑麒麟に乗ると岐山を離れて、一路、金鰲島に向かった。
    “我出去一下。你们在这里看家。”此时的闻仲,连半点休息的时间都没有。心急似火的他,更是连太阳再次在早上升起也等不及。于是,在对邓忠、张节、辛环、陶荣四将和吉立、余庆两门人留话后,闻仲便乘墨麒麟离开了岐山,一路直奔金鳌岛而去。
    空の上から眺めた金鰲島は、大海原に浮かぶ丹岩怪石、峭崖奇峰の霊島で、山(犭軍)、寿鹿、仙狐、麒麟の戱れる天衣無縫の仙境である。聞仲が中空から降りると、遊んでいた麒麟たちが三々五々と集まってきた。そして、大先輩の黑麒麟の首に鼻をすりつけて、親愛と歓迎の意を表わす。見渡したが人影はない。
    金鳌岛是漂浮在汪洋大海上的灵岛。闻仲从空中眺望开去,只见岛上满是丹岩怪石、峭崖奇峰,而岛上的山(犭军)、寿鹿、仙狐、麒麟更是构成了一副天衣无缝的仙境图。闻仲从半空中落下,正玩耍嬉闹中的麒麟们便立刻三五成群地聚集起来。它们纷纷把鼻子贴在大前辈墨麒麟的脖子上,表达了亲昵和欢迎。闻仲放眼望去,金鳌岛上并无人影。
    近くに島が散在している。歓迎を受けている黑麒麟を残して、搜しに行こうと聞仲は水遁を借りようとした。そこへ中空から、大きな袋を背負った菡芝仙が声をかける。
    金鳌岛的附近还散布着许多岛屿。闻仲留下了受到热烈欢迎的墨麒麟,想要借水遁去寻找一番。这时,背着个大袋子的菡芝仙恰从空中经过,便大声向闻仲打了个招呼。
    「おお聞道兄ではないか。待っていたぞ。道友たちは白鹿島へ出掛けた」と言う。言葉使いは男だが、菡芝仙は男ではない。背負った袋も、ただの袋ではなかった。「風袋」である。
    “您是闻道兄吗?道友们到白鹿岛去了,都在那里等你呢。”菡芝仙道。菡芝仙说话时虽然使用了男性的口吻,相貌形容也与男性无异,但她却是一位女仙人。她背着的大袋子也不是一个普通的口袋,名为“风袋”。
    「白鹿島でなにか?」
    “白鹿岛上有什么宝贝吗?”
    「なにか、はないだろう。貴公のために“練陣”をしているのだよ」
    “宝贝什么的,应该没有。他们正在为公‘炼阵’呢!”
    「練陣?」
    “炼阵?”
    「うむ、崑崙山の連中と勝負するために、符陣(玄妙を封じこめた陣)を練っているのさ」
    “嗯,为了同昆仑山的那帮家伙们一决胜负,他们正在琢磨怎么设计好自己的符阵(有玄妙封印的阵法)。”
    「また、なんで?」
    “又是昆仑山?!为什么?”


    IP属地:安徽来自Android客户端2楼2019-12-29 21:58
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      「おい、なにをとぼけているのじゃね。西岐で苦戦しているのじゃろ?」
      “喂!闻道友,你在装什么糊涂啊?你在西岐陷入了苦战,对吧?”
      「なぜわかった?」
      “你们怎么知道的?”
      「きのう昼ごろ、申公豹が不意に現われて教えてくれたのだよ」
      “昨日中午,申公豹突然出现,将你在西岐大败的消息告诉了我们。”
      「申公豹というと?」
      “据说申公豹……?”
      「いつも払麈(払子)を手から離さず、白い虎に乗って逍遥している妙な道士だよ。名前は知らなかったろうが、たしか黄花山で姿を見た筈だぞ」
      “就是那个拂尘(拂子)总不离手,逍遥自在地骑着白虎的怪道士。虽然我以前不知道他的名字,但我确实曾在黄花山看到过他的身影。”
      「わかった。なるほど、彼も仲間だったのか」
      “我明白了。原来如此,他和我们都是同道中人啊。”
      「いや、もちろん敵ではないが、仲間でもない。截教の者ではなくて闡教徒だ」
      “不,他当然不是敌人,但也不是我们的伙伴。他不是截教的,而是货真价实的阐教徒。”
      「というと?」
      “据说……?”
      「平和主義の“棲み分け論者” だ。千年も前に下界で帝位を拒否した男だが、仙界に支配と被支配の派閥関係があるのはよろしくない、それぞれが思い思いの生活空間を選び、平和に棲み分けて、干涉し合わないのが本当の姿だ、と主張しているんだ。それゆえ崑崙山では、異端者扱いされて毛嫌いされている」
      “他是崇尚和平主义的‘老死不相往来论者’。千年前,他曾在下界拒绝了帝位。他认为,仙界里不应该存在支配和被支配的派阀关系。仙人们的真正姿态,应该是能自行选择各自所想的生活空间,在和平中分开生活,老死不相往来,而不是相互干涉他人。这就是申公豹的主张,而昆仑山的仙人们也因此把他当成异端,十分讨厌他。”
      「それは当然だが、しかし、よく無事でおれるね?」
      “那是当然的,但是他应该一直都平安无事吧?”
      「うむ。よく知らないが、なんでも闡教の大長老、太上老君が暗に目をかけているから、闡教のボス元始天尊も彼には手荒なマネは出来ないとのことだ。それより、あの払麈に仕込まれた雷公鞭というのが崑崙山の三大秘宝の一つで、彼が開き直ってそれを使うことを、皆は恐れているのだそうな」
      “嗯,虽然不太清楚,但不管怎样,阐教的大长老太上老君也注意到了阐教内部的黑暗,因此阐教头子元始天尊对他也做不出什么粗暴的勾当。更何况,他把雷公鞭当拂尘用,而雷公鞭可是昆仑山的三大秘宝之一啊。据说,阐教的仙人们都很害怕他突然改变自己的主张,重新发挥出雷公鞭的强大威力。”
      「ああ、雷公鞭の威力の一端だが、知っているぞ」と聞仲は申公豹が「荒風の谷」の洞窟の入口を爆破して閉塞した一件を、逆に菡芝仙に語りきかせる。さらに菡芝仙がつづけた。
      “啊!我知道雷公鞭的威力,尽管只知道一点点。”闻仲反过来向菡芝仙讲述了申公豹爆破“荒风谷”,让其洞窟入口封闭的事情。菡芝仙听完后,又继续说了下去。
      「それはまあどうでもよいことだが、実は昨日その申公豹が来たときに、聞き捨てならぬことを言いおったのだよ。封神榜には、われら截教徒のほとんどが名を連らねている、と言うんだ」
      “那件事倒也无所谓。其实昨日申公豹来的时候,说了一些让我等绝对无法置若罔闻的事情。据说我们这些截教徒,大部分都在封神榜上有姓名!”
      「その封神榜とは?」
      “那个封神榜是……?”
      「截(儒)、闡(道)、人道(仏)三教の合議で、近い将来に神界が創設されることになったが、その折り、神々に封じられて神界入りする候補者の名簿のことだよ。つまり命を奪われることを予定された者のリストだ」
      “截(儒)、阐(道)、人道(佛)三教合议,在不久的将来一同创立一个神界。那个封神榜,是一份能获封神位,继而进入神界的候选人名单。换言之,这是一份已经预定好,要准备夺取性命的人的清单!”
      「ならばそれは截教徒を皆殺しにしようということではないか」
      “那不是要把我们这些截教徒全部杀光?”
      「まあ、そういうことになるね」
      “没错!事情就是这样!”
      「しかし坐して死を待つ間抜けはいないから、そうはいくまい」
      “不过,坐以待毙的傻子是不会存在的吧?因此这个封神榜应该是行不通的吧?”
      「うむ。しかし、そう簡単には殺されないぞと考えていただけでは、相手の術中に陷る、ただし不退転の決意で对決すれば、あるいは活路も開けようが、と彼は言うんだ」
      “嗯。不过只要想想就知道,只要不陷入对方的圈套,我等哪有那么简单就被昆仑山那伙人杀掉?如果我等能以坚定不移的决心和他们对决的话,或许还可以打开一条生路。申公豹是这么说的。”
      「あるいは活路——とはずいぶんなめた言い方をしおったものだね」
      “或许是一条生路——这话说得真难听!”


      IP属地:安徽来自Android客户端3楼2019-12-29 22:00
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        「同樣に皆もそう言った。しかし、一見したところ闡教と截教の力は伯仲している。だがら両者が对決しても截教がおくれを取ることはない、と考えるだろうが、それは玄都の太上老君が手を出さなければの話だ、と彼は言った」
        “大家也都这么认为。乍看之下,阐教和截教的力量不相伯仲。若是两教对决,截教也不会弱于阐教半分。可申公豹说,虽然我等可以这么想,但玄都的太上老君到时一定会亲自出手,改变这个现状。”
        「どういうつもりで言ったんじゃろ。太上老君と言えば、闡教の守り本尊ではないか」
        “你是怎么认为的?要说太上老君,可不就是阐教的守护神吗?”
        「それが認識不足だ、と彼は言うんだ。太上老君は超然的な立場を取っておられる。すくなくも今度の截教潰しの陰謀には加担していない。だから对決の姿勢を示せば、共倒れを憂いて太上老君が止めにかかる、と彼は主張した。そして、大事なことはケンカを買うことではない、実力と決意を示すことだ、と言い残して立ち去った」
        “申公豹说,我等对太上老君认识不足。太上老君在两教当中立场超然。至少他不支持这次让截教崩溃的阴谋。因此如果我等与昆仑山那伙人显示出决一死战的姿态,太上老君若是担忧两教玉石俱焚,或许会出面制止。这是申公豹的主张。而且最重要的是,我们没必要和他们真得和他们较量,而只需要在他们面前展现出自己的实力和决心即可。申公豹说完这些话后就走了。”
        「なるほどねえ」と聞仲は考えこむ。
        “原来如此。”闻仲深思道。
        「そうだろ。だから道友たちはそれぞれに秘術を尽くして符陣を練り上げようと、白鹿島へ出掛けたわけだ。樣子を見にいこうか」と菡芝仙は聞仲を白鹿島に案内する。
        “没错吧?因此道友们想尽了各种秘术来完善自己的符阵。他们都去了白鹿岛,我们去看看道友们都怎么样吧?”菡芝仙将闻仲带到了白鹿岛。
        金鰲島の「一聖九君」は、すでに白鹿島で符陣を練り上げて、聞仲の来るのを待っていた。
        金鳌岛上的“一圣九君”,正在白鹿岛上精炼各自的符阵,等候着闻仲的到来。
        間もなく、秦天君が「天絕陣」、趙天君が「地裂陣」、董天君が「風吼陣」、袁天君が「寒氷陣」、金光聖母が「金光陣」の陣図を聞仲に示す。
        不大一会儿,秦天君的“天绝阵”、赵天君的“地裂阵”、董天君的“风吼阵”、袁天君的“寒冰阵”、金光圣母的“金光阵”的阵图都各自向闻仲展示过了。
        孫天君が「化血陣」、白天君が「烈焰陣」、王天君が「紅水陣」、張天君が「紅沙陣」、姚天君が「落魂陣」の陣図を、つづけて聞仲に見せた。いわゆる「十絕陣」である。
        而孙天君的“化血阵”、白天君的“烈焰阵”、王天君的“红水阵”、张天君的“红沙阵”、还有姚天君的“落魂阵”,也都接二连三地被闻仲看过了。
        聞仲は正直なところ、その内容を知らない。が、いずれにしてもたいへんなものだ、ということだけはわかった。
        说实话,闻仲并不知道十绝阵其中的内容。但他明白,十绝阵是一圣九君好不容易炼就而成,必然是很了不起的阵法。
        「これで姜子牙め、手も足も出まい」と聞仲は悦ぶ。
        “这样一来,姜子牙就一筹莫展了!”闻仲喜悦道。
        「截教の面目にかけて練りあげた符陣だ。決して破れまいぞ」と秦天君は一同を代表して胸を張る。
        “这是我等为了维护截教的面目(脸面)而精炼的符阵,绝对不会被破掉的!”秦天君代表大家挺起胸膛道。
        「さっそく出掛けようか」と一聖九君はお揃いの白鹿に乗って岐山に飛んだ。菡芝仙は雲に乗って、いずこともなく飛び去る。聞仲は水遁を借りていったん金鰲島に戻り、黑麒麟に乗って岐山に帰った。
        “那我们马上出发吧!”一圣九君们骑着白鹿一同飞向岐山,而菡芝仙则若无其事地驾云离开了。闻仲借水遁回到金鳌岛,亦乘墨麒麟回到了岐山。
        一足おくれた聞仲を、金鰲島の一聖九君は逆に轅門で迎える。
        落后一步的闻仲,反而还在辕门被金鳌岛的一圣九君们迎接了。
        「さっそく兵を西岐城下に移そう」と秦天君が提議した。
        “赶紧把兵力转移到西岐城下吧。”秦天君提议道。
        「岐山には妙な霊気がこもっている。野営を置くのは不吉だ」というのである。秦天君の提議を入れて、西岐遠征軍の敗残部隊は、夜陰をついて西岐城下に移動した。東門に築かれた野営で、聞仲は一聖九君に作戦を聞く。
        “据说岐山里充满了奇妙的灵气,我把营地置于此处,确实不吉利。”闻仲也听说过这个传闻。在秦天君的提议下,西岐远征军的败军残部乘着夜色转移到了西岐城下。在东门外修筑的大本营中,闻仲向一圣九君询问作战方案。


        IP属地:安徽来自Android客户端4楼2019-12-29 22:01
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          「姜子牙は崑崙門下ゆえ、われらとは同じ土俵に立っている。だから紅塵の殺法(一般的な殺し合い)を念頭におくことはない。つまり勇を恃んで腕力に訴えずとも、玄妙の中に術を競って雌雄を決し得る。われらはすでに十絕陣を練り上げた。あとは彼らがそれをどう破るか、まずはお手並み拝見といこう」と秦天君は言った。聞仲には内心、異存がある。すぐにでも姜子牙に一泡吹かせたいと考えていた。しかしあえて異をとなえず、默っている。
          “姜子牙是昆仑门下,和我们处于同一个擂台上。因此红尘的杀戮(一般的互相残杀)是不需要放在心上的。也就是说,即使我们凭借目前军队的勇猛而不动武,也能在通过较量双方道术的玄妙来决一雌雄。我们已经炼成了十绝阵,他们又能如何破之?还是让我们先看看他们有何本事吧!”秦天君道。闻仲心里有异议,其实他一直想偷袭姜子牙,让他大吃一惊。但他没有反对秦天君的看法,只是默默盘算着。
          「ならば、さっそく布陣に取りかかろう」と秦天君は一同をうながして轅門を出た。白鹿島で練り上げた陣図にしたがって、一聖九君はそれぞれに符陣を布設する。
          “那么我们马上着手布阵吧!”在秦天君的催促下,大家一道出了辕门。一圣九君按照在白鹿岛上精炼而成的阵图,分别布下了符阵。
          まもなく轅門の前に、それぞれ術を凝らした十絕陣が、横一列に布設された。
          没过一会儿,凝聚了一圣九君毕生道术的十绝阵,就被一字排开布在了辕门之前。
          翌朝、聞仲は金鰲島の一聖九君を伴なって、城門に姜子牙の「答話(面談)」を求める。もちろん黑麒麟にまたがった聞仲も、白鹿に乗った一聖九君も腰に寸鉄を帯びていない。
          次日清晨,闻仲陪同金鳌岛的一圣九君去城门请姜子牙“答话(面谈)”,而此时在墨麒麟背上的闻仲以及乘着白鹿的一圣九君是手无寸铁的。
          姜子牙も丸腰で四不象にまたがって城門を出た。風火輪で背後にしたがった哪吒、玉麒麟に乗った黄天化、それに白馬にまたがった楊戩、徒步の 雷震子も、同樣に、いずれも武器を手にしてはいない。
          姜子牙弯着老腰,骑着四不象出了城门。在他的背后,还有乘着风火轮的哪吒、乘玉麒麟的黄天化,以及骑白马的杨戬和徒步的雷震子。同样,他们手里也没有拿任何武器。
          「姜子牙じゃな。ご機嫌よう」と秦天君が先頭の姜子牙に、まず挨拶した。姜子牙も丁重に挨拶を返す。
          “那么,姜子牙道兄,你好啊。”秦天君先向最前头的姜子牙打了招呼。姜子牙也郑重地回了礼。
          「道兄たちはご一統とお見受けしたが、いずこの名山のいずれの洞府で?」
          “道兄们一看便知来自同一个地方,不知是哪座名山?何处洞府?”
          「貧道は金鰲島の煉気士で姓は秦、名は完と申す。世にいう金鰲島の一聖九君とはわれらのことだ。互いに言い分はあろうが、今日はあえて言わず、聞くつもりもない。轅門の前に十絕陣を布いた。その“看陣”の案内にまかりこした、と了承されたい。じっくり陣を看て、破るもよし、崑崙に応援を求めるもよい。ただし打つ手はないとあれば、城を明け渡してもらう」と秦天君が言った。
          “贫道是金鳌岛的炼气士,姓秦,单名曰完。世人所言的金鳌岛一圣九君便是我们。可能我们双方都有话想说,但今天我不说,也不打算听你的废话。我们在辕门前布下了十绝阵,希望你们可以谅解,而作为“看阵”的向导,我可以陪你们进十绝阵绕一圈。你们就仔仔细细地看一下十绝阵,要是能破了它更好,向昆仑求援也没关系。但假如无计可施的话,那就不得不麻烦你们开城投降了。”秦天君道。
          「せっかくのご案内だから、見せていただく」と姜子牙は四不象を十絕陣の前に進める。そして十陣の入口を一つ一つ覗いてまわった。
          “秦天君也要做向导了?可真是不胜荣幸啊!那就让我看看十绝阵吧!”四不象载着姜子牙缓缓前进,来到了十绝阵前,姜子牙通过十阵的入口,一一窥视阵内的情况。
          「どうじゃ姜子牙、いかなる陣かわかったかな」と秦天君が聞く。言外に「わかるまい」の意がある。
          “怎么样?姜子牙,你现在明白十绝阵是怎样的阵法了吗?”秦天君问道。言外之意,姜子牙是“不可能明白”十绝阵的运行机制的。
          「なに、大した符陣ではない。最初が天絕陣で、最後は落魂陣であろう」と、姜子牙に代わって楊戩が答えた。
          “什么啊?也不是什么了不起的符阵嘛!一开始我们看的是天绝阵,最后一个是落魂阵。”杨戬替姜子牙答道。
          「ほお、なにがしかの心得はあるようじゃのう。ところでどうだ、この中のどれでもよいが、さっそく破ってみるか?」
          “哈!看来你对破阵好像有什么心得啊?哼!在这十绝阵里,你随便挑哪个都行!马上破一个给我看看如何?”
          「いや、日を改める」と、こんどは姜子牙が答えた。そして城に引き揚げる。城に帰ってきて姜子牙が言った。
          “不!改日再破。”这回姜子牙回答了。然后,他便率领阐教门人撤回了西岐城。一回到城里,姜子牙便向杨戬赞道。


          IP属地:安徽来自Android客户端5楼2019-12-29 22:02
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            「よく読めたね、楊戩。おかげで面目をほどこした。正直な話、オレにはさっぱりわからない」
            “杨戬,你读得真不错!多亏了你,让我露了一把小脸。说实话,对那个十绝阵,我是一点也不懂啊。”
            「いや、はっきり読めたわけではありません。なんとなくそう思ったのが、まぐれに当たったまでのことです」
            “不,我并没有看的很清楚。我就觉得十绝阵应该是这样的,然后就只是瞎猫碰上死耗子罢了。”
            「破れると思うか?」
            “那你觉得自己能破阵吗?”
            「いや、あの符陣は奥妙至極で、とても手には負えません」と楊戩は首をふった。
            “不,那个符阵奥妙至极,我可无论如何也破不了。”杨戬摇头道。
            符陣の名を楊戩に言い当てられて秦天君は、なるほど西岐には「人」がいると驚く。
            原来西岐竟然有这样的“人”!——当杨戬说中了符阵的名字时,秦天君大为惊讶。
            「それより、われらは申公豹の大袈裟な言い方をまともに取りすぎたかも知れない。西岐は弾丸の地だ。姜子牙の道行(道術の根底)は浅い。崑崙山の連中を相手どらずとも、姜子牙を抹殺してしまえば、崑崙山は手品のタネを失なったようなもので、手足が出ないのではないか」と「落魂陣」の姚天君が言った。
            “比起那个,也许我们过于重视申公豹夸张的说法了。西岐只是个弹丸之地,而姜子牙的道行(道术的根底)又那么浅。要是我们不与昆仑山为敌,只是将姜子牙抹杀掉的话,那么昆仑山不就会如同失去了魔术的种子(根本)一般,手足无措起来?”“落魂阵”阵主姚天君道。
            「オレもそう思う」と聞仲が——姜子牙を抹殺——と聞いて即座に賛同する。
            “我也这么认为!”闻仲道——抹杀姜子牙——闻仲一听便立刻赞同起来。
            「なんぞ、いい手立てでもあるのかね?」と膝をのり出した。
            “什么啊?那你有什么好办法吗?”秦天君促膝问道。
            「わけのないことだよ。ヤツの魂魄をこっそり抜き取ればすむことだ。落魂陣を利用すれば簡単にできる」と姚天君はこともなげに言う。
            “这不是不可能的。只要我悄悄地把那家伙的魂魄拔出来就行了。利用落魂阵的话,我很容易就能做到。”姚天君若无其事道。
            「よし、それでいこう!」と聞仲が思わず膝をたたく。
            “好!就这样决定了!”闻仲不由得拍了下膝盖。
            「よかろう。姜子牙が死ねば、いやでも闡教の仙人たちが出てくる」と秦天君は逆の意味で賛成した。姚天君は衆望を担って落魂陣に入る。陣の中央に立てられた旙の下に土を盛って壇を作り、草人(藁人形)を編んで、その上に寝かせた。姜子牙の名を記した令牌を頭上に立て、その前方に三盞の「催魂灯」、足先に七盞の「捉魂灯」を点す。さらに髮をといて剣を取り、北斗を踏んで符讖を土壇の四隅に載せ、土をかけて押さえる。こんどは線香に火をつけて草人を拝み、拝み終って線香を、頭上と足先に分けて立てた。そしておもむろに陣の外に出る。
            “好吧。如果姜子牙死了,即使阐教的仙人不愿意出现,也不得不下山了。”秦天君提出了相反的看法,但还是赞成了姚天君的建议。姚天君肩负众望进了落魂阵。在落魂阵中央,一纸幡已被立了起来。姚天君在纸幡下方堆土作坛,编了一个草人(藁人形),并让它躺在土坛上面。然后姚天君再将写有姜子牙名字的令牌立在草人头上,并在其头前方点上三盏“催魂灯”,脚尖上方又点上七盏“捉魂灯”。接着,姚天君在其中披发仗剑,足踏北斗,并将符谶放在土坛的四角,再用土盖上压住。最后,他点燃三根线香,向草人拜了下去。拜完之后,姚天君又将线香分别插在草人的头上和脚尖上,随即便慢慢地走出阵外。
            「霊験を顕わすのは?」と聞仲が聞く。
            “落魂阵显出效果了吗?灵验吗?”闻仲问道。
            「もう顕われている。すでに姜子牙は精神朦朧としているはずだ。一刻ごとに線香を焚いて拝めば、二十一刻(四十二時間)で三魂七魄が抜け出して往生する」と姚天君は言った。
            “效果已经显露出来了。姜子牙现在应该已经神志不清了。每隔一刻钟,我会焚烧线香,参拜草人。只需二十一刻(四十二小时),姜子牙的三魂七魄就会全部离体而出,投胎去了。”姚天君道。
            果たして、西岐城の丞相府で諸将と、符陣を破る对策を協議していた姜子牙は、不意に眩暈をおぼえる。そして頭を抱えこんだ。その姿を楊戩は、姜子牙が作戦に苦悩していると見たが、鼓舞する言葉はない。しかし窮すれば救いを求めるのは、やはり古里の洞府である。
            果不其然,在西岐城丞相府与诸将协商破解符阵对策的姜子牙,突然感到头晕目眩。然后他不由得抱住了头。杨戬虽然看见了姜子牙为作战而苦恼的那个样子,但他却并没有说什么鼓舞人心的话。不过对他而言,若是穷困之时,必然还是要去故里的洞府求救的。
            「師叔、金霞洞にひと走りして老師にチエを借りてきましょうか?」と楊戩が言った。
            “师叔,要不我们一起去金霞洞跑一趟,向老师请教一下吧?”杨戬道。


            IP属地:安徽来自Android客户端6楼2019-12-29 22:03
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              「うむ、なんだって?」と姜子牙は顏を上げたが、すぐまたうなだれる。顏をあげたときに見せた姜子牙の目から光が消えていたことに楊戩は慄然とした。呪術をかけられている、と悟ったのである。なにを話しかけても返事が返ってこなくなった。助けを求めようにも許可なく城を出ることはできない。楊戩は焦ったが、きっと崑崙山でそれと気づいて助けに来てくれるだろう、と一縷の望みを抱く。
              “嗯?你说什么?”姜子牙抬起了头,可马上又把头低了下来。杨戬不由得不寒而栗起来,只因他看到,姜子牙在抬起脸时,眼中的光芒已经消失了。杨戬意识到,姜子牙被人施了咒术。现在无论他和姜子牙说什么,都没有任何答复了。杨戬想去昆仑山求救,但未经许可是不能出城的。此时的杨戬,虽然心中焦急,但他还怀有一线希望。他相信昆仑山一定会注意到这一件事情,并赶来西岐城帮忙。
              そのうちに姜子牙は、腰をおろしているのも大儀そうに、上体をくねらし始める。ついに、椅子から転げ落ちた。武吉が急いで抱え上げて奥で休ませる。夕方になって妙なイビキをかき始めた。夜半にはそれも消えて、気息奄々となる。明け方には呼吸が止まった。ついに心臟も止まる。西岐の諸将は慌てふためく。武王が知らせを受けて丞相府に現われた。姜子牙は死んだ——も同樣である。わずかに心臟の辺りに温みが残っていた。
              不久之后,姜子牙似乎感到坐着也很难受。他扭曲着上身,终于还是从椅子上摔下来了。武吉急忙抱起姜子牙,让他在里头休息。到了傍晚,他开始发出奇怪的鼾声。至夜半时分,姜子牙变得气息奄奄,连鼾声都没有了。次日黎明,他的呼吸停止了,心脏也逐渐停止了跳动。西岐诸将惊慌失措,武王接到通知,马上来到丞相府。尽管在他的心脏附近还残留着微弱的体温,可姜子牙已经死了——和其他人一样。
              西岐の諸将よりもさらに慌てたのは、岐山の封神台を守っていた清福正神の柏鑑である。明け方に彼は姜子牙の魂魄が封神台の入口にさまよい込もうとしているのを見た。しかもそれが三魂七魄ではなくて、一魂一魄である。職業柄、柏鑑は何者かが姜子牙の魂魄を拝み取ろうとしていると見抜いた。一魂一魄が封神台に入ってしまえば、姜子牙は死ぬ。さりとてそれを阻止しても、拝み取られてしまえば結果は同じことだ。柏鑑はふと気づいて、その一魂一魄を誘導する。崑崙山に向かって吹く風の流れに乗せた。
              比西岐诸将更为慌张的是,守护着岐山封神台的清福正神柏鉴。黎明时分,他看见姜子牙的魂魄在封神台的入口处徘徊。而且那不是姜子牙的三魂七魄,只是一魂一魄而已。由于工作性质的关系,柏鉴看出有什么人打算拜取姜子牙的魂魄。要是这一魂一魄进了封神台的话,姜子牙就要死了。话虽如此,可即使柏鉴成功阻止了,若这一魂一魄被成功拜取的话,结果也是一样的。柏鉴突然发现,这一魂一魄正乘着一股风流,冥冥中被引导着往昆仑山飞去。
              姜子牙の一魂一魄は風に乗って、ゆっくりと進む。それを朝方、空の散步に出ていた申公豹が見つけた。
              姜子牙的一魂一魄乘风向昆仑山缓缓前进。清晨,申公豹在空中散步时发现了此事。
              「クロ、静かに近づけ」と申公豹は黑点虎に言いつける。そして、手にしていた払麈を腰の帯に揷しこむと、両手を丸めて、そっと一魂一魄を抱き取った。
              “小黑,安静地靠近他!”申公豹对黑点虎道。随即他便将手中的拂尘插在腰带上,两手收拢,将一魂一魄轻轻地抱住。
              「クロ、急げ!玉虚宫だ」と黑点虎を麒麟崖に急がせる。麒麟崖に近づくと、白鶴童子が目ざとく接近する申公豹を見つけた。申公豹は合図を送って、そっと姜子牙の一魂一魄を放す。一魂一魄はふわりふわり漂いながら玉虚宫に近づく。そして、しばらく麒麟崖の上空を漂い彷徨った。
              “小黑,快点!去玉虚宫!”黑点虎急忙来到麒麟崖。一来到麒麟崖附近,白鹤童子就发现了突然接近这里的申公豹。申公豹发出暗号,并将姜子牙的一魂一魄悄悄放出。一魂一魄轻轻地飘到了玉虚宫附近。不大一会儿,他又飄回到了麒麟崖上空,就这么彷徨着。


              IP属地:安徽来自Android客户端7楼2019-12-29 22:03
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                うむ!と赤精子は丹田に力をこめると、突嗟に急旋回して逃げた。両朶の白蓮花が黑砂を浴びて陣中に落下する。それが身代わりとなって、赤精子は命拾いをした。そして悄然と西岐城に戻る。
                啊!赤精子竭尽全力,运劲于丹田,突然使一个转身就逃走了。两朵白莲花沐浴在黑砂里,缓缓落在阵中。也就是说,那两朵白莲花成为了赤精子的替身,让赤精子捡了条命回来。面色恍惚的赤精子,急忙悄然回到了西岐城。
                「やはり姜師叔は助からないのでしょうか」と、不首尾に終ったと知って、楊戩が心配した。
                “姜师叔还是没救了吗?”杨戬得知赤精子此行以失败告终后,不由地变得十分担心起来。
                「うむ、オレの手には負えない。だが助かる。葫蘆の栓をよく締めておけよ」と言い残して、赤精子は玉虚宫に飛ぶ。
                “嗯,我目前应付不了落魂阵,但他会有救的。你赶快把葫芦塞好,收起来吧。”赤精子留下这句话后,便往玉虚宫飞去。
                玉虚宫では南極仙翁が、麒麟崖に出て赤精子を待っていた。
                在玉虚宫,南极仙翁已来到麒麟崖上,等待着赤精子。
                「姚斌(姚天君)のヤツ、なかなか出来る。危うく千五百年の修行をフイにするところじゃった」と赤精子は経過を南極仙翁に報告する。仙翁は黙って洞府に入り、元始天尊にご慈悲を赐われと懇願した。
                “姚斌(姚天君)那家伙,可真有两下子!就算我有一千五百年的修行,也差点关门大吉了!危险得很啊!”赤精子将经过向南极仙翁报告。仙翁默默进入了洞府,恳求元始天尊赐予慈悲的指点。
                「われにも、なお処理しがたいことが、やはりある。玄都の大老爺に指示を仰げと赤精子に告げるがよい」と元始天尊は南極仙翁を下がらせる。
                “难以处理的事情,我也还是有的。你告诉赤精子,让他去仰求玄都大老爷的指示比较好。”元始天尊说完话便让南极仙翁下去了。
                赤精子は玄都に急行した。八景宫に進んで事の次第を玄都大法師に告げ、取り次ぎを依頼する。
                赤精子急行至玄都。进入八景宫后,他将事情的经过告知予玄都大法师,并委托他向太上老君传达。
                洞府に案内された赤精子は、太上老君の前に平伏した。
                一会儿,赤精子便被引至洞府内,平伏在太上老君面前。
                「謹んで老師の万寿無疆を祈り上げます」とまず挨拶する。間をおき要件を申し上げて指示を仰いだ。が、老君はなぜか口を開けない。催促がましいことははばかられた。赤精子はただ黙って平伏している。
                “谨祝老师万寿无疆!”赤精子先向老君行了大礼。他将那件要紧事间接向老君提出,并奉命向老君仰求指示。但老君不知为何,却一直不开口。十万火急的事情似乎被老君无言地驳回了,赤精子只能默默平伏在地,等待老君的指示。
                そこへ、事情を察知したのであろう。元始天尊が八景宫に現われた。ようやくにして太上老君は、元始天尊の面子を立て「太極図」を貸し与える。
                在玉虚宫,元始天尊大概察觉到了赤精子的情况。他很快便在八景宫出现了。看在元始天尊的面子上,太上老君总算将“太极图”借给了赤精子。
                「太極図」は、一切の空間を任意に組み換える、仙界最高の秘宝であるから、めったなことでは貸し出せない。しかも今度の場合、太上老君にはちょっとした思惑があった。それはともかく、姜子牙の二魂六魄を宿した草人が落魂陣の中にあるのは、いわば人質を取られたようなものである。したがって、やみくもに落魂陣を破壞することは出来ない。陣を破らずに草人を奪い出すことは、赤精子さえも出来なかった。しかし姜子牙はなんとしてでも助けなければならない。とすればやはり、太極図に頼るほか途はなかったのである。
                “太极图”可以随意转换一切空间,是仙界最高的秘宝,因此是不能轻易借出的。而且在这种情况下,太上老君自己也有一点想法。姑且不论其他,就说那落魂阵中寄宿着姜子牙二魂六魄的草人吧,不就像把姜子牙扣在那里当人质一样吗?因此不能随便破掉落魂阵。然而连赤精子这样的仙人,也无法在不破阵的情况下夺走草人。可无论如何,姜子牙必须要救。如果情况真是这样的话,那就只能靠太极图才行了。


                IP属地:安徽来自Android客户端9楼2019-12-29 22:05
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                  太極図を懷に抱いて、赤精子は再び落魂陣の上空に現われた。こんどは悠々たるものである。落魂陣の上空で、懷から太極図を出して広げると、たちまちにして足元と落魂陣を結ぶ「金橋」が現われた。太極図を広げたまま、それを左手に、赤精子はゆっくりと橋を步いて落魂陣に降りる。そして右手で草人を摑むと、向きを換えて金橋を登った。かたわらで姚天君が木偶の棒のように、突っ立っている。
                  赤精子怀里抱着太极图,再次出现在落魂阵的上空。要说这回进阵,他可优哉游哉了。在落魂阵上空,赤精子从怀里拿出太极图并将其展开。一座“金桥”马上出现,将他脚下的空间与落魂阵连接在一起。赤精子用左手拿着张开的太极图,慢慢地从金桥上走下,进入落魂阵中。然后他用右手抓住了草人,换了个方向后又登上了金桥。一旁的姚天君,就像根木偶棒一样站在那里,动也动不了。
                  金橋を登り詰めると、赤精子はおもむろに太極図を卷き上げた。
                  在登上金桥后,赤精子慢慢地将太极图卷起。
                  「ざまー見ろ」と赤精子が振りかえる。その瞬间に紙旙の竿が摇れた。危い!と赤精子は反射的に身をひるがえす。が、ちょうど卷き上げて懷に入れかけた太極図を落としてしまった。
                  “活该!”赤精子回头道。可就在那一瞬间,微风吹过,那竿纸幡却变得摇摆不定起来。危险!赤精子反射性地翻了个身,但他刚好卷起放入怀中的太极图却又掉了下去。
                  「おい赤精子、太極図と草人を取り換えると言えば、はじめから応じたのに」と姚天君が背後で笑う。赤精子は気が顚倒した。草人を西岐城に届けるのも忘れて、真っ直ぐ玉虚宫に飛び帰る。
                  “喂!赤精子!你说要用太极图来换草人,我明明一开始就答应了!”姚天君在他背后大笑不止,将赤精子气得神魂颠倒。他径直飞回了玉虚宫,连草人都忘记送回西岐城了。
                  「弟子、万死に値します」と元始天尊の前に平伏して、自ら罰を請うた。
                  “弟子万死难辞其咎也!”赤精子平伏在元始天尊面前,自请失却太极图的惩罚。
                  「姜子牙の命を救うのが先だ。すぐ行け」と天尊は咎めもせずに命ずる。
                  “你还是先把姜子牙的命给救回来!马上去!”天尊没有责备他,而是马上下了命令给他。
                  赤精子はただちに西岐城へ赴き、草人に宿った二魂六魄を抜いて、いったん葫蘆に入れた。それで三魂七魄の揃った葫蘆の口を、姜子牙の泥宫(腦天)にあてる。そして、葫蘆の底をたたいて、三魂七魄を身体に戻した。
                  赤精子立刻前往西岐城,随后他将寄宿在草人上的二魂六魄拔出,暂时放入葫芦之中。三魂七魄齐聚于葫芦内后,赤精子又将葫芦口放在姜子牙的泥丸宫(脑门)处。接下来,他又敲打葫芦的底部,使三魂七魄回到了姜子牙的身体里。
                  姜子牙がいきなり、ぱっと起きあがる。西岐城の面々は声を揃えて、赤精子に感謝の意を述べた。が赤精子は浮かぬ顏をしている。
                  姜子牙醒后,冷不防一跃而起。西岐城内众人齐声向赤精子表示感谢之意,然而赤精子却长着脸,对太极图失却一事深感担忧。


                  IP属地:安徽来自Android客户端10楼2019-12-29 22:06
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                    章节比较多,我分几部分来发。这次是第四十八回


                    IP属地:安徽来自Android客户端15楼2019-12-30 18:52
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                      第四八回 陆压、计を设けて公明を射る
                      第四八回 陆压献计射公明
                      赵公明は五夷山から、ほうほうの体で野営に逃げ帰った。燃灯道人に「乾坤尺」で擊たれた首が、灼けつくように痛む。しかし、痛みはまもなく消えた。かわって、不意に胸をしめつけられたように、呼吸が苦しくなる。が、それも間もなく消えた。こんどはヘソが猛烈に疼き出す。脂汗が、どっと额に喷き出した。
                      赵公明从五夷山狼狈不堪地逃回了商军大营。那被燃灯道人用“乾坤尺”打了的脖子,如火灼般疼痛。但疼痛很快就消失了。他的胸口反而突然像被勒紧了一般,呼吸变得困难了起来。但不久后这种感觉也消失了。这回他的肚脐又疼痛起来。满头的汗水,从额间猛然喷了出来。
                      乾坤尺は長さが一尺ほどの、見かけは変哲のない、ただの物差しである。しかし燃灯道人が三千年の「道行(道术の修行)」の成果を倾け、千年の岁月をかけて作り上げた秘宝だ。「阴」を负い「阳」を带びて「虚实」を藏し、「刚柔」二力ん备えた秘密兵器である。擊たれれば刚力が加わって火がついたように痛む。が間もなく痛みが消えて、伤痕すら残さないのは刚力が柔力に転化するからである。恐ろしいのはその柔力だ。それが五脏六腑に强烈な冲击を与えて、死に至らしめる。ヘソが疼くのはその前兆にほかならない。放っておけば一两刻(二-四时间)の間に绝命する。
                      乾坤尺长约一尺,外表平淡无奇,只是一个尺子而已。可它是燃灯道人倾注三千年“道行(道术的修行)”的成果,更是他花费千年岁月制作而成的秘宝。这是一种负“阴阳”,藏“虚实”,具备“刚柔”二力的秘密武器。如果被刚力击中就会如火一般疼痛。不久后刚力转化为柔力,疼痛就会消失,连伤痕都不留。但可怕的是,乾坤尺的柔力会给五脏六腑带来强烈的冲击,直至死亡。肚脐的疼痛正是死亡的前兆。如果放任不管,只需一两个时辰(两~四小时)之间就会死亡。
                      朝歌军の野营では、赵公明が帰ってきたと闻いて、太师闻仲が颜をほころばせた。金鳌岛の残る四阵主も、ニッコリ笑ってうなずく。彼らの睑には、いましがた燃灯道人を追っていった赵公明の威势のよい颜が烧きついていた。当然に凯歌を上げてくる、と期待していたところである。意外に早く戻ったのは、顺调に燃灯道人を成败したからに相違ない。あるいは燃灯道人の首级を提げて来たのかも、と急いで辕门に迎え出た。
                      在朝歌军队的大营,闻太师听说赵公明回来了,脸上露出了微笑。金鳌岛剩下的四阵主也笑着点头。在他们的眼里,紧追着燃灯道人的赵公明的威风凛凛的面容还挥之不去。如此一来,他们自然期待赵公明能早日奏出凯歌。可意外地,赵公明很早就回来了。这使闻仲他们觉得赵公明一定顺利地击败了燃灯道人,甚至有可能把燃灯道人的首级也提了回来。于是闻仲他们急忙到辕门去迎接赵公明。
                      だが、彼らは辕门で愕然とする。辕门に戻ってきたのは、見るに耐えない哀れな姿の赵公明であった。额に脂汗をふいた赵公明は、息も绝えだえである。辛うじて虎の首にしがみついていた。自分の力では下乘も出来ない样子である。闻仲と四阵主の口から溜息がもれた。
                      但回到辕门的赵公明,让闻仲他们愕然不已。他的可怜模样让人目不忍睹。额头上冷汗直流的赵公明,目前奄奄一息,好不容易才搂住了老虎的脖子不掉下来。他现在的气息非常衰弱,连从坐骑上下来都做不到。看着赵公明的凄惨模样,闻仲和四阵主不由叹了口气。
                      「赵道兄、どうなされた?」と闻仲が步みよって手を贷そうとする。
                      “赵道兄,你怎么了?”闻仲快步走上前去,想给赵公明搭把手。
                      「まず药丹をくれ」と赵公明はやっと口をきく。離れて立っていた弟子の陈九公と姚少司が、急いで葫芦を持ってきた。素早く药丹を出して水に溶き、口に流しこむ。みるみる赵公明に精気がよみがえった。そして、おもむろに虎の背から下りる。
                      “快把丹药先拿给我!”赵公明开口道。左右分立的弟子陈九公和姚少司,急忙将葫芦拿了过来,并迅速将丹药拿出溶在水里,灌入赵公明的口中。服下丹药后,赵公明很快就精神起来了,随即便慢慢地从老虎的背上下来了。
                      「不覚じやった」と赵公明はテレ隐しに苦が笑う。いや、テレ隐しではなく不敌な苦笑であった。しょげた样子は微塵もない。
                      “太好了,现在我觉得不痛了。”赵公明的笑若隐若现。不,这笑容不是礼节性的而是不敌的苦笑。他现在无精打采的,毫无一丝生气。
                      「ちょっと出掛けてくる」と、なにを思ってか、赵公明は下りたばかりの虎に再び乘った。一同は呆っ気に取られる。
                      “我出去一下。”不知怎么想的,赵公明再次跨上了之前刚下来的老虎。大家都目瞪口呆地望着他。
                      「どこヘ?」と闻仲が信じがたげに聞く。
                      “你要去哪里?”闻仲难以置信地问道。
                      「三仙岛だ。じきに戻る。案ずることはない」と赵公明は答える。
                      “去三仙岛。我要东山再起。大家不必为我担心。”赵公明答道。


                      IP属地:安徽来自Android客户端16楼2019-12-30 18:53
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                        「すぐ動くのは無茶だ。后遗症が出る。しばらく休まれたがよい」と姚天君が言った。
                        “你别动不动就乱来。现在后遗症已经出现了,你最好还是歇会儿吧。”姚天君道。
                        「そうしてもおられないのじや」と赵公明はなにやら思いつめている。かまわずに辕门を離れると三仙岛に飛んだ。
                        “要我向燃灯投降?我办不到!”赵公明思索着什么,不顾一切地离开了辕门,很快便飞到了三仙岛。
                        三仙岛の「三仙姑(女仙人)」といえば、云霄娘々、碧霄娘々、琼霄娘々のことだが、この三姉妹は赵公明の実妹である。仙女といえば下界では、文句なしに美女を連想するが、実際には、仙界に美女の数はすくない。しかし三姉妹は、そのきわめて特殊な例外であった。それより道行がいたって深い。
                        要说三仙岛的“三仙姑(女仙人)”,分别为云霄娘娘、碧霄娘娘、琼霄娘娘三姐妹。她们是赵公明的亲妹妹。提到仙女,在下界,人们总会一下子就联想到美女,但实际上仙界中美女的数量并不多。然而云霄三姐妹是极为特殊的例外。她们的道行,比起普通仙女来要深得多。
                        だから仙界もけっこう広いが、三仙岛の三仙姑といえば谁知らぬ者もなかった。わけても姉の云霄娘々は见识が高いことで、阐教の仙人たちからも一目おかれている。ことに燃灯道人とは懇意であった。
                        因此仙界虽然相当广阔,但提起三仙岛的三仙姑,有谁不知道呢。尤其是大姐云霄娘娘的见识极高,连阐教仙人也不得不高看一眼。特别要说的是,燃灯道人和云霄娘娘的关系很好。
                        三仙岛に到着した赵公明は、洞府の前でその黑い虎から下りる。案内を乞う代わりに、大きく咳払いをした。それを聞きつけて洞童が现われる。しかし赵公明は咳払いしたはずみに真っ黑い血の塊を吐き出して、うずくまってしまった。おどろいた洞童が洞府にかけこみ、三仙姑がそろって洞门に迎え出る。気配を感じて赵公明は立ちあがった。
                        到了三仙岛的赵公明,在洞府前从黑虎上面下来。他咳嗽一声,以代为通知。不一会儿,一个洞童出现了。可赵公明在咳嗽的瞬间吐出了黑血块,还蹲了下去。洞童大吃一惊,冲入洞府。三仙姑听闻此事,一起赶至洞口迎接赵公明。
                        「どうなされたのですか、兄上」と末妹の琼霄娘々が兄の背筋をさする。云霄と碧霄の两娘々が、左右から赵公明を支えて、洞府に連れこんだ。
                        “兄长,您这是怎么了?”小妹琼霄娘娘指着他哥哥的背脊。云霄和碧霄两位娘娘,一左一右扶起了赵公明,将他带进了洞府。
                        「乾坤尺で擊たれたのですね。どうして?」と云霄娘々が聞く。一瞥して外伤のないことから、乾坤尺と見当をつけたのである。
                        “被乾坤尺击中了。为什么会这样?”云霄娘娘问道。她一眼看过去,赵公明背脊上仿佛没有外伤,因此估计是乾坤尺导致的。
                        「早く药丹を」と赵公明が頼む。
                        “快点把丹药给我。”赵公明拜托道。
                        「ムダです。乾坤尺で受けた内伤は、药丹では癒りません。すぐに符水を用意します」と云霄娘々は素早く「朅伤符」を、茶碗の水に烧き落として符水を作り、それを赵公明に饮ませた。符水を饮みこんで一息ついた赵公明が不意に立ち上がる。
                        “用丹药治疗被乾坤尺打出的内伤,浪费啊!我马上给你准备符水。”云霄娘娘迅速将“朅伤符”烧落在茶碗的水中,制成了符水,并让赵公明喝下。喝完符水后,赵公明歇了一口气,突然站了起来。
                        「効果が顕われたのです」と云霄が笑う。赵公明は左手で口を押さえ、右手で腹を抱えて、庭の「はばかり」に走った。上架(横膈膜から上)の欝血を口から吐き、同时に、下架の毒血をきれいさっぱりと下す。
                        “效果很明显嘛。”云霄笑道。赵公明左手捂着嘴,右手捧着肚子,跑到院子里的厕所。他将上架(横膈膜以上)的淤血从口中吐出。同时也将下架的毒血给排泄干净。
                        しばらくして赵公明が别人のように、晴れ晴れとした表情で洞府に戻ってくる。
                        不久后,赵公明如云霄以往治疗的其他人一样,带着一副开朗的表情回到了洞府。
                        「頼みがあるんだが」といきなり言った。
                        “云霄,我有个请求。”赵公明突然言道。
                        「それより兄上、なぜ燃灯道人と争いを起こしたのですか」と云霄娘々が聞く。
                        “比起这个,兄长,你为什么会和燃灯道人发生争斗呢?”云霄娘娘问道。
                        「頼みがあると言ったのは、それと関係があるのだが……」と赵公明は經過を说明する。
                        “虽然我对你有事相求,但这与那个有关……”赵公明将他这段时间的经历都给云霄说了。
                        ——朝歌の闻太师が兵を西岐に出したが、阐教の連中に邪魔立てされて動きが取れない。そこで救援を頼まれて下山した。闻仲を助けたのは「義」に基づく。同时に、あの定海珠の威力を確かめるためでもあった。それで阐教の十二大弟子を、さんざんに打ちのめしたのだから、たしかに定海珠は、やはり昆仑の至宝と言い伝えられただけのことはある。ところが土壇場で、燃灯のワナにかかり、ついに五夷山で散人の萧升、曹宝の兄弟に定海珠と、そして缚


                        IP属地:安徽来自Android客户端17楼2019-12-30 18:53
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                          ——朝歌の闻太师が兵を西岐に出したが、阐教の連中に邪魔立てされて動きが取れない。そこで救援を頼まれて下山した。闻仲を助けたのは「義」に基づく。同时に、あの定海珠の威力を確かめるためでもあった。それで阐教の十二大弟子を、さんざんに打ちのめしたのだから、たしかに定海珠は、やはり昆仑の至宝と言い伝えられただけのことはある。ところが土壇場で、燃灯のワナにかかり、ついに五夷山で散人の萧升、曹宝の兄弟に定海珠と、そして缚龙索を夺われた。あの二件の宝贝を失なっては、同时に手と足を斩られたも同然だ。すぐに取り戻さなければならない。頼みとはそのことだ。ぜひとも「金蛟剪」か「混元金斗」を贷してもらいたい——と赵公明は结んだ。
                          ——朝歌的闻太师兵伐西岐,被阐教的人捣乱,如今困在那里动弹不得。于是我基于一个“义”字,接受闻仲的请求下山助他,同时我也想确认那颗定海珠的威力,因此阐教的十二大弟子被我狠狠地打垮了。定海珠的确是传说中昆仑的至宝,然而在最后关头,我中了燃灯的圈套。在五夷山,定海珠和缚龙索被散人萧升、曹宝两兄弟夺走了。我失去了那两件宝贝,就如同手和脚同时被人斩断了一样。现在我必须马上将宝贝夺回来。现在我请求你,务必将“金蛟剪”或者“混元金斗”借给我——赵公明道。
                          「そのことなら心労には及びません。そのうち机会をみて、わたくしが燃灯道人に掛け合いましょう。きっとかえしてくれるはずです。ただし、いますぐでは角も立とうし、せっかくうまく運ぶものもダメになります。兄上は気を静めて、娥媚山の洞府にお帰り下さい」と云霄娘々が解决を引き受ける。
                          “那件事你用不着操心。过几天有机会的话,我去找燃灯道人交涉吧。那时我一定会把宝贝讨回来还给你。但现在你刚刚才站起来,而且金蛟剪和混元金斗也是很难使用的宝贝,我不能借给你。兄长,你还是静下心来,先回峨嵋山洞府修炼吧。”云霄娘娘决定亲自解决这件事。
                          「いや、それはダメだ。いますぐにでも取り戻さねば、なんとも気がおさまらず、動くに動けない」と赵公明は不服をとなえた。
                          “不!那不行!如果现在我不马上把定海珠和缚龙索拿回来,那我实在是气也静不下来,饭也吃不香,觉也睡不好了。”赵公明不服道。
                          「兄上、なにごとをするにも时期があります。考えてもごらんなさい。兄上が先方にケンカん壳ったのですよ」
                          “兄长,无论你想做什么事,都要选一个好时机。兄长你自己好好想想看,还是不要继续和燃灯他们争斗了。”
                          「いや、議論をするヒマはないし、それに、お前に出てもらうつもりはない。ただ、宝贝を贷してくれ」
                          “不!我没时间和你讨论这件事,而且我也不打算让你参与进来。你只要把宝贝借给我就行了。”
                          「そういう料見なら、贷すわけにはいきません。贷せば、きっと取り返しのつかないことになります」
                          “我早就料到会是这样,那更不能借给你了。要是把宝贝借给你的话,一定会发生不可挽回的事情。”
                          「どうしても贷さない、というのか」
                          “那就是说,无论如何你也不肯把宝贝借给我?”
                          「贷さないというのではなく、贷せないのです」
                          “不是不借给你,是现在不能借给你。”
                          「わかった。ならば頼まない」と赵公明は愤然と席を立つ。
                          “我明白了。如果是这样的话,那就不拜托你了。”赵公明愤然离席道。
                          「姉上!」と琼霄娘々が、なにかを言いかける。
                          “大姐!……”琼霄娘娘想说点什么。
                          「あなたは默っていなさい。兄を思う気持はわたくしとて同じです」と云霄娘々が妹の口を封じた。赵公明は怒色をあらわに洞门に向かって步み出す。
                          “你别说了。你对哥哥有思念之情,我也一样。”云霄娘娘封住了妹妹的口。赵公明此时已经愤怒地走向了洞门口。
                          「どうなさるおつもりですか、兄上」と琼霄娘々がかたわらから声をかける。
                          “兄长,你打算怎么办?”这时,琼霄娘娘的关心从旁边传来了。
                          「もう一度、三人で姉上に頼みましょう」と碧霄娘々が言った。そして三人は洞门で、なにやら相谈を始める。そこヘ、例の风袋を背负った菡芝仙が現われた。
                          “再试一次,我们三个人一起请大姐把宝贝借给你吧。”碧霄娘娘道。然后三人在洞门口开始商量,如何说服云霄。就在这时,背着风袋的菡芝仙出现了。
                          「口添えをしよう」と事情を聞いた菡芝仙が、先頭に立つ。洞府に入って、四人对一人の交涉がはじまった。あげくに、菡芝仙が单纯明快な结论を出す。
                          “那我也来顺嘴说两句吧。”菡芝仙向他们询问了事情的经过,打头阵道。他们进入洞府后,四对一的交涉开始了。最后菡芝仙给出了单纯明快的结论。


                          IP属地:安徽来自Android客户端18楼2019-12-30 18:55
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                            ——云霄娘々は金蛟剪を贷すが、赵公明は現実にそれを使ってはならない。つまり金蛟剪をもって燃灯道人に定海珠と缚龙索の返却を迫る。燃灯道人は金蛟剪の威力を知っているはずだから、それを使うと脅せば返却に応ぜざるをえまい。それで一件落着する——ではないかと言うのである。
                            ——云霄娘娘虽然将金蛟剪借给赵公明道兄,但他实际上并不能用。也就是说,赵道兄只是想以金蛟剪来恫吓燃灯道人,迫使他将定海珠和缚龙索还给赵道兄。燃灯道人应该知道金蛟剪的威力。如果赵道兄威胁燃灯道人使用金蛟剪的话,他就不得不答应将宝贝归还给赵道兄。于是事情就解决了——不是这样的吗?
                            しかし云霄娘々は、あえて首をタテに振らなかった。菡芝仙がさらに说得をつづける。
                            云霄娘娘不敢轻易否定菡芝仙,毕竟菡芝仙的判断更有说服力。
                            「赵道兄が、绝对に金蛟剪を投げない、と誓ったらどうであろう」
                            “如果赵道兄发誓,绝不轻易使用金蛟剪,那云霄娘娘你借不借?”
                            「そうする」と赵公明はすかさず応じた。
                            “没错。”赵公明立刻答应了。
                            「頼む、云霄」と、さらに頭を下げる。それでも云霄娘々は、しばらく默っていた。しかしついに、贷さざるを得ない、と悟る。そして、しぶしぶ金蛟剪を赵公明に渡した。
                            “云霄,拜托你了。”赵公明再次低下了头。尽管如此,云霄娘娘还是沉默了一会儿。但最终云霄明白,金蛟剪是不得不借给兄长了。于是云霄勉勉强强地将金蛟剪交给了赵公明。
                            金蛟剪の本体は、太古の昔から三仙岛に棲みついていた二匹の蛟龙である。それが日月の精华を受け、天地の灵气を浴びて灵兽となった。そこヘ二千年ほど前に、三仙姑が三仙岛に現われて洞府を开く。そして二匹の灵兽を调伏し、道术を仕込んで宝贝に作り上げた。それが、すなわち金蛟剪である。
                            金蛟剪的原形是自太古以来栖息在三仙岛的两只蛟龙。后来蛟龙受到日月精华滋养,在天地灵气中沐浴,进而成为了灵兽。大约在两千年前,三仙姑出现在三仙岛上并开辟了洞府。然后三人将两只灵兽制服,并用道术将其调教,制成了一件宝贝。那就是金蛟剪。
                            二匹の蛟龙は中空に放たれると、攻击する敌によって、頭と頭、あるいは尾と尾を结び、巨大锐利なハサミとなって、敌の首や胴体、または足を一瞬に剪み斩る兵器と化す。云を起こして袭いかかる二匹の蛟龙、つまり金蛟剪の袭击から逃がれることの出来る仙人はまずいない。だから菡芝仙が、それをもって燃灯道人を脅迫しおおせる、と考えたのは当然である。
                            两只蛟龙被起在空中后,会根据攻击的敌人,头交头如剪,尾交尾如股,犹如一把巨大又锐利的剪刀,是能瞬间剪断敌人的头部、躯体或者脚部的武器。更可怕的是,若是金蛟剪起在空中,化为祥云护体的两只蛟龙,向仙人袭来,则至目前能从金蛟剪的袭击下逃脱的仙人还没有出现。因此菡芝仙考虑到,赵公明会以此来威胁燃灯道人,是理所当然的。
                            翌朝、赵公明は威风凛々と、十二大仙の芦蓬の前に姿を現わした。
                            次日清晨,赵公明威风凛凛地来到芦蓬,出现在十二大仙面前。
                            「燃灯に用がある。早く出てこい」と相変わらずの大声をはり上げる。昨日、乾坤尺で擊たれながら、精気潑刺としているのは、符水で治疗したからに相違ない。ならば彼は三仙岛に行ったはずだ、と燃灯道人は悟った。
                            “燃灯!我有事!快点给我出来!”赵公明依旧大声喊道。虽然昨日赵公明被乾坤尺击中了,但毫无疑问,他如今被符水治疗过后,再次精力十足了。燃灯道人察觉到,赵公明应该已经去过三仙岛了。
                            「金蛟剪でも借りてきたのであろう。危险だから、きょうは谁も外に出てはならない」と燃灯道人は言い残し、独り仙鹿にまたがって芦蓬を出る。
                            “想必他已经借来了金蛟剪。金蛟剪很危险,今天你们谁也不可以出去。”燃灯道人留下了这样的话,独自跨上仙鹿出了芦蓬。
                            「おい燃灯、默って定海珠と缚龙索をかえせば、命だけは助けよう。いやとなら、これを見よ」と懷から金蛟剪を取り出した。
                            “喂!燃灯!你如果想默不作声地就给定海珠和缚龙索换个主人的话,就乖乖地喊救命吧!”赵公明从怀里掏出了金蛟剪。
                            「金蛟剪の恐ろしさは承知している。だが、その脅しには乘らない。それに、缚龙索ごときチャチな宝贝はいらないから、曹宝にくれてやった。かえそうにも手許にはない。ただし定海珠は别だ。キミのような弱辈には、仙界の至宝を所持する资格はない。気の毒だが、あきらめるんだね」
                            “金蛟剪有多恐怖我知道,但我才不受你的威胁。而且,由于我不需要像缚龙索那样奇怪的宝贝,因此缚龙索已经被我送给曹宝啦!你现在即使想把它要回来,也没办法哦。但是定海珠就不一样。像你这样的弱者,没有资格拥有仙界的至宝!虽然我觉得你很可怜,但你还是别白日做梦了。”


                            IP属地:安徽来自Android客户端19楼2019-12-30 18:55
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                              「なに、弱辈だと!ぬかしおったな!」と赵公明は、いきなり金蛟剪を投げる。初めから、三十六计逃げるが上策、と肚に决めていた燃灯道人は、赵公明の手が动くと同时に逃げ出した。空飞ぶ速さでは、やはり仙鹿は蛟龙の相手ではない。危ない、と悟った燃灯道人は、さっと姿を消して光遁に乘り移った。その瞬间、仙鹿が胴体を真二つに剪み斩られて绝命する。
                              “什么?弱者!你疯了!”赵公明突然掷出金蛟剪。燃灯道人一开始就下定决心,三十六计走为上策,在赵公明的手一动的同时就逃跑了。以在空中飞行的速度来说,仙鹿果然不是蛟龙的对手。燃灯道人意识到了危险,忙驾光遁而去。他的身影迅速消失了,而就在那一瞬间,仙鹿的身体被一闸两段而死。
                              「**、逃げ足の速いヤツだ!」と舌打ちしながら、赵公明は傲然と胸を张って辕门に引き扬げた。燃灯道人は冷や汗を拭きながら芦蓬に戻る。
                              “**,***跑得真快!”赵公明一边咂着嘴,一边傲然挺起了胸膛,回到了辕门。燃灯道人也擦着冷汗,回到了芦蓬。
                              「仙鹿に気の毒なことをした。やはり、金蛟剪は闻きしにまさる宝贝じゃ。谁の手にも负えまい」と溜息をもらす。
                              “我的仙鹿!遭了赵公明的毒手!金蛟剪这宝贝果真是耳闻不如一见啊!要是被它碰上了,没人能够幸免!”燃灯道人叹了一口气道。
                              「五夷山の曹宝に例の”落宝金钱” を投げさせたらどうであろう」と广成子が言った。
                              “让五夷山的曹宝去投那‘落宝金钱’会如何呢?”广成子道。
                              「いや、金蛟剪は宝贝だが“宝”ではなく、生き物(蛟龙)だから落とせまい」と燃灯道人は首を振る。
                              “不,金蛟剪虽然是宝贝,但不是‘宝’。它由生物(蛟龙)炼化而成,不会因落宝金钱而掉落。”燃灯道人摇头道。
                              「やはり、玄都の大老爷(太上老君)に指示を仰ぐほかあるまい」と灵宝大法师が言った。
                              “果然,我们只能马上去仰求玄都大老爷(太上老君)的指示了。”灵宝大法师道。
                              「しかし太极图で不始末をしているからなあ。まずいことになった」と赤精子が头を抱える。
                              “可是太极图被我不经意弄丢了!真是糟糕透了!”赤精子抱头道。
                              「魔家四将のときのように、杨戬がこっそり失敬する、というわけにはいくまいか?」と姜子牙が言う。
                              “难道不能像对付魔家四将时那样,让杨戬去悄悄地把金蛟剪偷走吗?”姜子牙道。
                              「がっちり胸に抱きしめて寝るだろうから、手を出すチャンスはあるまい」と燃灯道人は悲观的である。
                              “赵公明睡觉时都把金蛟剪紧紧地抱在怀里,杨戬没有出手的机会。”燃灯道人悲观道。
                              「どうだろう。いっそ定海珠をぶっつけてみたら?」と玉鼎真人が言った。
                              “要不你干脆把定海珠拿出去碰一碰他,如何?”玉鼎真人道。
                              「うむ。一応はそれも考えたが、胜手に玄都の至宝を使うことは、やはりはばかられる。それより、使うときの口诀(咒文)を知らない」と燃灯道人は、さらに叹息する。
                              “嗯。虽然我也考虑过这个问题,但擅自使用玄都的至宝,还是被仙界明文禁止的。比起玄都的禁令,我更不知道使用定海珠的口诀啊。”燃灯道人愈发叹息道。
                              「いや、定海珠の使用许可と口诀のことなら、贫道が玄都にひと走りしてきましょう」と玄都に受けのよい灵宝大法师が、自らいやな役を买って出た。
                              “不。如果燃灯道兄需要定海珠的使用许可和口诀的话,那贫道就去跑一趟玄都吧。”灵宝大法师在玄都很受欢迎,此时他却愿主动承担起自己讨厌的任务。
                              「それはありがたいが、なにしろ太极图の不始末を未だにお诧びしていない。もし玄都に参上するなら、やはり赤精子が筋であろう」と燃灯道人は赤精子をかえりみた。
                              “这固然是件值得庆幸的事情,然而我们不经意丢失了太极图,至今还没有对玄都道歉过。如果要去玄都的话,赤精子也理所应当接下这个任务。”燃灯道人反过来看了赤精子一眼。
                              「もちろんお诧びはせねばならないが、まず太极图を取り返さないことには、なんとも具合が恶い」と赤精子は当惑する。
                              “我们当然应该向玄都道歉,但如果我们不先把太极图夺回来的话。让我空着手去玄都,那实在是太糟糕了。”赤精子对燃灯的决定感到很困惑。
                              「それより、さしあたりは明朝、赵公明にどう对処するか、だ。彼はかならずやって来る」と燃灯道人は眉间にシワを寄せた。しかし答える者はなく、芦蓬に忧色は浓い。
                              “比起向玄都道歉,现在的问题是,明天早上我们该如何对付赵公明呢?他一定会来找我们报仇的。”燃灯道人皱着眉头,但没有人敢回答他。芦蓬里的忧色越来越重了。
                              そこへ杨戬が现われて「来客」を告げた。
                              这时,杨戬出现了。他向燃灯报告,有一位“来客”到访芦蓬。
                              「案内せよ」と燃灯が当惑げに言う。
                              “快给我带路。”燃灯疑惑道。


                              IP属地:安徽来自Android客户端20楼2019-12-30 18:56
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